その2
それから程無くして4人はファミレスを出て、そのまま解散した。でもコウジとカズキは、帰りの方向が同じなので、一緒に電車に乗って帰っていた。
カズキ「・・・別に、そこまで凝り固まらなくても、よぉ?」
コウジ「・・・マサトの事か?」
カズキはやっぱりやり切れない思いがあったので、ついコウジに気持ちをぶつけた。
コウジ「・・・ただな、仕方ねぇよ。アイツの気持ちもな。アイツだけ浪人するんだからさ。」
カズキ「・・・まぁ、そりゃわかるけどよ。でも何でだろうな?あの場のノリだったらOKするだろ?」
コウジ「それは、・・・どうだろうな?とにかく次のステップに向かってんだろう。」
カズキ「予備校とか、勉強にか?」
コウジ「そこまでは知らん。」
カズキは一息吐いてこう言った。
カズキ「そもそもよ、アイツ少しレベルを下げて、違う大学を受けたら絶対受かってたよな?」
コウジ「・・・アイツどこ受けたんだ?」
カズキ「確か東京の、でも有名な所じゃなかったけど、それでも倍率は高かったと思う。」
コウジ「じゃあそれでも行きたかったんだろうな。」
カズキ「・・・プライドかな?少しそんなところがあっただろ?」
コウジ「もう止めようぜ、この話。聞きたかったら本人に聞けよ。」
とコウジは呆れた口調で言い返した。そう言われてカズキはシュンとなった。
コウジ「ところで、お前はいつ行くんだ、大阪に?」
カズキはここ地元を離れて、大阪の大学に行くことになった。
カズキ「・・・そうだな、でもいち早く行きたい気持ちにはなる。だって大阪だろ?絶対にここよりも楽
しくて、面白そうだしな。環境にしても雰囲気にしても、間違いなく刺激的だからな。」
そう言ってカズキは浮かれた表情になっていた。その様子を見てコウジは無表情で言った。
コウジ「・・・まぁとにかく、決まったら連絡しろよ。」
カズキ「おう、わかった。・・・で、お前は?」
コウジも地元を離れて、他県の大学に通う事になって、そこで一人暮らしを始める予定だ。
コウジ「・・・俺は、多分一週間後、かな。」
カズキ「だったらお前の方が早いかもな。・・・何か手伝おうか?」
コウジ「いや、大丈夫。そんなにたくさんはないから。必要な物は現地に行って買うし・・・。」
とここでとある駅に着いた。ここでカズキが電車を降りた。いつもだったらそのままスタスタと、改札口に向かうのだが、カズキは電車から降りた後、立ち止まって振り返って、コウジに伝えた。
カズキ「・・・じゃあ、元気でな。」
コウジ「・・・ああ。たまには連絡しろよ。」
お互い何とも言えない表情で、最後の思いを噛みしめていた。電車のドアが閉まって、ゆっくりと走り出した。それまでお互いの顔を見ながら、そして離れて行った。




