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12人の少女 最終計画  作者: ヤマネコ
始まり(2)
64/164

2020 9/8(1)

今後ともよろしくお願いいたします。

理科「…」


目を覚ますといつもの自分の部屋だった。何も起きていないかと自分の手や部屋を見るが昨日の寝る前と変わっていなかった。人安心してほっと息をつく。パジャマを脱いで制服に着替えて下に降りると既に母が朝食を用意していて


母「早く食べなさい」


理科「うん」


椅子を引いて用意されていた朝食を食べる。



朝食を摂り終えて歯磨きをして身だしなみを整えて学校に向かう。




理科「…」


久しぶりの時間を守っての登校だ。昨日まではホテルでの生活でなかなか学校に行けていなかったので朝早く来られたのはとても久しぶりに思えた。キョロキョロと辺りを見渡していると周りの生徒が不審者をみるような目つきで理科を見ている。


理科「…」


周囲の視線から逃れるように足早に校舎に入って事務室からスリッパを借りる。革靴をビニール袋に入れて鞄の中に閉まって保健室に向かう。保健室には先生しかおらず、他の生徒は誰一人としていない。


保健室の先生「あら、朝倉さん。おはよう」


理科「おはよう…ございます」


保健室の先生「ああそうだ…。これを渡されるように頼まれていたんだった」


保健室の先生はニコニコ顔で理科に長方形の四角い紙を渡してきた。それは今の理科には見たくもないものだった。


理科「…」


保健室の先生「朝倉さん?」


なぜ受け取らないのか疑問そうな顔をしている。それを受け取ればまた同じことが起きる…なぜか分からないがその確証があった。


理科は無言で受け取らないで自習スペースに行こうとすると腕をガシッと強い力で掴まれ先生の方に振り向かされてしまう。先生の顔を見るとさっきまでのニコニコ顔が無くなり目は死んだ魚のように瞳が淀んでいた。


保健室の先生「ウケトレ」


理科「っ!」


明らかに様子がおかしい。ビックリして保健室の先生を見ると何か呪詛でも唱えるように


保健室の先生「ウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレ」


壊れたロボットのように、無機質に、それしか言えないように仕込まれたかのように。


理科が力づくで掴んできた腕を振り払おうとすると、先生が理科を壁際までとても強い力で吹き飛ばした後に、理科の首を手で絞めてきて


保健室の先生「ウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレウケトレ」


無理やり淀んだ瞳に目を合わせられる。このままこの言葉を聞かされると精神が狂ってしまうと思い、手紙を受け取る。


手紙を受け取った瞬間、保健室の先生の瞳はさっきまでと違い


保健室の先生「あら…私は一体…」


理科の首から手を離して自分がなぜ壁際にいるのかと呟いていた。


理科はさっきまでの豹変に恐怖を覚えて振るえながら手紙を開封すると、初めて見たときとそこまで変わらない内容だった。


【今すぐに屋上に来い】


理科「…行きたくないな…」


そうぼそりと呟くと横から強い衝撃が伝わる。なんだと思って振り向くと、さっきと同じように保健室の先生が


保健室の先生「イケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケ」


理科「はい! 行きますから!」


怖さのあまり即答すると、先生はまた不思議そうに首を傾げている。


保健室の先生「どうしたのかしら…昨日お酒飲みすぎたかしら…」


1人でボソッと言いながら仕事に戻っていった。見た感じあの時の先生は自覚がないのか…操られているのか…。


どうやら理科に拒否権は無いようだ。先生が離れたところで保健室から逃げようとしたが、逃げようと思った瞬間にまた拘束され呪詛を唱えられるように行けと強要してくる。


震えながらカバンを肩にかけて保健室を出て屋上に向かう。屋上は基本的に立ち入り禁止になっているがこの手紙と保健室の先生の反応を見るに…どうせ開いているのだろう。



階段を上り終え、あとは扉を開けるだけだ。この先にある光景になんとなく想像がついてしまう。開けたくないが…開けざるを得ないだろう。


扉に手をかけて深呼吸をする。大丈夫、もしかしたらシナリオ終了の知らせかもしれない。何かイベントが起きていてすぐに解放される。


そんな薄い希望があると自分に言い聞かせて扉を開けるとそこは円形の白い部屋になっていた。


一番見たくもないものを目の当たりにして帰ろうと踵を変えようとしたら、見えない誰かに背中を押されているような感覚がある。なんとか力づくで入れられないように抵抗するが、その抵抗もむなしく部屋の中に入ってしまった。理科が部屋に入った瞬間に扉が消える。



中には自分以外に11人いて、それぞれが暇そうに何かをしている。そしてその11人には見覚えがあった。




チュッパチャプスを銜えている少女が1名。


何か本や雑誌を読んでいる少女が4名。


ギターを持ってピックを持って軽く弾いている少女が1名。


胸にぬいぐるみを抱いている少女が1名。


何もせず、ただボーっとしている少女が4名。


全員バラバラの位置で座っているか立っていて、一人でいた。


理科が11人それぞれを見ていると全員の視線が理科に向けられた。


間違いなくあれだろう…。また巻き込まれたと思いながら11人の視線をそれぞれ受け止めた。


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