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生命の行方・第一部  作者: 杉谷ゆぬの(果樹)
第7章・事件の余韻、敵の行動
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自殺未遂

それは、まだ雅也の知らないところで起こっていた……。


「警部!たっ、大変です!」

新人刑事があわてて駆け込んできた。

ソレルはそれを見る。

「あの男がっ……!自殺を図りました!」

「なんだって!?」

勢いよく立ち上がり、椅子を倒した。

「どういうことだ?」

「一応、ここに拘置してあったんです、危険物なども没収してあったはずなんですが……」

その男の拘置してある拘置所に向かう。

「頸動脈を切って……」

「それで男はどうしたんだ?」

「今、応急処置を受けてます」

「じゃあ、生きてるんだな?」

「はい。意識はありませんが、命に別状はないようです」

「これは……、ジャーナルさんに伝えた方がいいのか……?」

ソレルはつぶやいた。

あの男は以前、ウィンストンと雅也を襲った犯人の一人であるということだった。

現に先日の立てこもり事件の実行犯もあいつだ。

「……よし、伝えよう」

ソレルは男の様子を確認した後、ウィンストンに電話をかけた。



「えっ?あいつが自殺を図った?」

ソレルさんからの電話の内容は驚くべきものだった。

「……はい、わかりました。……あ、はい、伝えときます。はい、失礼します」

ソレルさんはマサヤと由季ちゃんに伝えとけって、言ってたよな。

……言いに行くか。


俺はカイをマサヤの部屋から連れ出した後、なんとか説得して部屋に戻した。

もうそろそろマサヤたちの話も終わった頃だろうし、入っても平気だよな。

「マサヤ、いるかー?」

「はい」

「ユキちゃんは?」

「由季はもうロナさんと一緒に帰りましたよ」

「そか」

俺は部屋に入った。マサヤはベッドに横にならず、上半身を起こしている。

「あれ、お前顔赤いけど……」

「えっ?あ……これは気にしないで下さい」

なんだ?ちょっとだけ気になる……。

「それで、どうかしたんですか?」

「あー……実はな、あの、俺たちを襲ったあの男がいるだろ?」

「警察に捕まったじゃないですか。そいつがなんかしたんですか?」

マサヤはどんな反応をするだろう?

「……自殺を図ったらしい」

「自殺?何でヤツがそんなことする必要があるんですか?」

なんか、すごく苛立った感じの顔してる……。眉間に皺寄ってるし。

「俺は知らないよ。ソレルさんに聞けば何かわかるかもしれないけど」

「……」

「なんだよ。聞いてくりゃいいだろ?許可出してやるからよ」

「え?」

意外か?でも、警察行くくらい許してやらないわけには行かないだろう。

「警察行ってくるだけだぞ。寄り道はダメだからな。はい、制限時間は3時間。よーい」

「え、え?」

「スタートっ!」

なんか、無理矢理っぽいけど制限時間を設けてみた。

マサヤはあわてて着替え始める。

昨日の傷は、まあ、この前のとは違ってそんなにズキズキ痛むとかはないみたいだ。

改めてみてもこいつ、怪我の量が半端じゃない。だいぶ治ってきてはいるけど、治らないうちに何度も同じ所に怪我してるからそこだけ治りが遅いんだよな。それがちょっと心配だけど……でも、まあ少しだし大丈夫だろ。

「先生!本当に行っていいんですか?」

「おー。行ってこーい。あ、チャリの鍵渡しとくわ。使っていいぞ。残り2時間50分」

「何でカウントしてるんですか!いいじゃないですか!ちゃんと帰ってきますよ!」

「わかってるよ。ほら、時間無くなるぞ」

「行ってきます!」

マサヤは俺からチャリの鍵を受け取って部屋を出ていく。


……あいつは、どう思っているんだろう……。

俺があいつだったら……どう思っていただろう……?

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