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さようならロン。また会う日まで。  作者: 湖灯


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千春の初恋⑥

 結局ゴールは認められなくて里沙ちゃんに謝ったけど、なんだか里沙ちゃんは上機嫌。


「まさにベストカップルだよ」とロンの頭を撫でていた。


 里沙ちゃんの言葉が大会本部に届いたとは思わなかったけど、表彰式のとき、私は本当に「ベストカップル賞」をもらった。


 体育祭の片付けも終わって、くたくたになって家にたどり着いた私は玄関に入ったところでうつむけにバタンキューと倒れた。

 ロンが心配そうに私の顔を覗き込み、頬をペロッと舐めた。


「大丈夫よ。しばらくこういさせて」

 私は、そういうと目を瞑った。


 私のバトンが観客席に飛び込んでしまったとき、ロンはどうやって兄の持つリードから離れることができたのだろう?

 あの兄がうかつにも手から離してしまうなんてことはあるはずもない。

 きっとロンの私を助けたい気持ちのほうが兄の腕の力を上回ったのだろう。


 エロ犬なんて言ってゴメンね。

 君はいつも女の子には優しいだけだもんね。


 私が勝手に嫉妬して、無視して本当にごめんなさい。

 今日のことを思い出していて目から涙がこぼれた。


 私のことを応援してくれて、私が困ったときには誰の目も気にせずに誰よりも早く来てくれる……。


「大好きよ……ロン……」

 私は、そのままウトウトしてしまった。


「?……ん!……」くすぐったい。だめ!

「あはははは!」


 目が覚めると私の背中に乗ったロンが私の首筋から耳タブや耳の裏を舐めていた。


「くすぐったい!嫌!」

 私が首を激しく振って拒否すると、今度はお尻のほうに回って私の足を舐め回す。

 これはもう、くすぐったいという生易しいレベルではなく爆笑で息も続かないレベル。


 足をバタバタさせないように上手にホールドされていて逃げられない私は、手をバタバタさせて助けを乞うとお父さんが飛んできてロンを離してくれた。


 ロンの大好きな私の生足は膝から下がベチャベチャに舐められた。

 いつもなら「エロ犬!」と怒るところだけど、今日は言わずにシャワーを浴びに行った。


 夜、里沙ちゃんに今日あったことを話したら。

「千春とロンが恋人同士だってことは知っていたけど、二人の赤裸々な情事まで私に話すとは、相当なバカップルぶりだこと」って冷やかされた。


「えっ!?情事って?意味わかんない」って私が聞くと

「男は前戯で女性の体を舐め回すんだって!」と言われた。


「キャ~~~!!!やっぱロンってエロ犬~~~!」

 私は枕に顔を押し付けて一人顔を赤くしていた。


 まさか、薄々は感じていたけどロンの初恋の相手が私だなんて。

 そして今日の私の不安定な嫉妬心や、いま顔を赤くしている私の初恋の相手もきっとロンなのだろう。


 その夜は、体が熱くてなかなか寝られなかった。

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