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12人の少女 最終計画  作者: ヤマネコ
始まり(2)
90/164

2020 9/10(9)

これで90話です。ここまで読んでくれた皆様ありがとうございます。最近モチベが低下してきて書こうと思っても、キーボードを叩く手が止まってしまい、他の作業をしていて気が付いたら書いていないということに気付きました。これからも投稿頻度はまばらになると思いますが、それでも追いかけて読んでくれるのは書いている身としては嬉しいものです。これからもよろしくお願いします。

身体をほぐすためにストレッチをしていると誰かが病室に入ってきた。足音がした方に顔を向けるとそこにいたのは緋色沙耶だった。


緋色の姿を見て身構える。


緋色「なんで私から距離を取っているんだ? 別に何もしないよ。ただ様子を見に来ただけさ」


ケタケタと笑いながら理科に近づいてくる。〈予感〉は発動していない。というか襲われたのに〈予感〉が発動していなかったことを考えてみると、前回の楓のように全く視界が確保することが出来なかったという能力の仕様によるペナルティ…。もしくは〈沈黙〉を使われているか…。


星名本人に〈沈黙〉を持っているかどうかを確認していないし、理科と清水が前回と同じ能力を保有しているから、1つは前回と固定と前提と考えているが星名が〈沈黙〉持ちなのは十分あり得る。緋色が持っているとは考えないとして


理科「いや…。ビックリして後ずさりしちゃって…。あはは」


緋色「アハハ、そうなんだ。立って歩くことは出来るんだ。大量出血をしたと聞いていたけど…平気なの?」


理科「…」


緋色「なんか言いなよ」


理科「私を襲ったのは緋色さん?」


もうこの週は死ぬことを前提で情報収集することにした。次がある保障はないけど、もし緋色が理科を殺す気ならどの道殺される可能性が高いと判断したからだ。


緋色「いや、襲っていないよ。襲ったのは私じゃない」


理科「誰が襲ったのかは分かっているの?」


緋色「そもそも私はゲームセンターで遊んでいたからお前が襲われていることを知ったのはグループの方で書き込みがあったのに気付いたからだし」


スカートのポケットからスマホを取り出してユラユラと振りながら理科に近づき始める。それでも〈予感〉は発動しなかった。


理科「それで何の用なの?」


緋色「6時間目の間は私が担当だからな。ホテルまでの帰り道まで付き合う予定になっているからよろしく」


理科「…。そういえばこの病室は緋色さんが見つけたって言っていたけど、どうやって見つけたの?」


緋色「廊下を歩いている時に壁にぶつかりそうになったらすり抜けて見つけた。その時は楓も一緒にいたから嘘だと思うなら聞いてごらん」


理科「…」


そもそも病室の外の景色のように人工的に作られた壁で、実態のないものだったのか…。もしくは…。


〈発見〉を使って見つけたか。


この2つの可能性が高いだろう。


理科「いつ見つけたの?」


緋色「昨日の授業と授業の間の休み時間」


理科「…医者の人がどうこうって言っていたけど」


緋色「見つけた時に医者と名乗る奴がいた。これも楓に聞いてみ。どうやらこれは一般生徒の奴らには見えないような仕組みになっているみたいだぜ」


理科「…どうしてそれが分かるの」


緋色「他の奴らにここの壁にぶつけて無理やり通らせようとしたけど全員すり抜けることが出来なかったから。楓は通れたから、多分私達12人しか通れないと思うよ」


理科「…〈発見〉を使ったの?」


緋色「違うよ」


笑顔で答える緋色。


理科「…」


噓くさい笑顔だった。両手をスカートのポケットに突っ込んで更に理科に近づく。数歩前に歩けば緋色とぶつかりそうになるくらいまで近づかれると、彼女はポケットをゴソゴソとした瞬間、避けないと殺される光景が浮かび上がる。


理科「!?」


本能のまま左に転がって避ける。まだ傷口が痛み、痛みで転げまわりたかったが我慢して入口の方に近づいて緋色から距離を取る。彼女の瞳は赤くなっていた。


緋色「あ~、なるほど…。そういうことか」


赤い目のままニタニタとしながら理科と向かいあう。


理科「どういうつもり」


緋色「いや、何。試してみたかったのさ。今分かったから何もしないよ」


理科「…」


緋色「アハハ!」


笑っている緋色の姿が急に歪んでと思ったら、次の瞬間ペシャンコになってしまった。薄さ0,01mlの紙のようにペラペラとなっていてとてもじゃないが生きているようには見えなかった。どういうわけか分からず、あちこち視線をさまよわせていると、後ろから声がかけられた。


???「よお、何しているの朝倉」


びっくりして入口から遠ざかるように足を進め誰か確認するとさっきペシャンコになった緋色と同じ姿をしていた者が立っていた。


緋色?「なるほど、朝倉は〈予感〉持ちか」


理科「!」


緋色?「なんだ、だったら話は簡単だな。朝倉1つ提案がある」


理科「…何?」


緋色?「お前のもう1つの能力を教えてくれない? 教えてくれたら私のも2つ教えるよ」


理科「!? どういうつもり?」


緋色?「どうもこうも、このゲームを早く終わらせたいんだよ。シナリオ終了条件が分からないからとりあえず調べることが出来そうな範囲で調べたいのさ」


理科「…」


緋色?「…」


相手は退屈を嫌うことだ。なりふり構わず情報を集めて一番乗りでクリアしたいのだろうか…。


理科「…分かった。その前に1つ聞いて良い?」


緋色?「うん?」


理科「お前誰?」


緋色?「緋色沙耶だよ」


理科「…」


今話しているのが本物でさっきのが偽物?


今話しているのが偽物でさっきのが本物?


今もさっきも偽物…?


緋色?「私が私以外に誰に見えているのさ」


理科「わかった。せーので能力を公開するという条件なら飲む」


断ったらまた危害を加えようとしてくるかもしれない。ここは従っておくことにした。


緋色?「いいぜ」


彼女もスマホを取り出して画面を操作した後に、理科に見せる準備を整える。2人でせーので見せると彼女の能力は…










緋色?「ほー」


理科「…どっちなの?」


緋色「本物だよ」


理科「そう、それで?」


緋色「いや~、全員分知れば何か起きるのかなって思ってさ。お前はなぜか上手く行かなくてさ。ごめんね、こういう強引な方法で確かめようとして」


理科「…本当だよ。私じゃなかったら死んでいたよ」


緋色「そろそろ放課後だ。軽い検査を受けたらホテルに帰るぞ」


理科「分かった」


緋色はこの病室から出て行き、理科1人になる。


緋色の能力は〈発見〉〈分身〉だった。


さきほど潰れたのは分身だったのだろう。自分から能力を公開してこようと大胆なことをしてきたが、退屈を嫌う性格を考えると考えるよりも動く人なのだろう。


とりあえず緋色は現時点では黒に近い灰色という感じだ。


身だしなみを整え、制服に着替えて病室を出るとどこからか声が聞こえてきた。


【はい、そこで止まってね】


姿を探すも誰もいない。


【検査をするからジッとしてね】


言われるがままジッとしていると身体に何かを押し付けられたような感覚があるが、すぐに終わり


【はい、これでおしまい】


それから声は聞こえなくなった。何だったのかと思いながら通路を歩いていると、壁の前で立っている緋色がいた。


緋色「じゃあ行こうか」


理科「うん」


緋色が壁に向かって歩き出す。ぶつかると思ったがすり抜けるように緋色の姿が見えなくなった。


理科も緋色に続いて壁をすり抜けると、校舎のどこかの通路に出た。


出てきた所を見るとただの壁がある。試し触ってみると壁を触っている感触がなかった。


緋色「な」


理科「…本当だったの」


緋色「じゃあ帰るぞ~」


そのまま緋色とホテルまで共に帰宅する。その間特に会話は無く、緋色は何かを考えこんでいるようだった。理科から話題を振っても生返事しか返ってこない。


ホテルに着くと、他の10人全員がエントランスにいた。全員が理科の帰りを待っていたようで、理科がエントランスに入ると椅子に座らされて昨日何があったかを聞いてきた。


理科「~~~」


この中にゲームを中止させたい人がいるはずなので最低限のことだけを話すことに。帰宅中に、全身が黒い人型の何かをした者に襲われたこと。瞬間移動のように移動が高速だったこと。気が付いたら攻撃を受けて倒れてしまってそれから覚えていない。


以上のことだけを話す。それぞれ反応が違った。


理科に色々なことを聞いてきたが、覚えていないと返していくと聞くことが無くなったのか、それぞれ解散し始めた。


エントランスに残ったのは理科だけ。他の全員はどこかに行ってしまった。手洗いうがいを済ませて部屋で夕食まで適当に時間を潰していると、清水からチャットが来ていた。


清水『瀬奈さんは〈記憶消去〉持ちだったよ。後〈粘着〉も持っていたわ』


理科『ありがとうございます』


清水『そっちは何か分かった?』


緋色の能力のことを話そうとしたが、〈発見〉で個人のチャット履歴を全て見ることが出来るとしたら…と考えて打つことをやめる。緋色が持っているのは分かったがどこまで〈発見〉出来るのかわからない以上、記録が残ってしまうのは避けたい。


理科『特に分かりませんでした』


清水『今日は早く寝なさい』


理科『そうします』


それきり清水から連絡は来なくなった。適当に夕食を済ませて一番風呂を譲ってもらいお風呂を済ませる。


後は寝るだけだ。


寝る前に能力についてまとめると


朝倉理科=予感・色欲

伊藤ルキ=精神安定・?

柊椿=鍵開け・?

柊奈那子=追跡・?

柊楓=可視・?

清水社巫女=誘惑・声代わり

星名メア=沈黙・?

瀬奈来夏=記憶消去・粘着

明坂絵美=?・?

茅野亜李=?・氷結

緋色沙耶=発見・分身

宮永美玖=?・?




やはり〈誘惑〉は強い。感情を結べれば好きな情報を抜き放題なように思える。ただ〈沈黙〉持ちの人には通じないことが難点だろうか…。


…清水は他の9人全員に〈誘惑〉を使用しているのだろうか(沈黙持ち以外)。もしそうなら理科に知っていることを話してきそうにも見えるが、何か話さない理由があるのだろうか。


理科「こっちから10人全員にかけているのかって聞くのもな…」


聞ける内容だが、聞きにくいと感じてしまった。詳しいことは明日聞けばいいか。そう思って部屋の電気を消して就寝した。



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