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千春の初恋⑦

 体育祭が終わってから暫く雨の続く日が続いた。

 もともとは、雨の日は嫌いだし誰でも外には出たくないと思う。

 だけど、ロンを家族として迎えてからの私は雨の日も気にならなくなったばかりか、好きになったかも知れないと思う。

 だってロンは雨の日も普通に散歩に行きたがるから、私が嫌々連れて行くとかしたら遠慮するでしょ。

 それに雨に濡れたロンのケアは”お世話している感”も半端なくあるし、ロンも喜んでくれる。

 その日も、雨の中悠々と散歩を終えたロンの体を乾いたタオルで綺麗に拭く。

 おなかと足回りは特に汚れているのでバケツにお湯を組んで濡れたタオルで汚れを取る。

 そのあとは、ドライヤーで体を乾かしてあげるのだけど、この時のロンの表情が何とも気持ちよさそうで好き。

 そして最後は入念にブラッシングしておしまい。

 この日だけはフカフカになったロンに抱きついても何故か押し倒されない。

 逆に私のほうが廊下で仰向けに寝転がっったり、胸の上に伏せさせたりしてロンを揶揄う。

 丁度階段を下りてきた兄が、そんな私を見て言った。

「誘う女だな」

「えっ!?」

「千春はロンに構ってもらいたい病なんだね」

「……構ってもらいたい病?」

 兄は、それだけ言うと台所に消えた。

 私はロンの首に手を回して抱き寄せて

「構ってもらいたい病はロンのほうだもんね!」

 ロンの目線は知らん顔して台所のほうに向けられた。

「この~裏切者~~~!!」

 ロンの頭をクシャクシャにしたら鼻先をペロッと舐められ、そのままロンは私の肩に首を乗せ何か囁くような体制になった。

 何にも囁くことはないロンだったけど、そうやって甘えられるだけで結構満足。

 やっぱり私は、ロンに構ってもらいたい病なんだね。

 そうでしょロン……。

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