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さようならロン。また会う日まで。  作者: 湖灯


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エロ犬

 中学生になった私は、晴れてロンとの1対1の散歩を認めてもらった。


 入学式の前に一人で散歩に行こうとしたら、お母さんがやって来て「まだ入学式終わっていないでしょ」と結局お母さんと二人で行き、それもまた楽しかった。


 新しい制服に身を包み出かけるときに居間にいたロンに「行ってくるね!」と挨拶するとロンは見慣れない私に驚いたような顔をしていた。


 そして入学式を終えた帰りは、私の足音にどこから気が付いたのか、玄関の扉を開けたら既にロンが座って尻尾をブンブンと振り回しながら待っていてくれた。


「お利口さんね!」と、まだ靴を履いたまま玄関にしゃがんでロンと顔を合わせて頭を撫でていると、ロンが急に飛び掛かって来て押し倒された。


「キャー!!」


 一瞬だけ声は出せたけど、ロンは私の上に馬乗りになって顔中ペロペロ舐めだして、そのあとは声も出せないばかりか呼吸もまともにできない。


 手でロンを押し戻そうとするけれどまだロンのほうが力が強くて逃げられない。


 足をバタバタ動かしている音を聞きつけたお母さんが私からロンを引き放そうとしたけれど、お母さんの力でもなかなか離れてくれなかった。


 ようやくロンが離れてくれた時には新品の制服がロンの毛だらけシワだらけになっていた。


 目に涙を浮かべた私が「あんたなんか大嫌い!」と、きつく言うと、やっとロンはおとなしくなった。


 兄やお父さんが帰って来て、二人とも「ロン、何かあったの?」と、私に聞くくらい、いつもよりおとなしい。


「知らない!」


 そっけなく答える私。


 結局その日のロンの散歩は兄に頼んだ。


 食事を終えて、お風呂上りにロンをみると玄関で伏せをしたまま上目遣いで私を見ていた。


 私はひとつため息をついて


「もう許してあげるよ」と、ロンの傍に座って頭を撫でた。


 ロンは、ほっとしたようにおとなしく顔を上げて私を見上げた。


「怒ってごめんね!」


 ロンの鼻先に唇を近づけたのがいけなかった。


 またしてもロンは私を押し倒して馬乗りになって顔を舐め始めた。


 私の転んだ音を聞いた兄が慌てて階段を下りてきてロンを引き放してくれた。


「もう本当に知らない!このエロ犬!」


 怒った私は洗面所に顔を洗いに行った。

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