44◇報告(episode佳子)
「遅くなってごめん」有桜ちゃんが待ち合わせのカフェに来る。有桜ちゃんのお腹の中には新しい命が育っている。
「つわり大丈夫?」私と美海ちゃんで聞くと、笑顔でもう落ち着いたよと言っていた。
「やっぱり有桜ちゃんが一番にママになるかぁ…」と美海ちゃんが言った。
「ふふふ。そうだね。そう言えば佳子ちゃんあの後、好きな人とはどうなったの?」
「そうそう!私も気になってたんだ。引越ししなかったんだよね?」
「実は……セフレだと思ってたのは私だけで、遊真くんとはずっと付き合ってたんだぁ。私が引っ越すって言った時に凄い嫌がってて、会った時に別れたくないって泣かれちゃって」
「わぁぁ。遊真くん相変わらず可愛いね」美海ちゃんがニヤニヤして言う。
「そうなの。泣いてる顔も可愛かったけど、あんなに感情あらわにされた事ないから何だか嬉しくて」頬が凄く赤くなってしまった。本当にあの時の遊真くんは可愛かった(*´ω`*)
恥ずかしくなってきて無意味にアイスコーヒーの氷をストローでかき混ぜてみる。
「でも遊真くんがちゃんと佳子ちゃんに好きとか言ってくれなかったのも今回の勘違いの原因でもあるよね?」有桜ちゃんが頬を膨らませて少し怒っていた。
確かに私もそれは思ってその事を遊真くんに聞いてみた。
「遊真くんどうしてあまり好きとか言ってくれてなかったの?それに記念日お祝いとかした事ないし」
「口に出すのが苦手だったのもあるけど、気持ちをあまり言ってなくてごめん。これからはちゃんと言うようにするよ。佳子、大好きだよ。世界で一番愛してる。」ちゅと唇にキスをされる。
「でも、付き合った記念日はお祝いしてたじゃん。いつも忘れてたのは佳子の方だよね?」じとーっと可愛い顔で睨んでくる。
「ええ?いつ?多分私と遊真くんの付き合ったと思ってる日が違うんじゃないかな?」さすがにずっと遊真くんセフレだと思われてたと最近まで思ってたとは言えなかったのではぐらかしてみる。
「そういう事にしておくよ。初めてホテルに泊まった時に好きだからこれからも一緒にいようって言ってたじゃない。俺も【うん】って言ったじゃん。俺にとってはあの日が記念日だよ」遊真くんはやっぱり少し不貞腐れてしまった。
「もう過ぎちゃったけど、2周年のお祝いする時にちょっといいレストランとかでプロポーズもしたかったのに……」そう言いながらこの間渡してくれた指輪を撫ぜながら言う。その指輪は私の左手の薬指にはまっている。
「ごめんね。怒ってる?」顔を覗き込むと遊真くんはニコって笑って言う。
「怒ってないよ。ただ、なんで引越そうと思ったのか気になってるだけ。佳子が記念日忘れてた事なんて気にしてないよ。俺が勝手にしてただけだし、俺の方が佳子の事好きなだけだし。」やっぱり怒ってるじゃん!!って心の中で思ったけど、それだけ私の事好きなんだなと嬉しくなった。
「本当にごめん。でも!私の方が遊真くんの事大好きだし!それだけは譲れないからね」と言うと。ニコッと笑って、【わかったよ】って嬉しそうに言ってくれた。とっても幸せな時間だった。(*˘︶˘*).。.:*♡
「っていうことがあったからその事に関してはもういいんだぁ」と私が話す。
「めっちゃ遊真くん、佳子ちゃんの事好きじゃん!!」美海ちゃんが笑顔で言う。
「しかもプロポーズしてくれたんだね!おめでとう」有桜ちゃんも嬉しそう。
「ありがとう!そういえば美海ちゃんの所はどうなったの?」
美海ちゃんと小川先輩はお互いの家に挨拶をしに行ったはずだが、美海ちゃんは何も言わない。
「実は喧嘩してしまってね。今冷戦中なんだ、私と潤也くん……」
「「ええ!なんでそんな事になってるの?」」有桜ちやんと同じタイミングで言う。あんなに仲良くしてたカップルが冷戦中って信じられなかった。
「潤也くんが優しいのは分かってるんだよ。飲食店のマスターも兼任してるし、でも!!でも!!元カノにまでいい顔する?お悩み相談する?絶対その女、復縁狙ってるじゃん!私と違って美人で大人な元カノなのよ!怒っちゃってずっと連絡もブロックしてるんだ」
「美海ちゃん、元カノと潤也さんが近づいた事に嫉妬してるのは分かるけどさすがにブロックはだめだと思うよ。ねぇ?佳子ちゃんもそう思うよね?」
有桜ちゃんが私を見て言う。
「そうだよ。美海ちゃん、怒る気持ちは分かるよ。私も遊真くんが元カノと相談なんてしてたら確かに嫌だし嫉妬しまくると思うけど、ブロックはダメだよ!もし小川先輩も傷ついて、別れたいって言ったらどうするの?美海ちゃん後悔しない?」
私の言葉を聞いて美海ちゃんがはっとした顔をする。美海ちゃんもブロックなんてやり過ぎって分かってたんだと思う。でも……どうしても嫉妬してしまいどうしようもなかったんだと思う。
美海ちゃんはブロックを解除すると着信がなる。
「潤也くんからだ……」美海ちゃんは恐る恐る電話にでる。
「美海なんでブロックするの?そんなに俺が嫌なんだね。そんなに嫌なら結婚もしなくてもいいし、別れよう。」小川先輩の冷たい声が聞こえてきた。
美海ちゃんの目から大粒の涙がこぼれ落ちる。
「ごめんなさい……潤也くんを他の女の人に取られると思って嫌だったの。でもブロックはやり過ぎだったね。もう解除したから……潤也くんの意思に従うよ。」美海ちゃん!!そこはダメって言わないと。LINEでメッセージを打ち込んで美海ちゃんに見せる。
でも美海ちゃんは首を振ってまた涙を流して言う。
「潤也くんの家に置いてた私の荷物また取りに行くから空いてる日をLINEしてください。今までありがとう。」小川先輩の返事を待たずに美海ちゃんは切ってしまった。どう慰めたらいいか分からなかった。
「美海ちゃん……」
「佳子ちゃんの言う通りになっちゃった。ブロックなんかせずに話し合えばよかったのに……本当に自分が嫌になるよぉ」両手で顔を覆いながら美海ちゃんはずっと泣いていた。美海ちゃんが泣き止むまで待ってから私たちはそれぞれ家に帰った。
家に着くと遊真くんもちょうど帰ってきた。
玄関のキーケースの中に車の鍵を置き、ぎゅーと抱きしめてくれた。
「おかえり。何か嫌なことでもあったの?一緒にお風呂浸かってリラックスしょう」
朝、時間のセットしてくれたみたいで湯船には湯がはってあった。私の好きなゆずの香りの入浴剤を入れてくれた。全部終わってから2人とも湯船につかる。
私が遊真くんの前に座って後ろから抱きしめてくれる。
「何があったの?」
「実は美海ちゃんが……」と今日の出来事を話す。
「そっかぁ。でも佳子が出来ることは高崎さんを慰める事しか出来ないよ。」
「そうだよね。何も出来ないよね……話聞いてくれてありがとう。」私は遊真くんの頬にキスをする。
「ううん。溜め込まずにちゃんと俺に話してね。今日は悩んで疲れたでしょう?マッサージしたげるよ。」そう言って私の頭や肩などを揉んでくれた。
お風呂上がった後も髪を乾かしてくれたり、ご飯も作ってくれた。癒しを与えてくれる遊真くんに感謝しながらこの人を絶対に大事にしようと思った。
それから1ヶ月後、生理が来ないので産婦人科へ行った。妊娠を疑ったのではなく遊真くんと温泉旅行に行く計画をしていたので予定されてた日にちをずらしたかったからだ。
生理が遅れてるのでピルを処方して欲しいと医師に伝えるとまず尿検査をしてからと言われたので検査をして待ってると医師に呼ばれる。
「百瀬さん妊娠されてますよ」
「え?」頭がフリーズしてしまった。え?いつ?もしかしてあの仲直りエッチの時?
普段、ゴムをしてるから気にしてなかったけど、確かにあの時、付けて無かったことを思い出す。
驚いたけど、嬉しくて急いで遊真くんに電話した。
「遊真くん、赤ちゃん出来てた」
「まじ?嬉しい」電話越しでも分かる位泣いていた。
「帰ってきたら入籍の日にち決めよ。ありがとう佳子。凄く嬉しい。」
二人で話し合って1ヶ月後に入籍する事にした。お互いの両親には挨拶はもうしていたが、入籍の報告をした。結婚式もしたいと思い式場を探す。2人とも気に入った所が彫刻先輩の会社がしているホテルだった。
手作り感も残しつつ自分たちらしい式と披露宴を計画出来た。
当日になり今から私はこのバージンロードを歩き遊真くんの所へ行く。色々あったけど、本当にこの人と出会えて良かった。
耳元で「綺麗だよ。世界一愛してる」と言ってくれた。私もだよ。世界一愛しい人、これからも支え合っていこうね。
遊真♡佳子カップル大好きです。
2人のその後などもまた書いていこうと思ってます。




