マサヤの情報・ウィンの居場所
ナースコールが鳴り響く。めったにボタンを押すことのないマサヤの部屋だ。
「はい。ナースステーションです」
「……」
ロナは受話器を取った。が、何の反応もない。
「スギサキくん?」
「……」
おかしい。ナースコールを押したのに、反応が無いと言うことは……。
「急変……!?」
たまたまいたニコルを連れて、ロナは病室に向かった。途中でリディナと合流し、急ぐ。
「スギサキくん……!!」
部屋に入ると血の海の真ん中でマサヤが倒れていた。
「すぐオペの準備だ!急げ!」
マサヤの体には真新しい傷が二つ増えていた。
胸の傷からは未だに大量出血している。
出血を止めようと、応急処置をロナがしていると、マサヤが息も絶え絶えにつぶやいた。
「……は……はやく……」
「スギサキ君!喋っちゃだめだ!死んでしまうよ!」
「はやく……せんせいを……た、すけ……て……」
「マサヤ!」
マサヤは力尽き、ぐったりとして動かない。
「ニコル!ウィンストンを探してくるんだ!スギサキ君の言葉だと……ウィンストンが危ない!」
ニコルは急いでウィンを探した。心当たりのある場所を探すが、見つからない。
「なんでだ……!?どこにもいないなんて……?」
目撃情報を探す。休憩中、たばこを買っているのを目撃した人がいた。
「たばこ……?あいつ、最近全然吸ってないはずなのに……」
たばこと聞いて一カ所行っていない場所があった。
喫煙所にはいなかった。と、言うことは……。
「……屋上かっ!?」
ニコルは走った。屋上のドアを開けると、ウィンストンがうつ伏せに倒れていた。
「ウィン!」
頭と瞼から血を流している。ぐったりしているが、気を失っているだけで死んではいないようだ。
とりあえず、傷の消毒をし、空いている病室に運んだ。
マサヤの方は……リディナ部長に任せるしかないだろう。
「なあ……なにがあったんだ?」
ニコルはつぶやいた。
マサヤは何者かに襲われた。随分と離れた場所でウィンは発見されたが、マサヤの言葉からして、ウィンがマサヤの何かに巻き込まれたことは確実だ。
「ううぅ……何で……何で俺が……?」
寝言かうわ言か、いまいちどっちだかよくわからないが、ウィンがつぶやいている。
「おい、ウィン!大丈夫か?」
「……あれ。俺生きてんじゃん」
パチッと目を開けウィンはすぐにむくっと起き上がった。
「あーびびった……。マジ死んだかと思った」
「なあ……なにがあったんだ?病院中大騒ぎだぞ」
「さあ……俺にもよくわかんねえ……。でも、俺を殺そうとしたのはついで……!」
ウィンは自分でそこまで言って気づいてしまった。
「マサヤはっ!?」
「……」
「まさか……」
「言いにくい話ではあるんだが……死にかけてるぞ。まだ死んじゃいないが……」
「くそ……。やっぱり、真実を知ってるアイツを生かしておくことはできないってことか……?」
「……お前、なんか隠してることあるだろ。マサヤのことで」
決して隠しているわけではない。ただ、信じてもらえるかが問題だ。
「マサヤは……信じてもらえるか不安だったんだ……。ずっと言おうと思ってた……でも、怖くて言えなかったって……」
「何のことだ?」
ウィンストンは決心した。ニコルには話しておこう。ニコルは信頼の置けるヤツだ。




