45✤嫉妬(episode美海)
彼氏の潤也くんに会いに彼の店へ仕事終わりに向かった。約束していたわけじゃないけど、彼に会いたい気持ちが抑えれなかったからだ。
「早く潤也くんに会いたいなぁ」
彼の店に入るとカウンターで綺麗な女の人と話をしていた。親密そうだったのと女性は泣いていたので少し離れて座ろうと思い、店員に個室に案内してもらった。
個室へ行く途中で聞こえてきた。
「あの女の人ってマスターの彼女?」
「いいや!元カノらしいよ。」
「元カノにも優しいんだなぁ。」
「俺の聞いた話ではあの元カノと結婚まで考えてたらしいぞ。だけどマスターが振られてしまったらしい。」
「じゃあ、寄り戻したりして!!」
「いやいや、マスター今、彼女いるからそれはないんじゃない?」
「でも、結婚を考える程好きな人なら……」
私がいるとは思ってなかったみたいで色々情報が入ってきて頭がパンクしそうだった。
潤也くんはモテてたから元カノはいるとは思ってたけど、まさか結婚を考える程の人がいるなんて……
遠くから見てみるけど、儚げで本当に美人な人だった。あれだけ綺麗な人なら結婚も考えるよなぁって思った。しかも潤也くんが振られたとなるともしかして……という気持が湧き上がってきた。
個室でご飯を食べてると潤也くんがやってきた。
「美海~来てるなら声かけてよー」と笑顔で私の前に座る。
「話してたから……」
「話?ああ!かおりとね。そんな気にしなくて大丈夫だったのに」頭をポンポンと叩いてくる。胸の奥から黒いドロドロした物が湧き上がってきたのを感じる。
「さっき聞いたけど潤也くんの元カノなんでしょ?しかも潤也くんが振られたって聞いたよ。向こうも泣いてたし…話しにはいけないでしょ?私もそこまで空気読めないわけじゃないの!」少し怒って言ってしまった。私の顔を見て潤也くんはなぜか笑顔になっている。
「美海ちゃんが空気読めないなんて思ってないって。そっか。元カノって知ってるんだね。そんなに嫉妬しなくても大丈夫だよ」頭を撫でられる。分かってるけど、潤也くんがそんな事しないと思うけど私の気持ちは抑えれなかった。
「そんなこと言って本当は潤也くんもより戻したいって思ってるんじゃないの?親密度凄かったじゃん。」
「はぁ?そんな訳ないじゃん!!」潤也くんの声色に怒りが混じっている。
「どうだか?相手に近づけてて嬉しそうな顔してたじゃん?まあ別にいいけど。」
「別にいいって何?言いがかり辞めてくれない?」
「私、ご飯食べたいからあっち行ってくれない?」
「美海。その態度はどうなの?」真顔で言われる。悪いと思ったけどどうしても謝れなかった。わかってる。本当は信じてるのに……口からは違う言葉が次々出てしまう。
「潤也くんがその人の事を気にしてるんなら結婚一旦保留にする?おわっ」私の言葉に被せる様に言う。
「そんなに俺が信じられないならいいよ。挨拶もいくの辞めよ。じゃあね。」
元カノの事も終わらせてからクリーンな状態で結婚に向けての準備をしたかっただけだったのに……泣きそうになる、誰が前に座ったので、潤也くんかと思い
「さっきはごめん……」と言って前を向くとあの元カノだった。
「あなたって潤也の今の彼女なんでしょ?さっき怒って出て行ってたけど、あの優しい潤也を怒らすなんてあなたって生粋のわがままなのね?」
私の事を軽蔑するような顔だった。
「あの……」
「私と潤也は高校から大学卒業するまで付き合ってたの、私が留学するから別れたけど、今でも私は潤也が好きよ。潤也も私と結婚も考えてたんだから!いい加減私に返してちょうだい。」まくし立てて言われ私は何も返せなかった。結婚するつもりだったと言われたのが頭をぐるぐる回る。
「それに私達、今度ご飯行くのよ。だから早く別れてね。じゃあ失礼するわ」元カノは言いたいことを言って去っていった。
「ご飯食べに行くってどういう事?!なんで元カノと行くの?もう、訳わかんない。」頭がパンクしそうだった。折角おいしいご飯食べてたのに味が全くしなかった。今日はご飯を食べてそのまま潤也くんを誘ってデートに行こうと思ってたのに……涙が出そうになり、個室から出て帰ろうとしたらカウンターであの元カノと潤也くんが笑顔で喋ってるのが見えた。もう無理。耐えられない。レジでお金を払って走って車に乗って急いで帰った。潤也くんから電話がかかってきたけど、怖くて出れなかった。
【もう好きじゃない】と言われ拒絶されるのが怖かった。今思えばそんな事すべきじゃなかったのにブロックまでしてしまった。ただ怖かっただけだったのに……別れたくなかったのに……仲直りしたかったのに……自分のせいで1番大好きな人が去ってしまった。
有桜ちゃんと佳子ちゃんにも心配させて本当に何してるんだろう。
あの電話で別れ話をしてから1週間が過ぎた。毎日泣いて泣いてしたが、いい加減乗り越えないとと思い、潤也くんに荷物をいつ取りに行ったらいいかとLINEする。すぐ返事が来て3日後に行くことになったが、とても悲しい返事だった。
【もう美海とは会いたくないから合鍵で入って荷物まとめて持って帰って。施錠終わったら鍵をコンシェルジュに渡してくれ。もう会うこともないから連絡先も消して欲しい。】そんなに嫌われてしまったのかと思い辛くなった。携帯の画面に涙がぽたぽたと落ちる。
【わかった。今までありがとう】と送る。
会いたくないから仕事に行っている時間帯にしてくれと連絡があったので普段潤也くんが仕事に行っている時間帯にやってきた。
持参した段ボールに私物をいれていく。生活用品から二人で撮った写真など私が持ち込んだ物全部を片付けて行く。あんなに幸せだったのに自分がしてしまった過ちでこんなことになるなんて……
「バカだなぁ……ただ元カノと喋ったりしないで!!って言ったら良かっただけなのに……」
誰もいない部屋で独り言を言う。
「さぁ。頑張ろ!!」するとLINEの通知音がなる。通知者は潤也くんだった。もしかしたら仲直り出来るかもと思って望みをかけて開いてみる。
一気に地獄に落ちるような気分だった。
【ちゃんと片付け終わった?かおりとよりを戻す事になったから私物を忘れずに全て持って帰ってね】
元カノとよりを戻す?え?と思ってるとまた通知がある。
【連絡先ちゃんと消してね。後、二度と店にも来ないでね。さよなら。】
涙が溢れ出る。私ってそんなに潤也くんに嫌われてたの?もう会いたくないってこと?
悲しくて悲しくて仕方なかった。
片付けが終わり荷物を運び出す。誰もいない部屋に向かって話しかける。
「潤也くん、今まで、ううん。子供の時からありがとう。凄く大好きだったよ。元カノさんと幸せにね」
1階に降りてコンシェルジュさんに合鍵を渡す。
「高崎様、どうされましたか?」
コンシェルジュさんとは顔見知りだったのでどうして鍵を返すのか不思議そうにしていた。
「無くしたら困るので預かって貰ってもいいですか?また来た時に貰います」と話すと「承知致しました」と言われる。
車に乗ってから涙が止まらなかった。
さようなら、私の初恋……潤也くん、幸せになってね。
有桜ちゃんと佳子ちゃんが心配してLINEをくれたが、この事は言えなかった。明るく、頑張るよ!としか言えなかった。
部屋に荷物を取りに行ってから1ヶ月が過ぎた頃、水川志帆の取り巻きの1人の後藤龍馬君と偶然出会った。
「高崎さんじゃん。久しぶりだね?」もう1人の取り巻きの男(隼人の事)と違い、後藤さんはあまり喋らない印象だった。
「久しぶりですね。」笑顔で答える。
色々話ていると、意外と意気投合した。実は高校時代から私とことを可愛いと思っていたが、話す機会がなかったとの事だった。水川志帆信者なのかと思っていたが意外とそうではなく、隼人と仲が良かったから自然と一緒にいただけとの事だった。
「良かったら高崎さん、今度ご飯でも行こうよ!!」と言われた。悩んだが潤也くんとはもう別れて1ヶ月が過ぎたしくよくよしても仕方ないと思ってOKした。
ご飯当日に後藤さんが迎えに来てくれて私達はレストランでご飯を食べた。
「高崎さん元気ないね?何かあったの?」と聞かれた。高校の時だか、自分の事を気に入っていた人に話すのはどうかな?って思ったが潤也くんとの事を相談してみた。
「うーん。それって本当に潤也が送ってきたの?俺が知る潤也はそんな不誠実な事しないと思うけどなぁ?」後藤さんは真剣に答えてくれた。
「高崎さんは本当に諦めるの?後悔しない?」
「後悔するけど、また拒絶されたら立ち直れないし……」
「LINEじゃなくて本人に直接会って気持ちを話てみたらどうかな?意外とお互いすれ違ってるだけかもよ!」
「そうかな?」
「もう一度頑張ってみなよ!もしそれでもだめなら俺とまた遊びに行ってストレス解消しようよ!」
「うん。頑張ってみる!!ありがとう。後藤さん」
「やっぱり高崎さんは笑顔が1番だよ!」と言われ頭をポンポンされる。
「後藤さんってお兄ちゃんみたい」
「確かに下に妹と弟いるからね」
「やっぱり?」
「妹の1人は佐藤さんと同じ会社で秘書として働いてるよ。」たわいのない話が続く。
こっちに近づいて来る足音が聞こえる。私達の前に立って凄い殺気を放っている。
「二人で何してるんだ?!」見上げると潤也くんだった。凄く怒っている。
「後藤さんとご飯に来てて」と私が言うと潤也くんは私の手を掴み「来て」と行って引っ張って行った。
「え??ちょっと潤也くん?いきなり帰ったら後藤さんに失礼じゃな」
「黙って美海……これ以上俺を怒らせないで?」睨まれる。私のLINEに通知が入る。後藤さんからだった。
【ちゃんと話をしておいで。俺は大丈夫だから】
そのまま潤也くんの車に乗って潤也くんの家に着いた。
部屋に入った瞬間いきなりキスされた。
美海と潤也シリーズです。




