12✩.*˚気持ち(episode圭吾)
「ごめんね。でも本当はママ、君がここに来てくれて嬉しかったんだ。きっといつかママのお腹に戻ってきてね。待ってるよ」書斎から忘れた物を取りに戻ってきた時に聞こえた。胸がきゅーと締め付けられた。
書斎に戻った時に電話がかかってくる。
「もしもし」
「もしもし。圭吾!元気してた?」明るい声が耳に響く。
「来月10日に帰った時に空港に迎えにきてくれない?久しぶりに会いたいんだけど。」
「わかった。また何時なのか連絡くれ」
「はいはい!」
「会議があるから切るよ。」電話を机におきため息をつく。また電話をかける。
「有坂グランドホテルの翡翠の間を来月の10日抑えといてくれ。水川志帆が帰ってくるから歓迎会を行う。料理は君に任せる。」秘書の近藤部長に指示を出す。
「承知しました。佐藤さんの様子はどうでしょうか?」
会社で唯一俺たちの関係を知っている彼が尋ねてくる。
「良くなってきている。1ヶ月後には出勤できると思う。後のフォローよろしくお願いする。」
「はい。佐藤さんにゆっくり休養するように伝えてください。こちらは大丈夫です。」
「わかった」と言って電話を切る。有桜は自己評価か低いからあまり分かってないが凄く仕事も出来るし周りへの配慮もよく出来る。
彼女がフォローに入った株主の役員からはお褒めの言葉が社長である俺にいつも入ってくる。
社長専属秘書として最高の仕事をしてくれる彼女にいつも感謝をしている。
前に潤也に言われた一言を思い出す。ぐたぐたしていると横から取られる。そうだ、確かに有桜はあの容姿に加えて性格もいい。他の男性社員も彼女を狙っている。
ふつふつとまた黒い物が湧き出てくる。
他の男に笑いかけている有桜を見るだけでイライラがおさまらないんだ。やっぱり俺は有桜の事がすきなのか?
でも他の男と有桜が一緒にいるのを想像するだけで、まだ見ぬ想像の男を殺しそうだ。
志帆に優しくするのは俺を助けてくれた恩人だからだ、それ以上の気持ちは正直ない。
付き合ってはいたが、志帆から付き合いたいと言われて付き合っただけで好きか?嫌いか?と聞かれれば好きだが、愛してるか?と聞かれたらNO!だ。
正直、志帆と結婚をしたいとは微塵も思わなかった。
もし今、志帆が他の男と一緒に歩いていても嫉妬もしないだろう。
ふっと笑いが込み上げてくる。自分であれやこれや理由を付けているが俺はただ有桜にのめり込んでしまって傷つきたくないだけなのかもしれない。
有桜に中出しをしてしまったあの日に感じたあの気持ち。子供が凄く好きという訳ではないのに何故か2人の子供を想像してしまった。
それが答えなんだ。
有桜が俺の事を好んでくれているのは分かっている。
ただ、線を引かれているように感じてしまうのも事実だ。
後2年間で、有桜の中での俺の存在をいっぱいにしたい。
俺は本当の意味で恋をしたのかもしれない。
佐藤有桜という女性にこの歳で初恋したのかもしれない。
そう思うと胸の中が春風のように温かくなるような気がする。
「有桜。俺を好きになってくれ」懇願にも似た俺の正直な気持だ。
後2年だ、後2年で本当の夫婦になれる様に頑張るしかない。
出来れば子供も欲しい。出来れば有桜に似た可愛い女の子と男の子がいいなぁ。だってあの有桜のような笑顔でパパって言ってくれたら幸せな気持ちで満たされそうだ。
俺は潤也に電話をかけていた。
「お!どうした?」
「潤也、好きになって貰うにはどうしたらいい?」
「は?!もしかして」
「ああ。もしかしてだ」
「だから俺は言っただろ?まずは相手が好んでいることを調べる事だな。そして彼女の悲しみにも寄り添える男になれ」
「わかった」電話をきる。
有桜の好きな事、嫌いな事、家族の事色々知りたいことがいっぱいある事に気づく。
好きな人ができる事はこんなにも楽しい事なんだなと思った。
仕事を終わらせて主寝室へ行く。有桜が相変わらず可愛い顔でスヤスヤ眠っている。
イタズラ心が出て鼻を摘んでみる。
「うーん?辞めてよぉ」と眉間に皺を寄せて顔を揺らしている。
「可愛い俺の奥様」唇にキスをする。
キスをしてふと思った。キスを自分からするのもしたいって思うのも有桜がはじめてだな。
自覚するととても恥ずかしくなって赤くなる自分がいた。自分が思っている以上に有桜の好きなんだなぁと思った。
「有桜。この2年間の間に君の気持ちを俺に向けてやる。覚悟しろ」寝ている有桜に言うと。抱きしめた。有桜特有のこの香しい香りを堪能する。
ひとつになりたいという感情が俺の脳内に溢れる。
でも、ましてや体が弱っている有桜にそんな事をするわけにいかず俺は自分のアレをしごいていく。
有桜は水色の部屋着を着て寝ていた。
ボタンを外すとそこから大きな膨らみがのぞく。
有桜は胸が凄く大きい。柔らかい、そして甘い。
激しく揉みたい。あのピンク色の蕾を触って摘んで舐めたい。
そんな事を考えるだけで俺のアレは更に大きくなる。
あの可愛い口から喘ぎ声が聞きたい。でも我慢だ。
目をつむり、自分のアレをしごきながら有桜との情事を思い出す。あの可愛い口からでる喘ぎ声を思い出しながら自分でする。
頭の中で有桜が言った「圭吾くんの事好き、世界1だぁいすき」がコダマする。
「俺も好きだ。あぁ愛してる。」果ててしまう。
「しあわせだ。ほんとに」
シャワーをしに浴室へ入る。
横になり、有桜を抱きしめてねる。
久しぶりに夢を見た。
誘拐された時にあの女の子が言う。
「がんばって!」口の中に甘い物が入る。
「ママが作ってくれたキャラメルだよ!岩塩がちょとと甘いのは愛情だよ。」
一緒にいた女の子が言っていた言葉だ。
あの時のショックで顔を忘れてしまった。
志帆のはずなのにその子の笑顔は有桜だった。
俺は言う。「やっぱり君だったんだな。俺の運命の人」
「これからも君を大切にするよ。愛してる」
子供だった姿が大人の俺と有桜になり抱き合っている。
ふと見ると有桜のお腹は膨らんでいる。
「女の子だったよ。」
それで目が覚める。朝日がカーテンの隙間から入ってくる隣で有桜が寝ている心地よい朝だった。




