2020 9/6(5)
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奈那子と探索を始めて1時間が経過したが、特にこれと言って何も見つけることが出来なかった。
奈那子「見つからないわね」
理科「そうですね」
公園の半分を探索しても結果なし。これは全部を調べても期待が薄いように思えるが
奈那子「あと半分よ。頑張ろう」
手を握っている力が少し弱められ、奈那子も疲れているように見える。
理科「そうですね…」
奈那子「それにしても、もしかして朝倉だけに見えるおばあちゃんとかじゃないわよね?」
理科「…流石にそれは…」
ない、と言い切ることが出来なかった。
理科(あの時は瀬奈さんも見えていたように思えるし…まさか人によって見える姿が違うとは言わないよね…? もしそうなら探すのは困難になる)
奈那子「…ここまで調べてなんだけどどうする? おばあちゃんを守ると言っても…肝心のおばあちゃんを見つけないと…」
理科「〈追跡〉を持っていれば…」
奈那子「朝倉は〈追跡〉を持っている?」
理科「持っていないです。とりあえず全て調べましょう」
中途半端に調べて帰って、あとに残っていた場所に何か重要な手掛かりがあったら嫌なので探索を開始する。
2人で地面を注意して見て、スマホのカメラ機能を通して公園にあるすべてを調べたが、何もわからなかった。奈那子は理科の手をほどいてため息をつく。
奈那子「はずれかしら…まぁ、一番大きな公園を調べて何もなかったと分かっただけでも収穫かしら。あとはここと比べても小さいし…」
近くの水道に歩き、蛇口を開くと水が出てくる。奈那子はその水を口に含み、うがいをしたあと吐き出す。その後もう1度水を口の中に入れて飲み込む。
奈那子「…っぱぁ」
口元についた水を袖で拭って
奈那子「朝倉も飲めば?」
理科も飲むことにした。
奈那子「今は午後3時か…これからどこ調べる?」
理科「そうですね…あれ?あそこにあんなのありましたか?」
奈那子「どれ?」
理科がさっきまで何もなかったところに、扉があった。壁についているわけでもなく、ただ扉が浮かんでいるように見える。奈那子もそれに気付いたようで
奈那子「…誘っているのかしら」
理科「どうします?」
奈那子「明らかに罠だけど…朝倉〈発見〉使った?」
理科「違います」
奈那子「…それが本当なら隠されていたわけではないから…入れってこと?」
理科「多分…そうかと」
試しに理科が扉に近づくと、奈那子が理科の肩に手を置いて、グイッと引っ張る。
奈那子「ちょっとまって。あそこに入ったら無事でいられる保証はないのよ。もしかしたら〈収納〉を使っている奴がいるのかも…」
理科「〈収納〉ってあんな扉が…出てくるんですか?」
奈那子「私は見たことない。朝倉は誰かが〈収納〉を使っているところを見たことある?」
理科「ないです…」
奈那子「もし〈収納〉なら…誰かが私達2人を見ているのかしら」
奈那子が辺りをキョロキョロと見渡す。理科もキョロキョロと見渡すが、あの10人の姿は見つからない。
理科「…」
奈那子「ちょっと待っていて」
奈那子が理科から数十歩歩いて距離を取り、背中を理科に見せた状態でスマホを取り出して何か操作し始めた。もしかしてグループの方に何か書き込んだのかと思って理科もスマホを取り出してチャットアプリを開くが、個人にもグループにも何も書き込みが無かった。
時間にして5分程度。奈那子は用事が終えたようで、理科の元に戻ってきた。扉は依然として存在している。
奈那子「10人は無関係みたい」
理科「どうやって分かったんですか?」
奈那子「…秘密。とりあえず怪しいから入るのは止めておきましょう」
奈那子は理科の手を握り扉から離れるように歩き始め、公園から出た。次にどこに行くのかと話し合っていたら、奈那子と理科の前にある2人が姿を現した。
理科「…なんでここに…」
楓「…」
緋色「よぉ」
奈那子「あら偶然ね楓ちゃん。こんなところで何をしているの?」
楓「緋色さんと遊んでいました」
緋色「そうそう、普段同学年の奴と交流する機会が無かったから一緒に遊ぶことになったのさ…フフ」
緋色が理科を見てニヤニヤとしている。とても気味が悪い。
理科「そうなんだ…確かに…1年生は2人だけだもんね」
思い返してみれば、2人組になっていたのは同学年の組み合わせだった。しかしそれはこれに関係があるのか…。
楓「奈那子ちゃん。一緒に遊びに行きませんか?」
緋色「朝倉~。私と遊ぼうぜ~?」
楓は奈那子に詰め寄り、緋色は朝倉に詰め寄る。
理科「え、いや、あの…?」
奈那子を見てみるが、彼女もとても困惑しているように見える。さきほど連絡をしていたのかと思ったが、あの困り様は…、演技だろうか?
〈予感〉は発動していないので、一緒にいること自体は問題なさそうだが…一緒にいることで何かが起きるのかもしれないと考えると一緒にいたくないと思ってい舞う。
奈那子「どうする朝倉?」
理科「…わかりました。4人で行動しましょう」
4人というと、楓と緋色が少し驚いたような顔をしたが、すぐに表情を戻して
楓「分かりました」
緋色「それでいいぜ~」
理科「じゃあ…どこいきます?」
奈那子「そうね…とりあえず適当に歩きましょう。2人ともそれで文句ないわよね?」
楓「ないです」
緋色「いいよ」
横一列になって、左から奈那子・理科・緋色・楓となって歩き始める。理科が中央に寄ったのは、〈予感〉を信じて奈那子を守るために自信が囮になったからだ。
こうして4人で目的地もなく適当に歩き始めた。
今後もよろしくお願いします。




