マサヤ、早速動き出す
マサヤは諦めないと言った。たぶん何か考えてくる。
俺はそう思ってマサヤのやりそうなことをまとめてみることにした。
「うーん……。アイツのやりそうなこと……?なんだろ……思いつかねえ」
まだ、マサヤの部屋にはニコルがいる。
「ニコルを使うか……?でもアイツじゃ許可出す権利持ってないし……。あ、部長ならどうだ?」
部長なら許可を出す権利を持ってる。でも、マサヤの状態を見る限りではあの人が許可を出す可能性は低いだろう。
「昨日の今日だし……。多分言っとかなくても平気かな」
このとき、俺はアイツを甘く見ていた。ついさっき証明されたあのことをすっかり忘れていたんだ。
「……MSAAAの処分は完了したか」
椅子に座った男は目の前で緊張した様子で立っている男に尋ねた。
「それが……!活動停止の確認が、できませんでした……!」
「……なんだと?」
「な、なにしろ人が集まってきてしまっ……」
「いいわけなど聞きたくないわ!早く確認をとれ!もし処分ができていなかったのなら……確実に処分しろ。……一目見てわかるぐらいにな……」
恐ろしい笑みを浮かべて、男は言った。
立っていた男は恐怖でガタガタとふるえ始める。
「……なにをやっている。……行け」
その言葉を聞き、男は部屋を飛び出していった。
「え?外出の許可がほしいだって?」
俺は、本当にウィン先生のいない日に作戦を実行に移した。
まずはリディナ先生から許可をもらうんだ。
「はい。俺、図書館に調べ物に行きたいんです」
「でもなぁ……、君はまだ体調が万全じゃないだろう?痛み止めが切れたらそれこそ大変なことになってしまうじゃないか」
うう…やっぱりそう言われるのか…。
「……確かに、そうなったら大変ですけど!ちゃんと痛み止め飲みました!」
「……万が一ってこともあるんだけど……?まあ、仕方ない」
「じゃあ……!いいんですか?」
「まだいいとは言ってないよ。診察してからだ」
傷はだいぶよくなってると思う。俺の独断だけど。
リディナ先生は俺を診察しながら言う。
「……ウィンストンに言わなかったのは、絶対に許可をくれないと思ったからだろ?」
ぎくっ。
「……何でわかるんですか」
「そりゃね、ウィンストンは君をとても心配しているから。過保護になりすぎているんだ」
過保護か……、確かにそんな感じもする。
「……まあ、激しく動かなければ外出しても問題ないかな」
「本当ですかっ!!」
やった!よし、がんばって調べるぞ!
「ああ、いいよ。ただし、条件がある」
やっぱりすんなりとは行かない……。
「ですよね……。条件って……なんですか?」
俺はがっかりしながら聞いた。
「外出していいのは午後1時から5時までの間だ。お昼を食べてから出かけて、夕食の前に戻ってくる。あと、体調が悪くなったらすぐに帰ってくる。これが外出の条件だ」
そのくらいだったら大丈夫だ。ちゃんと守れる。
「きちんと守らないと、今後の外出の許可が出せなくなってしまうからね。気をつけるんだよ」
「わかりました。気をつけます」
やった。ついに許可が出た。後は約束を守りながら調べ物をしよう。




