2020 9/6(4)
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奈那子「朝倉が行った公園に行くわよ。朝倉が先に歩いて」
理科「…はい」
昨日瀬奈と焼肉に行くときに行った道で公園に向かって歩き始める。奈那子は理科の横に付かないで、理科の斜め後ろにつく。距離は5歩先といった程度だろうか…。少し警戒しているようにも見える。
理科「…」
奈那子「…」
会話は無いが、奈那子が理科を見ている。何か話しかけたいことがあるのかと思い、奈那子の方を見ると、奈那子も理科と目を合わせないように逸らした。
理科「あの…」
奈那子「ん~?」
1度立ち止まり、奈那子と向き合う。目的地である公園までは後数分で着くが、モヤモヤとした気持ちをなくすため話しかけることにした。
理科「さっきの…あれ?」
奈那子「待って」
奈那子がスマホを取り出して、両親指を高速に動かしていると、理科のスマホに通知が来た。
ポケットから取り出してチャットアプリを開くと奈那子から個人チャットが来ていた。
奈那子『これから書き込むことは遠回しに言うから察して』
そのまま画面を見続けていると
奈那子『多分同じことが起きている』
同じこと…2人組になっていることだろうか…。2人組になること自体はそこまでおかしくないが…問題なのはこのタイミングだ。朝にあったことを考えると、とても無関係だとは思えない。
理科『何が起きるんですかね?』
奈那子『さぁ? とりあえずさっさと向かうわよ』
奈那子はスマホをしまって辺りを見渡すと、何かに気付いたようで理科の手を取って走り始める。とても焦っているように見えた。
奈那子「走って!」
理科「え?」
奈那子「いいから!」
かなり強い力で握られ、全速力で走り出した。理科もつられて走り出すと後ろからドタバタと走ってくる音が聞こえた。足音は2つ。振り向こうとしたが、理科の頭の中にある光景が浮かぶ。
「振り向いたら殺される」
振り返りそうになる首をなんとか前に戻して、奈那子と並走するように走る。どこに向かっているわけでもなく、とにかく全速力で走り抜ける。
奈那子「はぁ…。はぁ…」
理科「はぁー」
かなりの距離を走った。ホテルから学校の近くにある駅付近まで来ている。今は午後0時30分で、普通なら全く人がいないということはないはずだが…。
理科「誰もいない…」
ガランと空いている駅を見て呟く。人が誰一人としていない。試しに改札口に近づくと駅員すらいない状況だ。
奈那子「…なにこれ」
理科「…」
奈那子「とりあえず、近くにある地図を見るよ。朝倉の知っている公園以外にもどこにあるか確認しておきたい」
理科「そうですね…」
2人で駅の近くに表示されている地図に近づく。理科は学校まで徒歩通学なので駅を使う機会は滅多にないので、それほど強い違和感は覚えなかったが
奈那子「この地図変」
理科「…? どこがですか?」
奈那子「前見たときは、こんな地図じゃなかった。全然違う地図になっている」
理科「…?どこらへんが…変わっていますか?」
奈那子「学校のある場所と、私達が今いるホテル以外の…ほとんどかな…私の覚えている限りだけど…。もしかしたら私が覚えている違う地図と混ざって覚えてしまっているところもあるかもだけど…」
理科「とりあえず、写真を…撮って…グループにあげます?」
奈那子「撮るのは止めて。頭の中でここが変だなと思うところだけ目に焼き付けて。何がきっかけで違反になるか分からないから」
理科「…でも…」
奈那子「やめろ」
理科「…はい」
奈那子「朝倉から見て、この地図に何か変わったところはある?」
理科「わたしは…わかりません」
奈那子「んー。とりあえずこの公園に行ってみようか」
奈那子が地図のあるところに指を指す。そこには確かに公園があると表示されていたが、公園の大きさ的にかなり広い公園に見える。理科が見た公園はこの地図に描かれているほど大きいようには見えなかったが、比較的にここから近いところにあるので調べるには丁度いいのかもしれない。
理科「そうですね…」
奈那子「じゃあ行きましょう」
奈那子が先に歩き出して、理科は奈那子の後をついていく。
さっきの走って逃げたことを考える。頭の中にある光景が浮かんだことから〈予感〉が発動したのはわかるのだが…何者に殺されるのかが分からなかった。人のように見えたが、黒いモヤが全身にかかっていて誰か判別できなかった。体格も何か違和感があって、無理やり身長を大きく小さくしているように感じた。
理科(状況的に…多分他の10人のうち2人が…少なくても私を危険な目に合わせようとした…ということだよね)
実行したのは2人で、教唆・幇助した存在がいるとしたら、もしかしたら他の10人全員が結束して理科達に何かをしようと企んでいる…と考えることも出来る。
理科(でも…。なんで私が…? 24個の能力の中では身を守る類としては最上位に入るから、先に潰しておきたかった? でも私が〈予感〉を持っていると知っているのは星名さんだけ。星名さんが私を売った? それはないと思いたいけど…でもここ最近の星名さんの動きを見ていると…私を売っていないと断言はできない。それとも私と奈那子さんの使命と同じで、どこかの組みは殺害すること自体が使命? もしそうなら…どうすれば…。あとは、学校・研究施設に出てきた未知の生物に関わりがある存在…初めて干渉してきた存在…。ダメだ! 候補が多すぎて何をどうすればいいのか分からない…)
奈那子「朝倉」
必死に回転させていた頭を止めて、奈那子の方を見ると少し焦っているようにも見えた。
奈那子「さっき追いかけてきたやつらを見た?」
理科「いえ、見ていないです」
奈那子「…そっか。朝倉って戦闘できる? 私は全く出来ないから戦闘は任せたいのだけど?」
理科「え? むりです」
両手を前に出して左右に振る。日本人がよくやるジェスチャーの1つだ。
奈那子「戦闘出来ない人?」
理科「戦闘出来ない人です」
奈那子「そっか。もし何者かに攻撃されたらどうしようか。散って逃げるか、一緒に逃げるか…」
理科「…?散った方が良いのでは?」
奈那子「普通そうするけど…今回は散った方が危ない気がする」
理科「…根拠は?」
奈那子「今までになかったことが起きているから。これまでも大概だけど、団体行動は強制してこなかったし、チュートリアルクリアというのも気になる。チュートリアルが終わったと考えるなら、何か本格的なことが起きていると思った方がいい。2人組にされたこと…そしてこの人通りが全くないことからして、単独行動はとても怖いから」
理科「…確かに散って逃げたとしても、何がきっかけで心中することになるか…」
奈那子「心中がなければ単独も出来たけど…今回単独は止めるべきだ。…そろそろ着くわね」
何者がこれに関わっているかを考えて、奈那子の根拠もそうだなと納得して自分なりに考えていると、目的地の公園に着いた。
公園はとても広く、サッカーフィールド位だ。地面は芝生にレジャーシートでも引いて横になれば気持ちよい日向ぼっこが出来そうに思える。人は誰もいない。
奈那子「とりあえず、調べるわよ。…そうだ。朝倉、一応手を繋いでおきましょう」
理科「え? どうして?」
奈那子「どこかに吸い込まれるとか、何かされたときにすぐに対応できるから」
理科「さすがに…そんなこと」
奈那子「今日の朝のことを思い出してそれを言うなら無理強いはしないけど」
理科「…」
確かに白い部屋に通じる扉に近づいたら、吸い込まれたことを考えると、急に何かに吸い込まれることも全く否定できないわけで…。
理科「分かりました」
奈那子の手を握る。奈那子はとても嫌そうな顔をしていたが、状況が状況なので理科の手を強く握り返す。
奈那子「もし…朝倉の手に付けられないほど何かが私に起こったら…私を見捨てなさい」
理科「…」
奈那子「逆に私の手に負えないことが朝倉に起きたら…最悪見捨てるわ。恨まないでね。お互い様だから。お互い戦闘出来ないし、朝倉多分攻撃系の能力を持っていないでしょ?」
理科「…」
何も言わないでおくことにした。少し奈那子が胡散臭く見えてきたからだ。
理科「…わかりました。助けられそうなら…助ける。ダメなら…見捨てる。お互い恨みっこなしですよ?」
奈那子「それでいいわ。守れそうなら守るけど、無理ならごめんね。朝倉も私を見捨てる時は、躊躇しちゃだめよ。いい?」
理科は黙って首を縦にふる。
奈那子「じゃあ探索を始めましょう。今は午後1時…。この広さをしっかり調べるとなると…午後3時くらいまではかかりそうね。根気強く行こう」
奈那子が前を歩いて、少し遅れて理科もついていって探索を始めた。
今後もよろしくお願いします。




