表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さようならロン。また会う日まで。  作者: 湖灯


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/830

ロンと雪遊び⑨

 次の日、朝起きてみると体が棒のように硬くて痛い。


 筋肉痛だ。


 ほかの人はみんな平気みたいで、日ごろどれだけ運動不足なんだろう。(でも毎日ロンの散歩で走っているんだけどな……)


 一応、スキーウェアには着替えたけど今日はロンと二人で見学することにした。

 目の前を兄と美樹さんが仲良く華麗に滑って行く。


 初心者の私が言うのも変だけど、二人ともスリムで背が高いからフォームがきれいに見える。

 里沙ちゃんが茂山さんにエスコートされて通り過ぎて行く。私たちに大げさなジェスチャーで手を振る里沙ちゃんの隣にいる茂山さんは大きくてごつい体格なので、まるでお父さんと娘に見えて笑える。


 みんなが私たちの前を通り過ぎるとき手を振って通り過ぎるので私も手を振り返す。


 私の隣にいるロンは、みんなが手を振ってくれることにはまるで関心がないみたいで、今日も黙々と雪とたわむれている。


 時折子どもを連れた家族が「かわいい」とか褒めてくれるときは、きちんとお座りして賢そうにしたり、また気まぐれで私の膝の上に乗ってきたりしてかわいい。

 それにしてもロンもみんなも、なんでそんなに元気なの?


 じっとしていることにも飽きて(というより寒くなってきた)少し体を動かさなくてはと思って誰も通らない端っこの木の近くに「かまくら」を作ろうと思った。たしかニュースか何かで見たときの記憶では、圧接された雪を四角く切り出して、それをレンガのように重ねて作るのだったと思う。


 だけどスコップもないし圧接された雪もないので「縦穴式住居風かまくら」を作ることにした。

 幸い私のパートナーは穴を掘る天才だ。


 ロンは気まぐれだから「掘って!」とお願いしてもきっと知らんぷり。だけど私が掘り始めると興味を惹かれて掘り出すに違いないと思いながら雪を掘っていると、案の定私の掘っている穴に鼻先を割り込ませて、前足で恐る恐る引っかきはじめ最後には超速雪かき機!


 すぐに人が入れるくらいの、大きな穴の出来上がり。


 今度はかき出した雪で建物の外壁を作って行く。

 これはロンに興味を持たれると壊されちゃうので、遊んであげながらゆっくりと進める。


 途中で里沙ちゃんと茂山さんが手伝いに来てくれて、特に茂山さんは意外に器用で屋根を閉じるのは無理だろうと諦めていたのに、きれいに作ってくれた。


 ロンと私、里沙ちゃんと私くらいまでなら十分入れる大きさだけど大きな茂山さんだと一人でギリギリだったし似合わな過ぎて里沙ちゃんと二人で笑った。

 茂山さんは壁を倒さないようにゆっくり出てきて、日本人と犬のつながりは、この縦穴式住居に住むようになった1万年ほど前からだと教えてくれた。


 犬たちは住居という空間に住むようになった人たちが安心して寝られるように番犬として大切にされていたらしい。


 そこで里沙ちゃんと私が基地(かまくらもどきの縦穴式住居もどき)に入って茂山さんに、追い出したロンを外に出してもらうと、ロンは「中に入れろ!」と言わんばかりに吠えた。


「ぜんぜん番犬にならないじゃん!」

 里沙ちゃんも私もロンにそう言って笑った。


 しばらくして里沙ちゃんたち二人はまたスキーをしに行って、私とロンは基地の中。


「二人っきりの我が家って、なんだか落ち着くね!」


 ロンにそう言うと、ロンもそう思ったのか私の顔をペロッと舐めて、もたれかかるように寝転んできた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ