気になるロン②
家に戻ると、ロンは2階に上がる私に付き添うように一緒に着いてきた。
私が、そのまま宿題に取り掛かると寝転んでおとなしくしている。
宿題が終わって振り向くと、ロンは首を上げてなんだか嬉しそう。
私はロンの頭を撫でて「おやつ食べに行こう!」と誘って一緒に階段を下りて台所に行ってお母さんの揚げていた竹輪の磯部揚げを一つ貰い、ロンには歯磨きガムを1本上げて一緒に食べた。
居間に置いてあるパソコンでYoutubeの犬の動画も一緒に見た。その中には犬にペロペロ舐められる動画もあった。タイトルに「キス特集」と書いてあり、口の中まで舐められている動画にはテロップで「ディープキス!」と流れていた。
私は自分の顔が焼けるように赤くなっていくのが分かった。
隣でまだ歯磨きガムを恍惚の表情でガリガリかじっているロンを横目で見ながら。
『私のファーストキスってロンに取られちゃったということになるのかしら……』
そして顔を赤く染めた理由。
『13歳の乙女からファーストキスを奪い、更に何気にディープキスまで奪うなんて……このエロ犬!』
だけど、心の中の言葉とは反対に、私の目は目の前にいるロンを愛おしく捉えていた。





