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12人の少女 最終計画  作者: ヤマネコ
始まり(2)
69/164

2020 9/8(6)

評価・ブクマよろしくお願いします。

開いていたページの問題を解き終わり、解答冊子を開いて丸付けをする。


キュッキュッキュッキュッピッ。


一問だけ×を付けて、自分の答案と解答冊子に書いてある文章を見比べてどこが間違っているのか見る。1つ1つの数字と式を確認していると、自分の書いた答案の一部が計算ミスしていて、そこから後の計算も全てズレていることが分かった。


解答までの導き方自体はそこまで大きく間違っておらず、ただのケアレスミスと考え赤ペンを放って背もたれに寄りかかる。隣で自習をしていた星名のことを見てみると、世界史の教科書と資料を見比べてノートに何か書き込んでいる。


理科(あるよね。世界史で出てくる人名なんてほとんどがカタカナだし、「ヌ」と「ネ」を間違えるとか、「ッ」が入るかどうかとか、濁点を付けるかどうか迷う事あるよね)


更に人名や地名だけでなく、資料の問題とか出てきて問題によっては本当に細かく見ないと見分けがつかない時もある。例えば建物の写真が真正面と横から撮られていたのを見せられてそれぞれの建物はどれかという問題。


あれ本当に見づらいからやめてほしいよね。


自分は数学の勉強をしているのに、なぜ世界史のことでああだこうだと言っているとチャイムがなった。これで今日の授業は全て終了。あとは帰宅するだけとなった。


基本的に学生ならこの放課後の時間が待ち遠しいだろう。


部活に精を出す者、帰りに友人とどこか寄り道をしていく者、恋人と遊びに行くとか何かのイベントに参加しに行く者もいるだろう。


正直理科にとっては放課後が一番嫌な時間になりつつあった。


理科(だってしょうがないじゃん! 朝起きれば、また1日が始まったと絶望するし学校に向かう途中は襲われないか不安になるし、放課後になればまたよくわからない使命を負うとか、どこかで殴り合うことになるかもしれないし…)


なんやかんやで授業時間が一番安心できる時間となりつつあった。


勉強自体は好きというわけでもないが、嫌いという意味でもない。しかしずっと勉強していると飽きるものだから気を紛らわせたいが、単独で動いていたらまた誰かに襲われるかもしれないので身動きがとりづらくなっていた。


星名「…」


星名は無言で机に広げていた教科書と資料を鞄にしまっていた。


スマホを取り出して清水から何か連絡がないかと確認していると、用意された宿泊施設らしきの住所とURLがいつの間にか新しいグループに書き込まれているのに気づく。


誰かが書き込んだのではなく、よくある〈○○が退出しました〉とか〈○○が××を招待しました〉という感じにシステムで書き込まれていた。マップアプリで書かれていた住所を書き込みどこにあるか確認する。


読み込みが終わり、マップにピンが刺された場所は理科が前回使っていた場所と同じだった。このままホテルに向かってもいいのだが一緒のグループにいる星名を置いていって1人で向かうのも…感じが悪い気がする。


前回4人組…厳密にいうと明坂と茅野に殺された経験を元に、出来る限り敵意や悪意を相手に与えないようにして狙われる可能性を少しでも低くしようと考えた理科は星名に話しかける。


理科「あの星名さん」


星名は無言で理科の方に振り返る。


星名「…」


用件を早く話せということだろう。前回の星名はまさに必要最小限の会話で済ませたい印象があったので


理科「良かったら一緒に指定された住所に行かない?」


理科が前回に住んでいたのはホテルだが、ここでほとんど接点のない人がいきなり「一緒にホテルに行かない」なんて言えばどうなることか…想像もしたくなかった。ただ間違いないのはもう彼女と合わせる顔がないことだろうか…。


星名「…いいよ」


それは肯定の「いいよ」なのか、反対の「いいよ」なのか…無表情でそんな返答されると判断に困る。


星名は理科を置いていって保健室を出て行ってしまった。


理科「…いやだってこと?」


そのつぶやきに答えは返ってこない。多分先に行ってしまったのだろう。これは好感度が足りないのかと思って少し落ち込んでいると誰かからチャットが来た。個人の方に来ていて差出人は清水。


清水『ホテル一緒に行く?』


何も知らない人がこの文章を見ただけでは、おそらく多くの人が同じことを考えるだろうが、理科にはきちんと意味が分かっている。


理科『どうしましょう。10人からしたら多分私達接点がないですし、突然一緒にいたら怪しまれるかもしれないですし』


清水『私は来夏を誘っていくわ。理科ちゃんは理科ちゃんで来て』


理科『分かりました』


それぞれのプロフィールを確認して誰がどこのクラスに所属しているか確認する。



・伊藤ルキ

2年A組

3サイズ 73/55/76 147センチ

生年月日 2007年6月4日


・柊椿

3年C組

3サイズ 90/58/86 164センチ

生年月日 2006年1月26日


・柊奈那子

2年B組

3サイズ 82/56/80 154センチ

生年月日 2007年3月18日


・柊楓

1年A組

3サイズ 69/52/69 142センチ

生年月日 2008年2月16日


・清水社巫女

3年C組

3サイズ 71/54/70 148センチ

生年月日 2006年10月14日


・星名メア

2年B組

3サイズ 68/53/69 142センチ

生年月日 2007年11月19日


・瀬奈来夏

3年B組

3サイズ 85/57/82 167センチ

生年月日 2006年8月30日


・明坂絵美

3年A組

3サイズ 91/57/88 162センチ

生年月日 2006年9月13日


・茅野亜李

3年A組

3サイズ 83/58/88 158センチ

生年月日 2006年9月3日


・緋色沙耶

1年A組

3サイズ 70/53/77 142センチ 

生年月日 2008年4月13日


・宮永美玖

3年B組

3サイズ 84/57/83 160センチ

生年月日 2006年10月27日



クラスや生年月日、体格は前回と変わっているところはない。なんで3サイズがあるのかさっぱり分からなかったが、もしかしたら何か重要な情報の時の手助けになるのかもしれない。


清水と一緒に行くことはなくなったし、いきなり個人で一緒に行かないかと誘うのもな…と渋っていると星名からチャットが来た。


星名『まだ?』


なんのことか分からず、そのまま続きの書き込みを待っていると


星名『昇降口で待っているんだけど』


理科「え!?」


あれは肯定の「いいよ」だったのか。無表情だと本当に判断がしにくい。急いで教科書類を鞄に閉まって保健室の先生に帰ることを伝えると


保健室の先生「はい、さようなら」


書類から顔を上げず、何か大変そうに見えた。


保健室から出てカバンに閉まっていた革靴を取り出してスリッパを事務所に返す。そして昇降口に向かって歩くと星名と緋色がいた。2人はまだ理科が近づいていることに気付いていないようで何かを話している…というよりは緋色が星名に何かを言っている感じだ。


そのまま2人に近づくと


緋色「…」


星名「…」


2人は話をやめて、無言で理科の方に身体を向けて話しかけてくる。


緋色「よう」


星名「行こう」


理科「? えぇ」


星名がいるのは知っていたが、緋色がいるのは聞いていなかった。少し戸惑っていると2人は並びながら理科の一歩前を歩き出す。理科も2人の後を追うように歩き出した。


今後もよろしくお願いします。

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