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12人の少女 最終計画  作者: ヤマネコ
共闘? 裏切り? 味方? 敵? 
47/164

2020 9/6(2)

ポイントが欲しいです…。今後もよろしくお願いします。

部屋に戻り、そのままエントランスに通じる扉に向かうと開いた。さっきまで開かなかったのが嘘のようにすんなり開いて困惑したが、トイレが近くてそれどころかではなかった。


少し廊下を走りお手洗いに着き、用を足す。



理科「…ふぅー」


漏れそうになったが、ギリギリセーフだった。手を水道で洗った後、洗面所に向かいそのまま顔を洗おうとしたら奈那子もいた。


奈那子「げ…」


嫌な顔をされた、理科の顔を見たくないという感じに顔を下に向けてスタスタと出て行ってしまった。


理科「…はぁ~」


これから協力して行く関係になるかもしれないのに、このままだと不安に思う。


連帯責任で死亡するということを言われた以上、奈那子が何かミスをしたら自分も道連れになる。かといって理科がミスをすれば奈那子も死んでしまう。一種の無理心中を強制されていると考えれば、どれだけ嫌な気持ちになるか分かるだろうか。


水道を出して、少し出してから水が冷たくなくなったところを見計らって、手でお椀を作り、水を溜めて顔にかける。


理科「…」


それに問題点がまだある。今仮に組んでいるグループの人と相方ではなく、組んでいない人と組むということだ。


組んでいる人と今回の出来事ならまだ気持ち的に楽になれたのかもしれないが、組んでいない人と組むというのは、なかなか気が重い。


理科「…グループを作れよってこと?」


昨日の朝の集まりで言われたグループを組めることが出来たことに何か関係があるのだろうか。


確かグループを組む恩恵は…能力を使う時の負担を軽減することが可能・グループを組んだ人の考えが言語・表情・身振りなどによらずに、理解することが可能(ただし自動では出来ない。お互いが任意に認めた時のみ可能。負担も大きく、個人にかかる)だったはず。


この状況でこうなるということは、間接的に作らないと殺すぞと言っているのかもしれない…。ゆっくりと時間をかけて顔を洗う。


濡れた顔をタオルでトントンと優しく叩くように拭いた後、化粧水をつけて鏡を見る。まだ疲れは取れていない感じだが、ここ最近ではマシな方だと思った。洗面所を出て食堂の方に行くと、奈那子が既に朝食を摂っていた。奈那子と理科以外には誰もいない。


理科「…」


今まで能力のことを気にしている方だと思っていたが、日常生活でも疑うようになってきた。


きっかけは昨日の星名だ。伊藤と部屋で誰の能力を知っているか言おうとしたときに、伊藤が話すのをやめるように口を塞いできて、しばらくすると〈透明〉になっていた星名が姿を現したことだ。


伊藤は星名が〈透明〉持ちだと分かったようだが、あの様子だと〈沈黙〉を持っているのかはわかっていなさそうな感じがあった。


てっきり4日の時のように事件が起きたときにみんな使うのかなと思っていたが、星名のことを考えると、他の人も日常生活でバリバリ使っているのかもしれない。「12」の席に向かうと、食卓にはオムレツとパン、ソーセージ、コーンスープが置かれている。まるで理科がすぐに食堂に着くと分かっていたような感じだ。普段の理科はもっと遅く来るのだが…。


奈那子「朝倉、朝倉の分もついでに作ったから」


理科「ありがとう…ございます」


違った。どうやら奈那子がついでに作ってくれたようだ。


理科「いただきます」


奈那子「ん」


理科はスマホを取り出して、能力一覧を見て日常生活でも使う回数が多そうなのを考える。


1 精神安定 (不安、恐怖、孤独感、焦り、恥、怒り、絶望、罪といった負の感情を薄れさせることが出来る。自身にも使用可能)


2 誘惑 (知っていることを全て話させる、自分に対して愛情・憧憬・共感・忠誠・狂信・不信・怒り・妬み・侮蔑・劣等感・殺意の感情を任意の数持たせることが出来る)


3 予感 (自身が危険な状況に置かれそうになることを察知できる。危険な状況にならないようにするにはどうすれば良いか具体的に思い浮かぶ)


4 可視 (どのような存在も肉眼で捉えることが出来るようになる。使用者が1度見ると、指定した他の人にも見えるようになるが、その場合使用者視点で見ることになり自身視点で見ることは出来ない)


5 追跡 (追跡したい対象の姿を1度自分で直接見れば、どのような方法で隠れたとしても対象がどこにいるか分かるが、対象は常に1人しか選べず複数の対象を同時に追跡することは出来ない)


6 沈黙 (あらゆる能力の干渉を防ぐことが出来て、対象の能力を発動させないように可能。対象に単数でも複数でも問題なく、制限はない。足音や物音と言ったあらゆる音を一切立てないことも出来る)


7 記憶消去 (対象の記憶を消すことが出来る)


8 鍵開け (あらゆる空間に侵入することが出来る。閉じられた空間から脱出することが出来る)


9 障壁 (あらゆる攻撃を無効化出来る)


10 鷲掴み (対象を上から押しつぶす形で押さえることが出来る)


11 発見 (あらゆる方法で隠された・隠されている事象・存在を見つけることが出来る)


12 分解 (対象を分解することが出来る)


13 飢餓 (対象を飢餓状態にする)


14 色欲 (対象の性欲を強くすることが出来て、性的快感を得やすくすることが出来る)


15 秘密 (あらゆる事象・存在を隠すことが出来る)


16 変装 (対象の姿になることが出来る)


17 入れ替わり (対象を1つ選び、身体を交換することが出来るが自分たちの意思で元に戻ることが出来ない。対象が本人ではないと第三者に発覚することで入れ替わりが解除される。)


18 透明 (あらゆるものを透明にすることが出来る)


19 身代わり (対象を1人選び、対象に干渉した効果を自分が引き受ける)


20 道連れ (対象を1つ選び、干渉されたことが対象にも起こすことが出来る)


21 催眠 (対象を選択して眠らせることが出来る)


22 回復 (あらゆる怪我を治すことが出来る)


23 解読 (あらゆる言語を翻訳することが出来る)


24 収納 (どんなものでも収納することが出来る。収納スペースは無限)




理科(…あれ? 思いのほか結構使えそうなものが沢山ある? 〈精神安定〉〈誘惑〉〈追跡〉〈変装〉〈透明〉〈催眠〉〈回復〉〈解読〉〈収納〉…。ここらへんは日常生活でも申し分なく使える…。〈解読〉とか言語系のテスト満点取れる!? 専門用語も読み取れるってこと? もしそうなら…無敵! 〈収納〉も荷物を全てそこにいれて、手ぶらで行動できるとしたら…駐輪場とかいらないから定期代も浮く…魅力的では? それに沢山買い物をしても手ぶらで動ける…。部屋の物を置くスペースがなくても収納してしまえば、掃除をする時も楽!)


なんだか考えがおかしな方向に行っているように見えるが、1度熟考した方向に考え出すと、止まらないわけで、なんども能力一覧が書かれているページを指で上下に動かして確認をしているとチャットが来た。


奈那子『おい』


そういえば奈那子さんがいたなと横を見ると、とても不機嫌な顔をしていた奈那子が理科を睨んでいた。


奈那子「さっきから呼びかけていたのに…。わざと無視したの?」


理科「す、すいません」


能力を考察していることに夢中で、奈那子のことをすっかり忘れていた。


理科「すいません…なんですか?」


奈那子からチャットが飛んできた。個人の方に。


奈那子『今回のこれどう思う?』


理科『奈那子さんと組むことになったことですか?』


奈那子『そう。私的には昨日のグループを作れることになったと書かれたことが関係していると思うのだけど、どう?』


理科『同じ考えです。組めることが出来たじゃなくて、組めと言っているように思えます』


奈那子『やっぱり?なんで私と朝倉なのかしら?』


理科『私が知るわけないないですか』


奈那子は理科の方を注意深く見る。反応を見ているのだろうか…。


奈那子『そう。これ食べて少し休んだらさっそく朝倉が知っている公園に向かうわよ』


理科『早くないですか?』


奈那子『張り込みよ。朝倉の知っているおばあちゃんと一緒か私には判別が出来ないし、朝倉の知っている公園とは少し違ったところがあったんでしょ? もしかしたら朝倉の思っている場所と違う可能性もあるし。それに私は早くこのコンビを解消したい。それは朝倉も同じと思うけど?』


理科『…そうですね。食べたらエントランス入り口に集合しましょう』


奈那子は先に食器をキッチンの方に持っていき、皿を洗った後乾燥機に置いて食堂から出て行ってしまった。



理科も食べ終わり、食器を洗って乾燥機に干す。歯を磨いて、部屋に戻り外出用の服に着替えてエントランスに向かうと既に奈那子がいたが…遠くから見ても分かるくらいにイラついていた。


理科「あの…?」


話しかけてみると髪を毟っている奈那子がこちらに向いて


奈那子「外に出られなくなっているわ」


理科「え?」


試しに出口を通ろうとしたが、見えない壁にぶつかったように通れない。


理科「…なんですかこれ?」


奈那子「ん」


床の方に指を指す。そこにはこう書かれていた。



【正午まで外に出ることは出来ない】


理科「…は?」


評価・ブクマよろしくお願いします。

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