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12人の少女 最終計画  作者: ヤマネコ
始まり
23/164

2020 9/3(5)

今後もよろしくお願いします。

伊藤と一緒にショッピングモールにやってきた。時刻は既に正午を回っており、昼食を摂るためだからだろうか?人が沢山いる。1人で来ている人や、複数人で仲良く話しながら歩いているグループも多く見られる。


伊藤「見る前に何か食べるか」


伊藤は舐め切ったチュッパチャプスのプラスチック棒をゴミ箱に捨てて、店内にあるお店の一覧を見る。


ラーメン屋、そば屋、焼き肉屋、オムライス屋、パスタ屋、ピザ屋、カツ屋…などなど一通りはそろっている。これだけ種類がそろっているのがこの人の多さの要因なのだろう。特に焼き肉屋は高級店で、1日に12人で言ったお店と同じお店だった。


伊藤「何食べる?」


身長差は20㎝以上あるので横にいる理科を見上げる伊藤。見る人によっては姉妹…。いや親子にも見えなくはないだろう…。


理科「…んー」


対する理科は表示されているお店を見て悩んでいた。


理科(こういう時って、自分の食べたいものを選ぶべきか、相手の食べたいものを優先するか…。どっちにするべきだろう。誘ってくれたのは伊藤だから、伊藤の食べたい方を優先するべき…だよね?それに落ち込んでいる私を励ますつもりかどうかは分からないけど、気を使ってくれた感じはあったし…。ここは伊藤の食べたいものに合わせよう)


伊藤「朝倉~?おーい。朝倉~?寝ぼけているの?」


理科「寝ぼけてないよ。伊藤は何食べたいの?」


伊藤「私?…。カツ屋とかが良いかな。しっかり食べたい」


理科(カツか…。カツは嫌いじゃない。むしろ好きな方だ)


伊藤の発言次第ではどうやって返事をしようか悩んだが、自分の食べられる物を選んでくれたのですぐに決断できた。


理科「いいよ。このカツ屋さんに行こう」


伊藤「よし、じゃあ行くか」


人が多いので並んで歩くと通行人に気を使わなきゃいけない人数なので、伊藤が先導して歩き、理科は伊藤の後ろを歩くようについていく。


歩いている間に伊藤がトイレに行きたいと言ってきたので、お店に行く前にお手洗いに向かうことに。


理科「はー」


伊藤がお手洗いをしている間、近くの椅子に座って特に意味のないため息をつく。なんとなく溜まっている物を吐き出したかっただけだろう。伊藤が戻ってくる間にスマホを取り出す。


最近暇が合ったらスマホを取り出すようになっていた。普通ならスマホ依存症とか言われるかもしれないが、自分の命がかかっている以上そういっていられない。何かチャットが来ていないかを確認していると清水から1件のチャットが来ていた。


チャットを実家に向かう前に清水に送ったチャットの返事が来ていた。


清水『そうだよ。私と伊藤の2人で他の10人が落ち着くまで理科ちゃんを見張ることになったの。安心して。理科ちゃんのことはしっかり守るから』


その答えを聞くと伊藤や瀬奈に聞いた時と比にならないくらいの安心感があった。


理科(良かった…。社巫女さんがそういうならそうだよね)


さっきまでの両親についての悩みが少し薄れた。


清水にお礼の返事を書いてついでに瀬奈のことを尋ねる。


理科『瀬奈さんについて何かしりませんか?11人のうちに誰と仲良くなっているとか、何の能力を持っているとか』


すぐに返事は来ないと思っていたが即既読からの返信が来た。


清水『特に誰かと話しているところは私の知る限り見てないね。能力も何か分からない。もし理科ちゃんが他の10人のうち誰がどんな能力を持っていたか分かったら教えてね』


理科『はい、それは必ず』


清水『今ホテルにいるの?』


理科『伊藤とお昼を食べにショッピングモールに来ています』


既読は付いたが返信が来なかった。画面を見て返信を待っていると、自分の前に複数人の気配があった。画面から上に視線を上げると、ニヤニヤとした顔をしている男3人がいた。平日に私服でお昼ごろにいるところから大学生だろうか…。男の1人が声をかけてきた。


男1「へへ、そこの可愛いお姉さん、暇なら俺らと一緒にご飯を食べませんか」


自分の身体を舐めるように見てくる。気持ち悪い。これがこの男たちに抱いた最初の印象だった。


理科「い……や…で……す」


男2「怖がらなくても大丈夫ですよ?」


男どもの視線が胸と太ももにあるように感じる。どうみても身体目当ての感じがある。男の1人が理科の肩に手を触れようと近づいてきたとき、


伊藤「ごめん、待たせた」


お手洗いから出てきた伊藤は男が触れる前に、理科の腕を引いてすぐにここから逃げようとする。


男3「ちょっと、このお姉さんは僕たちとご飯を食べることになったんだけど」


伊藤に向かって挑発するように笑いながら話しかける。無論そんなこと一言も言っていない。この男どもが勝手に言っているだけだ。


伊藤「そうなの?なら私たちも混ぜてもらおうかな」


男1「お、そうかい。君も可愛いね。君の友達なら君と同じくらいに可愛いだろう」


伊藤「そうだな。じゃあこの高級焼き肉で。すぐにくる10人にも連絡しておくね」


伊藤はスマホを取り出して文字を打ち始める。


伊藤「かっこいいお兄さんたちが高級焼き肉を12人分おごってくれるから急いできな…っと」


男1「ちょっと!高級焼き肉なんて言っていないけど?」


伊藤「一緒にご飯を食べてあげるんだから当たり前だろ」


男2「おい、少し調子に乗っているんじゃねぇぞ」


男2が伊藤の肩に手を当てると伊藤は大きく息を吸って


伊藤「きゃああ!痴漢!痴漢に遭いました!」


周囲の人が全員こっちを見てくる。周りには「痴漢?」「おいあの男3人、あの女性2人に痴漢をしたらしいよ」「うっわ、最低」「写真撮ってこいつら痴漢したって挙げよう」という声が聞こえてくる。


流石に分が悪いと思った男3人は伊藤を睨んだ後に、急いでこの場を去っていった。呆然としていると伊藤が理科の腕を引っ張って


伊藤「さぁ、お店に行くぞ」


そう言って力強く引っ張ってきたので逆らわないで大人しくついていく。


理科「あんな方法で追い出したら、恨まれてまた襲ってくるんじゃないの?」


伊藤「それはそれで好都合なんだよ」


理科「どうして?」


伊藤「多分後でわかる。とりあえずお店に行くぞ」


こうしてお店に向かった。






お店に到着して注文を店員に頼む。注文が来るまでさっきのことを話すことに。



理科「さっき言っていた好都合ってどういうこと?」


伊藤は啜っていたお茶をコトンと机に置いて話し始める。


伊藤「もし朝倉の言っていた通り、再び襲ってきたとしよう。そうなったら能力とか使って殴り返せばいい」


理科「そんなことをしたら傷害罪になるでしょ。もしかしたら結果的加重犯として傷害致死罪になるかもしれないし、わざわざ殴り返すのはナンセンスだと思うけど」


伊藤「私達が出会ってから実験して試したことがあるんだが…。まず、この能力の証明は基本的に不可能だ。私達の目に見えていることや覚えていることは、一般人には見えていないもの覚えていないことが複数ある。例は私たちが住んでいるホテルや、両親の記憶から自分のことを忘れられて居たりとか。他にもいくつかあるが…。確定したわけではないからこれは伏せる」


理科「…いつ?いつそんな実験をしたの?」


伊藤「昨日、放課後で色々試していた」


理科「あぁ…。それでもわざわざあんなことをするのは危険だと思うけど」


伊藤「それにあれも昨日朝倉が言っていたてんとう虫の仲間なのかもしれない。もしそうなら殺しても問題ないでしょ」


理科「いや問題あるでしょ?相手によっては殺人罪じゃん。正当防衛とか緊急避難とかならともかく…。とにかく攻撃はやめておこうよ。面倒なことになりそうだから避けたいよ」

伊藤「じゃあ朝倉はその時逃げればいいよ。故意が共通していなければ、お前に問題は起きないだろう。…。というか朝倉は戦闘をしない方が良いと思う」


理科「戦闘する気はないけどどうしてそんなことを言うの?」


伊藤「あくまで私の予想だけど、朝倉の能力ってどちらかというと自分の身を守れる類の方でしょ?それなら無理して攻撃する必要はないよ」


理科「その言い方だけど伊藤の能力は攻撃系なの?」


伊藤「さぁ、どうでしょう?」


少しニヤリとして理科の表情を見る。


理科「というか落ち着いて考えてみれば…。なんで両親から記憶が消えているのかな…。〈記憶消去〉を使ったのかな」


伊藤「わざわざ〈記憶消去〉を使う理由が今のところ思いつかないけどな。中には元から家に帰る気が無い人もいるし…。そんなことをする理由あるのか?」


理科「……精神攻撃とか?」


伊藤「戦いにおいて精神攻撃は基本だからな。まぁその理由でも通らなくはないが…。は~考えるのは面倒だな」


伊藤は首をポキポキと怠そうに鳴らす。


理科「…なんでこの12人なんだろうね」


スマホを取り出してグループチャットを開いて参加者の名前を見て呟く。


伊藤「…さぁ、このゲームを運営する奴に聞けばいい。そんな人がどこにいるかは分からないけどな…」


そんな会話をしていると注文したヒレカツ定食2つを持った店員が来て机の上に置かれる。


会計紙を置かれて、その金額を見てみると2人で2100円だった。


理科「そういえばさ、会計はどうする?」


伊藤「私がまとめて払うからいいよ。領収書を置いておけばお金が戻ってくるようだし」


理科「誰がお金を置いていっているのかな…」


伊藤「さぁ?」


理科「……怖いから自分のお金で払う。はい」


財布を取り出して、1050円を伊藤に渡す。


理科「それ、私が注文した分のお金。私の分を纏めて払っておいてくれる?」


伊藤「そうか、分かった」


伊藤は理科のお金を財布に入れてしまう。


伊藤「それじゃあ食べようか」


お腹が空いているのか、箸を持って少し笑っている伊藤。理科も箸を持つとお腹から「ぐぅー」と音が鳴った。結構大きな音で周囲の何人かが理科の方を見ている。


理科は顔を真っ赤にして下を向いてしまう。


伊藤「……ぷぷ」


伊藤は口を押えて、顔を下に向けて肩を震わせて笑っている。


理科「~~。笑うな~。笑うな~!」


自分の足で伊藤の足を軽く突く。伊藤は蹴られないように足を前後左右に動かして回避するが、理科は伊藤の足を蹴るためにジタバタと足を動かす。


伊藤「朝倉。埃が舞うからやめろ。他の客に迷惑だろ」


理科「ぅう~。ううー」


伊藤「そのうーうーはやめておけ。…くくく」


理科「笑うな~」


伊藤「あはは」


こうして2人でヒレカツ定食に手を付け始めた。とても美味しかった。


評価・ブクマよろしくお願いします。

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