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7♤嫉妬(episode圭吾)

時刻は19時になっていた。圭吾は社長室で背のびをし、守衛へ内線をし仕事が終わった事を報告した。







エレベーターにのり地下の駐車場へ行き自分の車に乗り込む。








ある番号へ電話をかける。








「もしもし?圭吾どうした?」電話の相手は小木潤也(おぎじゅんや)だ。潤也と圭吾は小学生時代からの友達で圭吾にとっても唯一無二の親友である。








「今から一緒にメシ食べないか?」







「いいよ。久しぶりに居酒屋でもいくか?」







「場所はお前に任せるから後でLINEで送ってくれ」







「了解!」







電話を切ってLINEに送られてきた住所に向かう。






潤也が送ってきた居酒屋は隠れ家的な落ち着いた居酒屋だった。店に入ると店員が個室に案内してくれる。






「おぅ来たな。もう始めてるよ!」






酒を注文する。店員に帰りに代行に来てもらう様に頼んでおく。






「相変わらず几帳面だな。で?どうしたんだよ。志帆が帰ってくるからか?それとも奥様の事か?」






ニヤニヤしながら潤也が聞いてくる。今日来たLINEの動画を見せる。






「うーん。何何?これ見た感想聞いてんの?男は20代後半~30代前半で体鍛えてるなぁ。女は20代前半で、美人で料理上手そうな、、、って奥様やーん」おちょけて言う潤也をじとーっと見る。






「何?有桜ちゃんが浮気してるか心配してるのか?」






「違う。」






「じゃあ、なんだよー」と言う潤也に動画を停止し、有桜の顔を指さす。






「あー。可愛い笑顔だな。本当に有桜ちゃんって可愛いよな」クスクス笑う潤也をギロリと睨みつける。






「俺の前ではこんな風に笑ったことない」ぶはぁっと吹き出して潤也が笑う。それを見て益々眉間にシワが寄る。






「有桜は職場でも家でも笑顔を見せるが営業スマイルの様な顔だ。こんな屈託な笑顔を見せた事ない。この男は誰なんだ?有桜の友達か?」俺の顔を見て、お腹を抱え涙を流しながら潤也が言う。






「はい、はい、つまり、奥様は自分にはこんな可愛い笑顔見せてくれないのにこの男に見せてるから許せないって訳だな?圭吾それ何て言うか知ってるか?ヤキモチって言うんだよ。あーウケる。天下の有坂ホールディングスの社長様が呼び出したから何事かと思ったら。奥様が他の男に笑顔を見せて嫉妬してるだけじゃねーかよ。」俺はジロリと潤也を睨みつける。






「有桜は俺の妻だ。契約結婚してるとはいえ、有坂家に不名誉な事は気にするのは当たり前だろ?」俺は少し苛立ちながら潤也に言う。






「あのなぁ。この際だからハッキリ言うてやるよ。これは有坂家にとって妻が不名誉な事をしてたら世間的に悪いからって気にしてるんじゃない。お前が単に彼女が自分以外の男に笑いかけてるのが気に食わないだけだ。お前にとって彼女はそれだけ大事な存在って事だ。要は彼女が好きって事だよ。」






「違う。契約結婚してても有桜は俺の妻だ。これは独占欲なだけで好きとか愛とかじゃない。」






「はいはい。そう思っておけよ。でもな圭吾、後から後悔しても遅いぞ。お前達の結婚は身内と友人とかにか知らない。横からかすめ取られないようにな」ニヤッと笑う。






「それより水川が戻ってくるんだって?」






「ああ。来週戻ってくるから歓迎会を開く予定だ。潤也お前も出席するだろ?」






「ああ。まぁ俺は酒が飲めればなんでもいいけど。それでか、周りがお前の運命の人が戻ってきたって騒いでたぞ。水川とヨリを戻すってさ」潤也がふっと笑いながら言う。






「俺と志帆がヨリを戻すことはない。」






「それは有桜ちゃんと結婚してるからか?」






「有桜と結婚してなくてもヨリは戻さない。俺と志帆はもう大学の時に終わっている。1度終わった恋が戻る事はない」






「そうか。まぁ俺はぶりっ子水川よりウブな有桜推しだからな」






「……」






それを聞いて無性に苛立ちが湧く。潤也が有桜の事を,,有桜,,と呼び捨てにしたからだ。有桜と呼んでいい男は夫である俺だけだ。ジワジワどす黒い物が胸の中を充満するような感覚になる。またヤキモチだの好きだの言われそうなので言わなかった。




有桜に対する思いが本当に愛なのかただの所有欲なのか正直俺自身がまだ分からないからだ。有桜に出会った時、というかホテルの部屋で初めて見た時感じたあの気持ち。隼人達の友人は有桜が魔性の女の様に酔っている俺を体で籠絡したと思っているが、あの時俺は全く酔ってなどいなかった。有桜を見た時、ただとにかく今すぐ俺の物にしたいという欲求がふつふつと湧いてきた。有桜は酔っていると言うより媚薬を盛られて疼いていた。少し触るだけで敏感に頬を桃色にし俺とひとつになりたくて仕方ないって様子だった。本人は無自覚だがかなり有桜は美人だ。あの時はしっかりメイクをしていたから俺に群がってくる女達と同じだと思っていたが、クリっとした大きな丸い目に見つめられると、吸い込まれる様に口付けをし体を重ねていた。一度終わってからお風呂に入りたいと有桜が言ったので浴室へ連れていき、一緒に入った。シラフなのか?というくらいしっかりと髪や体、顔を洗っていたのを見て浴槽の中で思わず食い入る様に洗っている有桜を見ていた。顔を落としこちらを不思議そうに見てくる有桜をみて胸がドキンとした。






こんなに可愛らしい顔をした女の子がいるんだなと思った。もう一度ひとつになりたいという衝動が止まらなかった。結果風呂でも何度もし、上がってからもベッドの上で朝まで何度もした。






何度しても飽きることのない。朝起きてもう一度しようと思ったのに母親が部屋にはいってきて思わず不機嫌になってしまった位だ。



正直に言うと……母親に恋人と思われたから契約結婚を持ちかけた訳じゃない。


この可愛い子を誰かに取られる前に自分の手元においておきたかったんだ。




それ位有桜は魅力的な女性だ。そして性格もいい。わかっている。会社でも取引先でも有桜を狙っている男は沢山いる。有桜が他の男の腕の中にいるのを想像すると腸が煮えくり返りそうになる。契約結婚の期間は後2年ある。この思いが愛なのかそうじゃないのかゆっくり見極めても遅くないだろう。そう思って口角が上がる。






「おやおや。またいやらしい事想像してますか?有坂社長」悪い顔で潤也が言う。






「うるさい。そろそろお開きにするぞ」






「へいへい」






会計を済ませ代行の車に乗って家に着く。


有桜のあの可愛らしい顔と声を聞いてあの時のホテルでの胸の高鳴りを思い出す。そう……有桜を独り占めして抱き潰したい……そして圭吾くんと俺の名前を呼んで欲しい……


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