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花火の夜に②

 紫色の綺麗なアジサイ模様の浴衣に茄子紺の帯、左手には大島紬の小物入れ。

 それとはアンバランスなのは同じ左手にぶら下げた、100円ショップで買った手提げ袋。

 その中身は、ビニール袋に消臭剤。

 それにウェットティッシュと火箸にスコップ……そう、ロンのお散歩セット。

 そして右手にはリードを持ち、私の横にはそのリードに繋がれたロンが胸を張って私をチラチラ見上げながら歩く。

 30分くらいで会場に着くと、土手の上にあるバス停で友達と合流すると、みんながロンを可愛がってくれた。

 土手の上からm花火会場の河原を見ると、沢山の屋台と、沢山の人でごった返していた。

『ロン、大丈夫かな……』

 不安な気持ちになっている私とは逆に、ロンは嬉しそうに目を輝かせていて、眼下に広がる光景を好奇心に胸を躍らせる少年のように見ていた。

 場所取りは土手の斜面近くで、広い花火会場では奥のほう。

 早く来たので前のほうもまだ空いていたけど、ロンがいるのでみんなが気を使ってくれて、人のまばらなこの場所にした。

 ここをベースにして屋台回りをして遊んでくる。

 友達に一緒に行こうと誘われたけど、私はその子にアイスとかたこ焼きとかお金を渡して買ってきてもらう。

 人込みの中、全員が犬を歓迎してくれるわけではないからロンを連れて行けない。

 ロンが嫌な目で見られるのが我慢できないから……。

 途中里沙ちゃんがロンを預かるから屋台に行って来たらと言ってくれたが、これも断った。

 何が起きるか分からないのに里沙ちゃんに責任を取ってもらうわけにはいかない。

 チャンと両親や兄に了承をもらって来ているからには、私は家族の代表としてロンを守るのだ。

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