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12人の少女 最終計画  作者: ヤマネコ
始まり
33/164

2020 9/4(6)

今後もよろしくお願いします。

星名と一緒にピザ屋に来た。店内に入り、店員に案内されるまま席に座る。


2人ともドリンクバーを注文して、メニューに書かれているピザとフライドポテト、チキンを注文した。先に星名がドリンクバーを注ぎに行くことになり、理科は席でスマホを取り出して何か書き込みが無いかを確認するが、特になかった。手持ち無沙汰だと思いながら、店内にある大きめのテレビに目を移す。どうやら最近の事件を取り上げているようだ。他に見る物もないし、とりあえず見てみるかと意識をそちらに向ける。


【ここ最近事件が多発しております。犯人は未だに見つかっておらず、捜査が難航しているようです。死体が発見された場所の地面が不自然に凹んでいる、死体が内側から爆発したように散っていたなどと報告がされています。他にも複数の変死体が発見されています。被害者は男性に多いとのことですが、詳しいことは調査中だそうです。次のニュースです。ある宝石店に商品として置かれていた宝石全てが無くなったことが判明しました。店内の監視カメラにも宝石を盗もうとしたものは誰一人確認されておらず、店員も全く気付かなかったとのことです。この事件も現在警察が調査を続けているようです】


理科「…」


星名「お待たせ」


コップにオレンジジュースを入れた星名が、席に座る。ジュースにストローをさして、チュウーと吸って飲み始める。その姿を見ていると不思議そうな顔をしていた。


星名「朝倉ドリング取ってきていいよ。私がここにいるから」


理科「うん」


さっきのニュースのことを考えながら、理科もオレンジジュースを入れて席に戻る。星名はスマホで何かしていた。


星名「伊藤と清水から返事が来たよ。2人とも保健室は開かれていて先生もいるってさ」


理科「本当?良かったー…」


星名「これで不安は消えた?」


理科「うん、ありがとう」


星名「…ふふ」


理科「…?」


星名「初めと比べて話せるようになったよ朝倉。それが少し面白くて」


理科「…そういえば…そうかも」


確かに、星名とは話しているうちに大分スラスラと話せるようになっていた。なんで話せるようになったのかを考えてみると、彼女はあまり自己主張をしてこないからじゃないかと思いついた。


伊藤も清水もどちらかというとあまり主張をしない方だった…ような気がする。特に伊藤と話すときは、家族と話すときと同等の感覚で話せている。清水も伊藤と家族ほどとは言えないが、理科の今までの話をしたことがある人の中でしっかり話せるトップ層の1人だ。


星名「さっきニュースがやっていたけど見た?」


星名が先程理科の見ていたテレビを指で指しながらストローを口に銜える。


理科「見た。あれって…」


星名「多分10人のうちの誰かじゃないかな…。どれも人間が現実的に出来る殺害方法ではないから。予想だけど〈鷲掴み〉〈分解〉〈収納〉じゃないかなって思っている」


理科「その3つは私も思った。ということはやはり10人の誰かなのかな…」


星名「もう1つこれかなと思っているものがある」


理科「あ、そうなの? それは何?」


星名が口を開こうとすると、店員がピザとフライドポテト・チキンと伝票を置いた。2人とも店員に会釈をした後、あまり感情を表に出さない星名が、とても嬉しそうにニコニコとフライドポテトを手に取り始める。理科はピザカッターを手に取り、置かれたピザ2枚を均等に分けていく。


星名「うまっ。おいしい」


機械関連以外で彼女がここまで嬉しそうにしているのは初めて見る。とても幸せそうだ。さっき何かを言おうとしていたがそれを促そうとは思えないくらいの上機嫌だったので、少しそっとすることにした。


星名「~~♪」


鼻歌まで歌い始めた。ここまで隙を見せている彼女も珍しい。1年前から保健室登校で知り合ったと言っても、そこまで仲の良い関係とは決して言えなかったので新鮮に感じる。暖かい眼で見ていると、いつのまにかフライドポテトを全て食べつくしていた。


理科「あれ、私の分…」


星名「追加で注文しよう」


ベルを鳴らして、さっきの店員がやってきた。


星名「フライドポテト一番大きいサイズを1つお願いします」


店員は少しびっくりしていたようだが、すぐに笑顔になり機会を操作して奥の方に行ってしまった。


理科「そんなにフライドポテトを食べたら…ピザとチキン食べきれないんじゃないの?」


星名「その時は朝倉お願い」


理科「流石に食べきれないよ」


星名「冗談、ちゃんとそっちも食べる。朝倉も遠慮せず食べな。お金はちゃんと払ってもらえるみたいだし」


オレンジジュースを飲みながら、今度はチキンを食べる星名。フライドポテトを食べるとき程ではないが、嬉しそうに食べているように見える。


理科(というか…一番大きいサイズのフライドポテトを1人で食べて、また注文するとか…どれだけ好きなんだろう…)


理科「それで…他の考えというのは?」


星名「あ?なにそれ…あぁ、さっきの話の続きか」


追加で注文をしたフライドポテトが届いて、口の中に吸い込むようにフライドポテトを放り投げる。まるで薬物依存症の人に見える。ある意味、星名にとっては薬物なのかもしれない。


星名「…朝倉はさ、〇×△ゲームと異能力鬼ごっこという言葉に聞き覚えはある?」


切り分けられたピザを口の中に入れて、チーズが伸びて唇にくっついたのをティッシュで拭いていると、聞きなれない言葉が聞こえた。


理科「〇×△ゲーム? 異能力鬼ごっこ? なにそれ?」


星名「私も噂でしか聞いたことないから詳しいことは知らない。この2つが、今の私たちの状況に関係しているかもしれないということ」


理科「具体的にお願い」


右手にピザ、左手にチキンを持って交互に食べながら聞く。


星名「さっきも言ったけど、私も噂で聞いただけだから…詳しいことは知らない。だから今から話す内容は本当かどうか分からない。いい?」


理科「へぇいよ~」


チキンを口に含みながら首を縦に振る。星名はそんな理科を見て少し顔が引きついていたが、自分もフライドポテトを食べている時も似たようなものかと思ったのか、すぐに表情を引き締め話し始める。


星名「〇×△ゲームと異能力鬼ごっこの2つに共通していることがあるみたい。その共通している内容が、ゲームで勝ったらなんでも願いが叶うと言われている。私達の今の状況も、ゲームで勝者になった人が願いを使ってこんなことにしたのかもしれないということ」


理科「…なにそれ。作り話をするにももう少しまともな話かと思った。仮にそんなゲームがあったとしても、なんで私達を選んだのかな」


星名「だから言った。噂だって。信憑性も薄いから参考話にもならない。朝倉はこの2つのゲームに聞き覚えは無いの?私は無いけど」


ピザとチキンを一気に食べすぎて、苦しくなったのをオレンジジュースで流し込む。


理科「初めて聞いた。仮にその2つがあればこの状況を打破できるかもしれないってこと?それなら10人にも聞いてみるというのは?」


星名「知っている人がいるかもしれないけど、さっき朝倉が言った通りまともな話じゃないから変に疑われるのはほぼ避けられないと思う。個人的にこれを10人に公開するのはためらう。話すとしても、この状況と2つに関連性がありそうだと判断できそうなことが分かったら切り出したい」


理科「…それもそうだね。いつからその噂があるの?」


星名「分からない、いつからあるのかな…。そもそも噂なんて、全く違う事実を面白くするために違う事実を複数混ぜてドロドロにしたものが多いから判断するのは難しい」


理科「…確かに。今の所その2つはノータッチで良いってこと?」


星名「一応知ってほしかったから。〈予感〉もどこまで適用が出来るのか分からないから。知らない人物・事象・建築物とかが自分を危険な状況にしてくる場合は発動しない…とかもあり得るかもだし」


理科「…あー、そういうこともありえるのか。分かった、ありがとう」


星名「うん、そろそろ会計しよう」


注文したものを全て食べきり、ほどほどに休んだあと会計をすることに。星名が会計をしてくれるので、先にお店を出るとスマホが震えた。誰かからチャットが来たようだ。チャットアプリを開いて誰が書き込みをしたのかと確認をすると個人の方に一件来ていた。


差出人は清水。


なんだろうと思って、画面に指を滑らせると書かれている一文に目を見開いた。
















清水『たすけて』


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