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12人の少女 最終計画  作者: ヤマネコ
共闘? 裏切り? 味方? 敵? 
37/164

2020 9/5(1)

今後もよろしくお願いします。

理科は目を覚ます。目覚まし時計を見ると10時50分になっていた。目覚まし時計は10時にセットしておいたが…また寝ている間に止めてしまったのだろうか…。


しかも身体が思うように全く動かすことが出来ない。重りを全身につけて水の中に沈められているような感覚だ。声を出そうにも、起きたときの喉の渇きが邪魔をして気持ち悪くなる。


腕だけを動かしてスマホを置いた場所に手探りで探すと、何か固いものが指に当たったのを頼りに指と指で挟んで自分の方に引き寄せる。


チャットアプリを開くと、個人とグループの方に書き込みがあった。まずはグループの方から目を通していく。



明坂『もうすぐ11時になるわよ。朝倉・伊藤・清水・星名・椿・楓の6人は早く来なさい』


茅野『寝坊は勘弁してください』


緋色『おきろ~』


楓『すいません、身体が全く動かなくて…。そちらに行くのが難しいです』


奈那子『椿ちゃんと楓は私が連れていきます』


宮永『他の人は?』


伊藤『身体が思うように動かない』


星名『同じく』


清水『私も』


明坂『これもしかして昨日の6人全員動けないの?』


宮永『それは困りましたね。自力で歩けそうにないのですか?』


伊藤『むり』


星名『むり』


清水『むり』


緋色『仕方ない。それぞれ連れてくるしかないか。朝倉は私が担当する。亜李は伊藤を、絵美は星名を、宮永は清水を連れてくる。良い?』


明坂『はい』


茅野『うん』


宮永『わかった』


奈那子『すいません瀬奈さん、楓を連れてくるのに協力してくれませんか?』


瀬奈『わかった』



ここでグループの方に書き込みは無かった。どうやら理科を含め、伊藤・星名・清水・椿・楓が動けなくなっているようだ。なぜこの6人が動けないのか…。


次に個人チャットを見てみると緋色から沢山のチャットが来ていた。


緋色『部屋開けて』


緋色『おきろ』


緋色『開けて』


緋色『あけろ』


開けろと催促するチャットが10件以上来ていた。


理科『今部屋の前にいますか』


緋色『いる。開けて』


部屋を開けてあげる。緋色は扉にドアストッパーを入れて、扉が勝手に閉じないように細工をした後、ずかずかと部屋の中に入ってきて、理科に近づく。


緋色「よー朝倉。身体の方はどうだ」


理科「…だるす…ぎて…動かすのも…きつい」


緋色「私達以外全員あの部屋に集まっているから急ぐよ。服はそのままでいいから。身体起こせる?」


身体を起こそうとするが、すぐにベッドに倒れてしまう。背中とベッドに超強力な粘着テープを付けられているような感じで、引き戻されてしまう。


緋色は理科の背中と肩に手をあてて起こそうとするが、なかなか身体が起き上がらない。緋色も力を入れているようだが、身体の大きい理科を引っ張れるのは少し無理がありそうだ。


緋色「っち、ちょっと待って」


緋色がスマホを弄って直ぐに茅野がやってきた。扉は緋色がストッパーをつけていたので茅野はすんなり入ることが出来た。


茅野「来ましたよ」


緋色「おー亜李、せーので頼む」


茅野「わかりました」


緋色・茅野「せーのっ!」


2人で理科の身体を起こすと背中に緋色が来て、後ろから支えられる。茅野は理科の両腕を掴んで、白い部屋に通じる扉まで誘導して、理科の手をドアノブに触れさせると


緋色・茅野「せーのっ!」


茅野が理科の手を上から掴んでドアノブを捻らせて押すと、扉が開く。その直後、背中にいた緋色が体当たりをするように身をぶつけてきた。その衝撃で身体は前に倒れ理科は白い部屋の方に入ることだ出来た。


理科「いたい」


全く受け身を取ることが出来ず、鼻が床に強く当たってしまう。身体を起こそうにも、全くいう事が聞かないようで、そのまま倒れたままになっている時に誰かが近寄ってきた。


明坂「あんな突き飛ばし方をしたら鼻折れるでしょ。朝倉さん大丈夫?」


宮永「緋色は乱暴ですね。大丈夫ですか朝倉さん。肩貸しますね」


明坂と宮永が理科の両腕を肩に乗せて、中央にある椅子に向かってゆっくりと歩き出す。理科は顔を下に向けて、2人の動きに合わせて震える足を動かす。


明坂「…っ。予想はしていたけど、朝倉がとても重いわね」


宮永「他の人たちは小柄だからまだ楽でしたけど…これはキツイ」


理科「…すい…ま…せ…ん」


明坂「勘違いしないでほしいのだけど、他の人を運ぶときも重かったから。朝倉さんの体重が大きいとかそういうことを言っているわけではないから」


宮永「…ほらもう少しですよ」


理科は2人の助力をしてもらい、「12」の椅子に座る。身体が机の方に倒れそうになりそうになったが、明坂・宮永が肩を後ろに引いて背もたれに寄りかかるようにさせられる。


理科「ぅう…」


宮永「すいません、どうにか耐えてください」


明坂「話がそこまで長くなければいいけど…」


2人は理科の元から離れる。背もたれに寄りかかることで、他の人の姿が視界に入った。「12」に座っている理科の対面にいる瀬奈は腕を机につけて頬杖をしながらスマホを弄っているが、伊藤・星名・清水・椿・奈那子・楓は机に突っ伏している。個人差はあるようだが、全員疲れているような感じが見受けられた。


???「はぁー疲れた」


誰かの声が聞こえたと思い振り向こうとしたが、首を動かすのもつらい。残りの空いている席を見ると、緋色と茅野がそれぞれの席に座って身体を伸ばしている。


全員が着席をしてから数分が経過すると、円形の机の中央にいつかの文字が浮かび上がってきた。


【クリア報酬を配る】



12人それぞれの手元にいつのまにかドリングが置かれていた。250ml程度の大きさで透明な容器の中に、無色の液体が入っていた。


瀬奈「これを飲むの?」


緋色「報酬って言っているからそういうことじゃないの」


茅野「なんでしょうねこれ」


明坂・茅野・緋色・宮永は躊躇せずドリンクを飲む。


明坂「味がしないわね」


宮永「水ですかね?」


緋色「水が報酬とか…、水が全くない地域・国とかならとてもうれしい報酬だろうけど、ここは水が不足しているとは思えないよ」


茅野「…あ、身体が楽になったような気がします」


緋色「え、そうなの?…あ、本当だ。なんか身体のだるさがマシになったような気がする」


宮永「皆さんも飲んでみてください、多分身体が重いと感じている人は飲んだ方がいいです」


瀬奈「え…、私は止めておく。何の液体か分からないし、もしかしたら違法な薬品とかの可能性も…」


緋色「怖いならやめておけばいいさ。それは個人で決めることだし。7人は飲んだ方が良いと思うけど」


理科はこの身体の不調を直せるならと思い、ゆっくりとドリンクに手を伸ばして掴む。それを口元に運び、少しずつ液体を口に含んでいく。


理科「…ん」


数分を要して全て飲み切ると、さきほどの身体の重さが随分とマシになった。まだ怠い感じは抜けないが、さきほどのように全く動けないということは無くなり、日常生活を送る分には問題ないくらいには動ける。


理科「伊藤・星名さん・社巫女さん。これ飲んだ方がいいですよ。身体の重さが幾らか減りました」


理科の言葉を聞いた3人は、今まで伏せていた顔を上げて震える腕でドリンクを掴みゆっくりと口に含み始める。


伊藤「…」


星名「…」


清水「…はぁ」


3人はさっきまでの伏せていた体勢から、それぞれ身体を伸ばしてバキバキと音を鳴らしている。短い時間とは言え、不自然な体勢をしていたからだろう。


伊藤「椿・奈那子・楓も飲みな。楽になるよ」


奈那子「そんな…やくぶつ……中毒みたいな…ことを」


奈那子は嫌がったが、椿と楓は理科と同じようにドリンクを口に含んで少し時間が経つと、伊藤達と同じように伏せていた体勢から起きた。


楓「奈那子ちゃん、これ飲んだ方がいいです。すごい楽になりますよ」


椿「奈那子、飲みなさい」


奈那子「……でも」


椿「のみな」


奈那子「…はい」


奈那子もドリンクを飲むと、さっきまで伏せていた体勢ではなくなった。


奈那子「…ほんとうだ。とても楽になった」


瀬奈「私は止めておくわ。これはいらない」


瀬奈がドリンクを飲まず、中央に押し戻す。


理科はさっき飲んだドリングの容器を見ようと思ったら、さっきまでそこにあった容器が無くなっていた。他の人も同じようで、容器が無くなっていることに驚いている。


緋色「それで、他には報酬はないのか」


緋色が文字盤に向かって話しかけると、違う文字が浮かび上がる。そこにはこう書かれていた。



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