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生命の行方・第一部  作者: 杉谷ゆぬの(果樹)
第5章・知らなかった現実、芽生える友情
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図書室・会いたくない人に出会う

病院から10分くらい歩くと図書館に着いた。

借りるのは手続きが必要だ。俺はこの町に住んでるわけじゃないから借りるのに手間がかかる。でも本の閲覧は自由だよな。いい本探してゆっくり調べよう。


「民族図鑑……」

なんか、民族を調べるのには良さそうだ。あとは……

『人類の発展・兵器編』

こういうのがあからさまに置いてあるのはどうかと思う。こういうのに興味がある人いるのかな……だとしたら、考え直してほしい。

「一応今はこれくらいにしとこうかな」

なんだか手頃な席を見つけて座る。

机が板で仕切られてる席だからこっそり調べ物するにはちょうどいいな。



「うあー。図書館久しぶり」

家からはチャリでだいたい10分くらいだ。駐輪場にチャリを止めて、図書館に入る。

「えーと……」

どこにあるんだろう……?俺が探してる本って……ジャンルは何?

なんか時間かかりそうだな。……聞くか。

「すいません。あの、民族とか人種とかが詳しく載ってる本ってありますか」

「はい、お調べしますので少々お待ちください」

少し待つ。司書さんはパソコンで検索してくれてるらしい。

「お待たせいたしました。あちらの棚の右から二番目の棚に『人種図鑑』という本がございます。それが一番詳しいと思いますよ」

「わかりました。ありがとうございます」


言われたところに行ってみた。でもない。誰か借りてるのか?いや、そりゃないだろ。貸し出しされてたら教えてくれるだろうし。

「仕方ない……別の本探すか」

この辺にある本を見てみるか。



「……ふう。このくらいかな。一冊しか調べられなかったけど、少し疲れたしそろそろ帰ろう……」

今は4時10分前だ。本当は5時までに帰ればいいんだけど、ぎりぎりになるよりはいいし、早めに帰ろう。

「一冊借りてくか……。確か……手続き面倒なんだよな……」

『人類の発展・兵器編』は小脇に抱え、もう一冊の本は棚に戻す。

奥の方でめんどくさいなぁ……とか思いながらそこの場所に行くと……




「あ」




「……あぁっ!」




ウィン先生がいた。



「お、お……お前!バカー!」

ウィン先生は他の人に迷惑にならないように俺を小声で怒鳴る。

ああぁぁ、ばれた……。なんてことだ……。やばい……これはやばい……。なんでこの人ここにいるんだ……。先回りしてたのか……?いや違うな……だったらあんなに驚かないし……。

「何やってんだよお前は!俺言ったじゃんか!死にてえのかっつーの!」

なんにも返せません……はい……。

「昨日おとなしかったのは、今日俺がいないときを狙ってたからだったのか」

「はい、そうです……」

「部長に許可をもらってか」

「はい……」

「ニコルに変装道具貸してもらって?」

ウィン先生は俺を上から下までじーっと見た。

「はい……」

「……」

視線が怖い……。怒ってる……。ウィン先生超怒ってるよ……。

「はあ……。まあいい、帰る」

ウィン先生はため息をついた。なんだか、呆れられてしまったようだ。

「本、借りるのか?」

「えっ?は、はい……」

「お前、この町に住んでないだろ。借りられるのか?」

「一応は……。手続きが面倒なんですけど……」

「いいよ。俺が借りといてやるから」

ウィン先生は俺の手からひょいっと本を持っていって手続きを済ませる。

そして、手続きの済んだ本を俺に渡しながら……不気味に笑った。

「……ふっ。ふふふふふ……」

な、なにっ!?怖い!この人何考えてんだっ!?

なんか黒いオーラが見える……。

「もう、黙って出かける気がなくなっただろ」

確かに、この人を怒らせるとすげー怖いということはわかった。

「……はい」

「じゃあ、次からは俺に言えよ。許可出さねーけど」

……ひどい。

「さあ、帰るぞ。お前は歩きなんだろ?」

「あ、はい」

「俺チャリだからさ、途中まで一緒に行くか」


途中までウィン先生と一緒に帰ることになった。

でも……ニコル先生も言ってたけど、チャリってなんだ?

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