2020 9/11(4)
理科「…」
奈那子「でね~」
楓「はぁ」
中央に理科、左に奈那子、右に楓で登校している。理科から話を振ることはなく、奈那子と楓が2人で話しをしていて正直気まずい。
どれくらい気まずいかというと全国集会とか朝礼で、自分の両隣や前後が友達同士で自分の存在がないように話を続ける時みたいに気まずいものがあった。
しかも2人とも距離を物理的に縮めるから気持ち的に辛いところがあった。
これなら1人で登校した方がましだ。
そう思いながらも、ここでいきなり1人で行くよなんて言えば不信感を与えてしまうのかもしれない。そういうわけで2人の話をラジオ感覚で聞きながら景色を見て暇を潰していると、2人は話すのをやめて立ち止まる。
何があったのかと思い理科も足を止める。2人はある方向を見て足を止めていた。2人の視線を追ってみるとそこには理科達と同じ制服を着た生徒が血だらけで倒れている。人通りはそこそこあり、倒れている人に気付かないというのはあり得ないのに、周囲を歩いている人達はまるでその人の姿が見えないように歩いている。
奈那子「…朝倉」
奈那子が理科の袖を掴んで後ろに後退させると、楓が前に出る。横顔が僅かだけ見えたがその表情は驚いているように見えた。
奈那子の誘導に従って、大人しく後ろに下がり楓の方を見ていると
楓「…もういいです」
奈那子「うん」
奈那子が理科の袖から手を離して楓の元に駆け寄る。楓は奈那子の耳に手を寄せて、理科からは口元が見えないように何かを奈那子に伝える。奈那子の表情は特に驚かず、少し何かを話した後に2人とも理科の方に戻ってくる。
理科「あの…あれは?」
どう見ても倒れている人を指さして聞いてみるが、2人とも何も言わないで理科を見ている。まさか自分にやれと言うのだろうか。
理科(でも椿さんの時の2人の反応の仕方的にな…)
とりあえず誰が倒れているかを確認するべきかと思って倒れている人に近づく。
理科「え」
倒れている人が予想外の人だった。
奈那子「…」
楓「…」
理科「…」
倒れている人は理科にとって一番接触したくない人でもあった。
茅野「…」
口から血を出して瞳は淀んでいてとてもじゃないが無事とは思えない。
茅野亜李が倒れていた。




