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千春の初恋②

 まさかね!

 私は下駄箱に潜り込んでいるロンの頭を軽く撫でて家を出る。

 今日の体育祭で私が出場する競技は、午前中が百足競争、クラス対抗リレーと騎馬戦。

 そして午後からは綱引きにダンスと、スウェーデンリレー。

 あとは吹奏楽部なので開会式前の入場行進と閉会式の退場行進の楽器演奏を受け持つ。

 ……結構ハードなのだ。

 学校について直ぐに体操服の上から吹奏楽部のユニフォーム白いブレザーを羽織って校庭に並ぶ。

 周りを見てみると、ビデオを撮っているお父さんの横のお母さんが私に手を振っていたので、目でニコッと微笑み返す。

 兄とロンはお留守番なのか、見えないのが少し残念。

 入場行進も無事終わり、開会式に次いでラジオ体操。

 百足競争は何度も足が揃わなくてビリだった。

 クラス対抗リレーではアンカーの一つ前を走るのでトラックを走る友達を応援していたら人垣の中に兄の頭を発見したけど、またすぐに人垣の中に隠れてしまった。

 漸く私の番になり4位でバトンを引き継いだ。バトンをもらってトラックのカーブに入る前に一人抜いて3位になった。

 2位の選手も目の前だったけどカーブの中で外側から抜くのは難しい。

 やっと直線に入って抜くことが出来たけど、その間に1位との距離は少し離されたみたい。

 でも諦めずに走った。

 ふいに観客席から「千春!」と兄の声。

 それに続いて「千春ちゃん頑張れ!」と聞き覚えのある女性の声。

 そして「ワン!」と言うロンの声。

 みんなの顔が見たいけど、今は応援に応えて精一杯走る。

 50メートルを過ぎてカーブにさしかかった辺りで1位の子のペースが落ちてきて、カーブの終わった時には私はその子のすぐ後ろ。

 遠くでロンの「ワン!」と言う声が聞こえたときには私はその子を抜いていた。

 結局、アンカーの里沙ちゃんに1位でバトンを渡すと、里沙ちゃんはそのままの順位でゴールした。

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