2020 9/8(5)
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清水「…」
理科「…あの」
清水「…少し話せないかしら?」
理科「はい…それなら大丈夫ですけど…」
何の用かと清水の様子を伺っていたが、とりあえず清水の後を追うと、人気のない場所に出た。
清水「…」
理科のスマホに通知が来た。誰だろうと思ってスマホを取り出してチャットアプリを開くと個人の方にチャットが来ていた。差出人は清水社巫女。目の前にいるのになんでチャット? と少し不自然に思いながら開封するとそこには昨日までの清水との会話ログが残っていた。
理科「あれ」
清水「やっぱり…」
スマホの画面を見て呟いた理科を見て何か納得したような声を出す。そのままチャットが書き込まれた。
清水『昨日までのことを覚えている?』
理科「っ!」
清水「声に出さないで。そのまま書き込んで」
理科「…」
無言で指をスイスイと動かして返信する。
理科『覚えているんですか?』
清水『一応私が覚えている限りは覚えているわ。他の人は覚えているのかどうか微妙だけど…多分覚えていないかなって思っている。根拠はないよ』
理科『よかった、私以外にもいて』
清水『なんで私と理科ちゃんは覚えているのか…なんでか分かる?』
理科『わかりません』
清水『私の推測だけど、多分あの座席と番号に何か関係があるんじゃないかなって思っている。前回私は2だったけど、今回は1だった。それで伊藤が1から11になっていて、他の人は番号が繰り上げになっている。この点を考えるともしかしたらあの番号に何か意味があるのかなって。それに理科ちゃんだけ番号が12で固定されているでしょ? それも何か関係があるんじゃないかなって思っている』
理科『それは私も思っていました。あと24個の内に前回にはなかった能力が11個追加されましたよね』
清水『それ私も見て驚いたわ。私が言いたいのは、あの時他の10人も前回までのことを覚えているならあの時何か知っているかという問いかけに1人は知っていると言ってきてもおかしくなかったのに、誰も名乗り出なかった」
清水『私みたいに変に疑われないように名乗り出なかった可能性を否定できないけど、多分他の10人覚えていないんじゃないかな』
理科『それはありえますね』
清水『理科ちゃんが部屋に入ってきたときの伊藤の反応的に、多分伊藤は覚えていないと思う。覚えているなら声をかけるまではなくても理科ちゃんに意識は向くはず。なのに全く理科ちゃんを見ていなかったから多分覚えていないかなって。でもあの人のことだからあえて無視をしたのかもね』
理科『明坂さん・茅野さん・緋色さん・宮永さんもつるんでいなかったのが気になりますね。あの4人前回はほぼずっと一緒にいたはずですが…今回はほとんどつるんでいませんでしたし』
清水『メアと来夏も覚えていない感じだったわ。柊姉妹も多分覚えていないんじゃないかしら』
理科『…そうかもしれませんね』
清水の意見はどれも理科が思っていたことだ。
清水『とりあえず、私達2人は前回のことを覚えているから何かと協力する機会が出てきそうだからよろしくってこと』
理科『そうですね』
清水『一応口で話すときの私の呼び方は清水さんにしておいて、私も朝倉さんで統一するから』
理科『分かりました』
清水『とりあえず、お互いの能力を言っておく?』
理科『そうですね。お互いの把握しておいた方が能力判別しやすいと思いますし』
清水『私は〈誘惑〉と〈声変わり〉』
理科『私は〈予感〉と〈色欲〉です』
清水『もしかして予感って前回もいっしょ?』
理科『はい、社巫女さんも?』
清水『えぇ、私も〈誘惑〉を使っていたわ。というか〈色欲〉も持っていたわ』
理科『前回は〈誘惑〉と〈色欲〉持ちってことですか?』
清水『ええ』
理科『私は〈予感〉と〈身代わり〉でした』
清水『13個前回と一緒…もしかしたら他の人達の能力は前回と固定されているのかもね。私と理科ちゃんでそうなら他の人の可能性も高いわ』
理科『ですね。他の人のことどうします? 共有します?』
清水『…今はしなくていいと思う。共有する必要があったらしましょう』
理科『そうですね。グループのログも見れば状況が分かるかもしれませんし』
清水『え? グループ? グループには何も書き込みがないわよ?』
理科『え?』
清水『え?』
理科の方にはグループが2つあった。前回の会話ログが全て残っているグループ(1)と、もう一つ何も書き込まれていないグループ(2)だ。清水の方には(2)しか表示されていないのだろうか…。
清水『そのグループって12人のグループ?』
突然頭の中にある光景が浮かぶ。「他の人に過去のグループのことを話そうとすると頭が破裂する」
理科の目を見ていた清水が一気に距離を取る。
清水「もしかして見えた?」
さっき理科の能力を清水に公開したから、自分を攻撃してくるとは思っていないようで距離は取ってこなかったが警戒している。
理科「…」
無言で首を縦に振ると清水も何かしら読み取ったようで、警戒を解いて納得したようだ。
理科『今後はとりあえず不自然にならない程度に連携しましょう』
清水『了解』
清水「私は教室に戻るわね。また放課後に会いましょう」
そう言って清水は理科を見ないでここから去ってしまった。理科も少しだけ情報を整理する。
清水が言っていることを全て信用するなら清水は前回のゲームを覚えている。そして他の10人は確定ではないが全員覚えていないようだ。
もしかしたら覚えているけど覚えていないふりをしている人もいるかもしれないが、今は全員覚えていないと考えることにする。
そして前回と同じ能力が13個。さっきの清水の話が合っているなら全員1つは過去の同じ能力の可能性が高い。もし全員が1つは過去と同じとするなら
朝倉理科=予感・色欲
伊藤ルキ=精神安定・?
柊椿=鍵開け・?
柊奈那子=追跡・?
柊楓=可視・?
清水社巫女=誘惑・声変わり
星名メア=沈黙・?
瀬奈来夏=?・?
明坂絵美=?・?
茅野亜李=?・?
緋色沙耶=?・?
宮永美玖=?・?
ということになる。理科が4人に襲われたときに〈鷲掴み〉を打たれたのは間違いないので、4人の誰かが〈鷲掴み〉を持っているのは確定しているが、誰が持っていて他の3人が何を持っているのかがさっぱり分からなった。
そして今回攻撃系・戦闘系な能力を上げるとするなら〈悪夢〉〈障壁〉〈停止〉〈鷲掴み〉〈氷結〉〈分身〉〈分解〉〈拘束〉あたりだろう…。24個中8個…悪くない確率だ。
もしこれらの半分があの4人が持っているとしたら…また死亡する可能性が高い。
そもそもどうしてあの4人は理科を殺そうとしてきたのか…。それが謎である。
様子がおかしくなったのはグループを組んで個人とグループの役目が公開された時からで、どこかおかしかった。グループの書き込みには反応しない…何か戸惑っていたようなところもあった。
あれがあの4人の意思がある状態でやったのか、意思がない状態…何者かに操られていたのか…。断定はできないが前者の場合は警戒しなくてはならない。
現状こんなところだろう。
スマホをポケットにしまい、保健室に戻ると既に星名が自習をしていた。
入ってきた存在に気が付いたのか、星名が入り口を見ると理科と目があった。
理科と分かった星名は気にせず自習を再開する。
理科も自分の席に座って自習を始めることにした。
今後もよろしくお願いします。




