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12人の少女 最終計画  作者: ヤマネコ
始まり(2)
67/164

2020 9/8(4)

よろしくお願いします。

理科


黙って手紙に書かれた能力を確認するとそこには〈予感〉と〈色欲〉だった。


理科(〈予感〉はありがたいけど…〈色欲〉って…この中の誰かを興奮させろってこと?)


1つは使い慣れた能力だったが、もう1つの能力はなんというか…前回の〈身代わり〉よりも使い勝手が良いのか悪いのか…コメントしづらいものだった。


全員が能力を確認し終わるとまた違う文章が浮かび上がる。


【皆様にはこれから同じ施設に住んでいただきます。日常生活を送るのに十分な物資を用意しております。もし必要なものがあるなら各自で買いに行ってください。料金は領収書を渡してもらえれば、後にその料金をお返しします。光熱費などの施設の維持費はこちらが全て負担をするのでお気になさらないでください。それではシナリオを楽しんでください】


それきり文章が消えていつの間にか入ってきた扉と同じ扉が出ていた。そこから出ろという意味だろう。何人かは直ぐに立ち上がって出て行くのかなと思っていたが、誰も立ち上がらずその場に座ったまま他の人の様子を見ている。


理科も立ち上がらないで他の人を見てくるが、4人程度が理科をジッと見ていた。見ていたのは清水・椿・茅野・瀬奈だ。清水以外は怪しむような目をしているが、清水は無機質に見ているだけだった。


4人の視線から逃げるように顔を下に向けると、誰かが話し始めた。


宮永「…これって何の集まりですか?」


伊藤「私は何も知らない」


緋色「同じく」


茅野「何も知らないです」


明坂「私も知らないわ」


清水「…私も知らない」


星名「知らない」


瀬奈「知るわけないでしょ」


奈那子「…もう帰ってもいいのかな」


楓「私も帰りたいです。こんな意味わからない出来事に付き合っていられません」


椿「私も降りるわ」


奈那子は席に座ったまま何かを考えているようだが、椿と楓が席から立ち上がり出口に向かって歩きこの部屋から出て行ってしまった。


2人が出て行ったのにつれて他の人もボチボチと部屋から出て行ってしまう。


理科「あの…」


特に話しかける内容は思い浮かばなかったが、何でもいいから話したいと思い残っていた4人に話しかける。残っていたのは清水・星名・緋色・奈那子で他の者は既に退出していた。


奈那子「何か?」


理科「えっと…その…」


4人の視線が理科に集まる。何を話そうか…とりあえず前回のことで何か話そうとした瞬間、心臓を強い力で握りしめられる感覚に襲われる。


理科「っぅ!」


強烈な痛みに膝をつき荒く呼吸をする。理科の様子がおかしいことに気付いた4人は理科に近寄らず距離を取った。


激痛に耐えていると次第に心臓を握りしめられる力が弱まり少しだけ楽になる。4人は変わらず理科の様子を見ていた。


奈那子「なに?」


理科「その…」


昨日のことについてと言おうとしたら再び心臓が強い力で握りしめられる。急に苦しんでいる理科を見ていた4人だったが、


清水「…じゃあね」


星名「…」


奈那子「気味悪い」


緋色「変な奴」


全員この部屋から退出してしまった。


時間にして5分程度、ようやく締め付けが緩くなり荒く呼吸をする。部屋には理科しかいなかった。24個の能力の内、星名が以前使っていた〈透明〉がないことからこの中には理科しかいないと分かるのだが…思いつきもしない方法で見られている可能性があったので、体調が落ち着いてから部屋を出るとそこは屋上に入る前の入り口付近だった。


もう1度屋上の扉を開けようとするが、鍵がかかっていて中に入ることが出来ない。


理科(〈鍵開け〉があればな…)


〈鍵開け〉を使えばおそらく中に入ることが出来るが…入っても何もなさそうな感じがした。階段を降りて教師に見つからないようにそそくさと保健室に向かう。教師に見つかったらグチグチと説教されて、最悪生徒指導部に連行されてしまうからだ。


3年生の廊下から階段を降りて2年生の廊下に着きそのまま保健室に向かうと、保健室の前に誰かが廊下の壁に寄りかかっていて、誰かを待っているように見えた。


誰だろうと思いながら近づいて見てみると壁に寄りかかっていたのは、清水社巫女だった。理科の視線に気付いた彼女は壁に寄りかかるのをやめて理科と正面に向かい合う。


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