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さようならロン。また会う日まで。  作者: 湖灯
*****中学校編(ロンとオーボエのはじまり)*****

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気になるロン①

 動物病院に定期健診に行ったとき、ロンがあまり私の顔を舐めるので獣医の先生に相談してみると


「犬が人の顔を舐めるのは挨拶みたいなものですよ」と、笑って済まされそうになった。


 私は、家族にはペロっと先生の言うように挨拶みたいに舐めるけど、私の場合は押し倒されてすごく長い間舐め続けるのだと説明した。


 先生は真剣に私の話を聞いてくれて、それはロンが私のことが大好きだという愛情表現だということと、お互いにウイルスを感染し合う可能性があるので、口の中に舌を入れようとしても決して入れさせないことと、必ず後のケアに、うがいと洗顔をすることを言い、心配そうに話を聞いていたロンの頭を撫でながら


「どんなに千春ちゃんが好きでも、彼女にはなってもらえないんだから諦めなさい」と言った。


 その言葉を聞いた時に私は何を考えたのか、それとも何も考えていなかったのか自分でもわからないまま、あわてて言った。


「先生。私は、私が結婚するまで、いえ……ロンに彼女ができるまで、ロンの彼女でいていいですか?」と、口に出して言ってしまった。


 先生は、急な私の言葉に驚いた。


 そして、感染症にはくれぐれも気を付けるようにと、言った。


 帰り道、お母さんの運転する車の中で、なんであんなことを言ってしまったのだろうと一人で考えていた。


 ロンが家に来て、私のせいでロンは尻尾を怪我した。

 そして私のせいで去勢した。


 我が家で飼うことでロンは犬として独りぼっち……私で構わないなら、いくらでもロンのためにつくす。

 そこまで考えたとき、私の膝の上に頭を乗せていたロンがムクっと起き上がり私の肩に片方の前足を乗せて頬をペロリと舐めた。


 舐めたあとは私の胸に頭を押し付けて窓の外をじっと見ていた。


 なんだろうと思って、外を見ると小さな子供2人がお父さんらしき人の連れた犬と一緒に走っている。


 犬を飼う家族にとっては、ごくありふれた光景だった。

 ロンは、その光景を私に見せたかったのか、私がそれを見ていることをうかがうように私の目を横目で見ていた。


 ロンが私に何を伝えたいのか薄っすらとしか分からないが、彼は私たちにいつも何かを伝えたがっていることは分かった。


 車は坂道を上り、家の前で止まった。

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