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生命の行方・第一部  作者: 杉谷ゆぬの(果樹)
第3章・明かされる真実、マサヤに迫る影
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衝撃の再会

俺が病院内を散歩していると、ロナさんやニコル先生、さらにリディナ先生など、この病院の職員の大半が慌ただしくしていた。

「どうかしたんですか?」

たまたま近くにいた看護士さんに聞く。

「実は、ウィンストン先生が休憩時間が終わっても帰ってこないの。普段寝坊することは多くても、こういうことに関してはすごくまじめな人なんだけど……」

俺と話してたのは昼前だ。それから先生には会っていない。

「う~ん、すみません。心当たりがないです」

「じゃあ、もし暇だったら探してみてくれる?」

「いいですよ」

「見つけたら教えてね」

「はい」


一応いろんな人に話を聞いたが、ウィン先生は見つからなかった。

疲れたので一旦自分の病室に戻ろう。

部屋の前まで行って、中に誰かがいることに気づいた。

(誰だ……?俺の部屋を漁ってる……?)

がちゃ!と思いっきりドアを開けた。そこには2人の人間が俺の部屋を漁っていた。そしてその1人が、俺には信じられない人物だった。

「由季……!?」

「来たか、MSAAA……!今ここでお前を処分する!!」

処分……だって!?俺は器として扱われた上、使えなくなったらもう用無しってことなのか……。

「くそ……。俺は、ずっと実験台ってことかよ……」

「ふっ、よくわかってるじゃないか。せめて、自分の血のつながった妹に息の根を止めてもらえ。いけ!YK01!」

由季はもう由季ではなく……ただのコードネームで呼ばれていた……。

「由季……、それは、とてもさみしいことだよ……」

「ああ、ひとついい忘れていたことがあったな。お前が一番信頼している人間、そいつがどうなっていると思う?」

男はニヤリと唇を歪める。一瞬のうちに、看護士さんの言っていた言葉を思い出した。

(ウィンストン先生が休憩時間が終わっても帰ってこないの)

「まさか……!?」

「今頃もしかしたら死んでいるかもなあ?巻き込んだお前が悪い。お前が殺したようなものだ」

頭の中が真っ白になった。そんなこと信じてたまるか!

「嘘だ!嘘だ嘘だ、嘘だぁっ!」

やばい。だめだ、そんなことしたら!

俺の冷静な部分は逆上している俺を押さえることは出来なかった。

男に殴りかかろうとする俺。だが、男と俺の間に由季……いや、YK01が割り込んだ。

トスッ。と言う軽い音がしただけだった。だが、俺の胸にはナイフが深々と刺さっている。

「ユ……キ……」

俺は倒れた。目の前にあったナースコールを咄嗟につかむ。

YK01は俺の胸からナイフを引き抜いた。大量に出血している。本当にこのままじゃ、死ぬ……。

「YK01、あれを探せ。」

(あれって……なん、だ……?)

YK01は抜いたナイフを再度俺の体に突き立てる。

「がっ……!あぁっ……!!」

ビクン、と体がはねた。肋骨を砕こうとしているらしい。だが、抵抗は出来ない。……すでに瀕死の状態で、意識すら保てない状況に陥っているから。


外がばたばたし始めた。二人は焦って窓から飛び出していく。

自分はまたも瀕死の状態なのに、なんだか変に冷静だった。

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