2020 9/11(6)
今後もよろしくお願いします。
奈那子「着いたわね」
楓「…」
楓は奈那子に視線を向けると奈那子も楓の方を見返す。そのまま理科の手を離して上履きに履き替えてどこかに向かって行った。奈那子は理科の手を離さず、自分の下駄箱から上履きを取り出しながら足を器用に使って革靴を脱いで履き替える。
奈那子「朝倉も履き替えなさい」
奈那子が理科の下駄箱の方に歩き出して下駄箱の方に近づく。
理科「あの、手を放してくれない?」
いつまでも手を握られていると行動しづらい。奈那子は無言で手を放して理科に履き替えるように顎を動かす。その動作にイラつくも我慢して比較的新しい上履きに履き替える。
奈那子「それじゃあ行くわよ」
再び理科の手を握って歩き出す。周りの生徒達は手を握っている奈那子と理科を見てザワザワと騒ぎ立てている。中には「キャーキャー」言っている頭がお花畑のやつらの声も聞こえるが、奈那子はそんな声を気にせず歩き続ける。歩く通路はいつも理科が通っている保健室だ。
理科が向かう先も保健室なので大人しくついていく。保健室前に着いて、理科からは見えないようにスマホを操作して数秒
奈那子「朝倉」
理科「何?」
奈那子「これから私達も保健室登校になるからよろしくね」
理科「…え?」
奈那子が勢いよく扉を開ける。中に足を踏み入れると保健室の先生が挨拶をしてきた。奈那子は気にせず保健室の先生に挨拶をして理科も挨拶をする。
いつも星名が座っている席を見てみるとそこには楓が座っていた。
理科「あれ…」
楓「…」
奈那子「さてと…」
奈那子が近くの机を奪って普段理科が使っている机の横に設置する。また楓と奈那子に挟まれる形になってしまった。
理科は何がなんだか分からず入り口付近であたふたしていると、保健室の先生が入るなら入る、入らないなら入らないと注意を受けてしまう。
入ることにして星名の席に座っている楓に話しかける。
理科「そこは…」
楓「星名さんの席なのはわかっていますよ。交渉して使わせてもらっているので問題ないです」
先生の方を見ると楓と奈那子のことを全く気にしていないように見える。一体どういうことなのやら。
とりあえずいつもの席に座って自習の準備をしていると
楓「朝倉さん、確認したいことがあります」
理科「?」
楓「あなたは本当に私達と同じ存在ですか?」
理科「…?」
質問の意味が分からず、口を開けて楓の方を見ると奈那子が補足説明をしてきた。
奈那子「楓の占いは人間に対しては確実に占いが当たるのだけど、朝倉を占う時は1回も占うことが出来ないんだって」
理科「…そういうことも」
楓「確かにそういうことがあると言えばあるかもしれません。しかし私の占いは、同じ人間相手なら例外を除いて必ず何かしらの暗示は出るんです。だけど朝倉さんは何の暗示も出ない」
奈那子「楓が占いを外す、そもそも占えないことはその例外を除いて一度も無かったのよ。だから心して答えてね朝倉」
理科の首元に何かを当てられる。何かと思って首元を見ようとするが、その前に激痛が走る。
後ろから誰かが何か鋭利なもので押さえているようだ。誰かは分からない。
理科「っ…」
これは下手に答えると攻撃すると示唆しているのか。しかし〈予感〉が発動しない。明らかに危険な状況になっているはずなのだが、ここ最近〈予感〉が発動することが減ってきている。実は危険な状況ではないのか、それとも発動するのも制限がかかるようになったか。
今はそんなことを考えている場合ではない。
楓「その例外というのは2つあります。1つは既に死亡している。実は今朝緋色さんがいなくなったと聞いて、占いをしてみたんですが全く占うことが出来ませんでした。そしてさっき茅野さんについても占いましたが、全く見ることが出来ませんでした。2人とも既に死亡している可能性が高いです」
理科「…そんなの初耳だよ」
楓「当然です、誰にも言っていませんから」
理科「なんで言わないの?」
楓「わざわざ言うような物でもないからです。今回は事情が事情なので。それともう1つは私達と同じ人間ではないこと。偶に相談してくる人の中には人ではない何かを占ってもらうことがあるのですが、そういう時も見ることが出来ません。中には犬とか猫とか人形とかを占ってほしいと言う人がいましたがそれら全部私は占う事は出来ません」
奈那子「さて、朝倉。あなたは既に死んでいるの? それとも人外? どっちなのかしら?」
奈那子が強い口調で言うと、後ろから理科の首元に鋭利なものを当てている人も「答えろ」という感じで改めて首元に構えてきた。
理科「私は…」




