その4
テツヤ「・・・でどうする?これからは?」
コウジは少し考えた後、こう言った。
コウジ「・・・取り敢えず、アルバイト生活だな。・・・他にあるか?」
テツヤ「バイトでも、・・・そもそもお前は何がやりたいんだ?」
コウジ「・・・わからん。わからんから、取り敢えずいろいろとやって、探していくさ。」
テツヤ「・・・それって、前にも聞いたセリフだよな。・・・そうそう、大学行く時にも言ったよな?」
その通りで、確かに言った事をコウジは思い出した。
コウジ「いいじゃねぇか!こんな世の中だから、まだまだ自分を見つけて行かなきゃダメだろ!?」
コウジは苦し紛れに言い放った。するとテツヤはこう提案した。
テツヤ「ここはもうハロワーに行って、きちんと就職先を見つけたら?」
ハローワークの略である。そう言われてコウジは憮然と言い切った。
コウジ「そこに行くほど全然終わっちゃいねぇよ。」
テツヤ「・・・どういう意味だ?」
コウジ「いいか、あそこは定年したおっさんや、年老いたじじいが行く所だ。俺はそこまで終わっちゃい
ねぇから。それに金に困って、どうしてもって奴が行く所でもある。」
コウジはテツヤの目をマジマジと見て、強い口調で言った。この時テツヤは困惑な表情をした。続けてコウジは、今の自分の可能性をテツヤに説明した。
コウジ「俺はまだ可能性がある。二十三、全然若いだろ。若さもあって色々と挑戦ができるんだ。」
テツヤ「・・・・・・。」
コウジ「そんな選択肢のないおっさん達が行く所に行っても、逆にチャンスが減るってもんだ。俺は違う
し、まだ時間はあるから、この際色んな経験をして、もう一度自分探しをしていこうと思う。」
テツヤ「・・・・・・。」
コウジ「そうだ!それだ!それこそ未知なる出会いとか、運命のキセキとか!そういう訳だ、そうだろ?
わかるか!?」
話してく度にコウジの表情は恍惚に溢れていた。反対にテツヤの表情は唖然としていた。
テツヤ「・・・とにかく、やりたいようにやれよ。今は誰も咎めんから。」
コウジ「おう!ネガティブじゃなくて、ポジティブポジティブ!」
テツヤとして良かったのは、コウジが昔の頃に戻った感じがしたって事だ。
コウジ「さぁここから再出発だ!人生一度きりなら、とにかくやるしかねぇ!」
意気揚々と笑顔になってるコウジを見て、テツヤも微笑んで、心から嬉しく思っていた。




