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さようならロン。また会う日まで。  作者: 湖灯


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去勢

 小学生の時も何度かロンに押し倒されたことはあった。


 決して少なくはなかったが、それにしても中学になったこの頃は頻繁にロンに押し倒される。


 そればかりか小学校の時は制服がなくいつもGパンを履いていたので気にならなかったけれど、中学生になり制服のスカートになったとたんロンは私の足を目掛けてしがみ付いてきてリフティングをするのだ。


 これが人間なら蹴飛ばすところなのだけど、ロンは可愛いし、きっと私のことを彼女だと思ってくれていると思うと無下にも出来ないでいた。


 その日も、私の足を目掛けて飛びついてきた。


 逃げたけど結局いつものように抱きつかれてリフティングされた。


 いつもなら私がキャーキャー言ったり足をバタバタさせていると直ぐに止めてくれるのだけど、その日はいつまでたっても止めない。


 兄とお父さんはまだ帰って来ていなくて、お母さんは買い物に出ている。


 困っていると急に、ふくらはぎに生暖かいものを感じて強引にロンを引きはがすと液体のようなものを掛けられていることに気付く。


「これって……」


 私はびっくりして、その場にしゃがみこんで泣いてしまった。


 直にお母さんが買い物から帰って来て泣いている私に気が付いてくれたので事情を話し、そのあと直ぐシャワーを浴びた。


 家族がそろったときお母さんが今日のことを話してくれると、兄は言いにくそうに女性になった私の匂いをロンは敏感に感じて感情が抑えきれない。

 つまり発情しているのだろうと言う。


 発情期は周期によってやって来るものだから毎日ではないが、去勢させたほうがいいと兄は言う。


「去勢って、男の子じゃなくなることでしょ!それなら私は我慢する」


 私は驚いて言うと、兄は万が一散歩中に他所の犬を妊娠させたりすることも考えないといけないと言い出し、結局去勢することになった。


 手術の日、学校から帰ってもロンは玄関に居なかった。


「今日は病院にお泊りか……」


 ロンの居ない寂しい玄関でひとりつぶやいた。

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