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第七十九話:空の絆をつなげ! 聖域からセレスティアへ、食料輸送計画始動!

ルカの故郷を救うため、奏多は大胆な提案をする。

それは、かつての敵である帝国軍の戦闘機を回収し、改造して輸送手段にすることだった!

アヴァロンとエリュシオン、そして聖域の技術が融合する!

応接間に重苦しい沈黙が流れた後、俺はふと、数日前に聖域の庭に積み上げられた鋼鉄の残骸を思い出した。帝国軍の侵攻を食い止めたあの日、あの膨大なスクラップの山が脳裏をよぎる。

「……なぁ、エリス! 数日前にガルス団長率いる騎士団が、墜落した帝国の飛行型戦闘機を全部回収していったよな?」

エリスは少し驚いた表情で、腕組みをしながら答えた。

「あ、あぁ……確かに団長は騎士たちを総動員して、細かいビスや配線一本に至るまで、戦闘機の残骸を全て回収した。今は王国内にある科学ギルドによって徹底的な分解・分析が行われているはずだ。勿論、分析が終わり次第、自国の軍事力を強化する目的で、王国もあの機体と魔導技術を積極的に利用する気満々だがな……」

俺はニヤリと笑い、全員を見渡した。

「それを……今の俺たちの手元で、安全に作り直して利用できる可能性があるとしたら、どう思う?」

全員が絶句し、思考が停止したような表情になった。「な、何だと……!?」

ルカはソファから立ち上がり、信じられないものを見る目で俺を凝視した。

「な、何!? あの帝国軍の戦闘機を……撃墜しただけでなく、再利用しようというのか!?」

ヴィオラが興奮を隠しきれない様子でルカに駆け寄る。

「実はね! 奏多が召喚する動物と呼ばれる魔獣たちが、帝国軍の編隊をたった一人……いや、一機残らず叩き落としたのよ!」

ヴィオラは身振り手振りを交え、数日前に起きた空での激戦を詳しく話した。ハルの進化、召喚された相棒たちの圧倒的な連係、そして帝国が誇る空軍の崩壊――ルカは、ヴィオラの言葉を聞くたびに大きく目を見開き、その瞳に衝撃の色を深めていった。

「信じられない……! まさか、その謎の魔獣を召喚するスキルだけで、帝国の最新鋭機を!? ……確かその謎の魔獣を、今『ドウブツ』と呼んだな?」

俺は窓の外で、元気に駆け回るレオやクロたちの姿を指差した。

「あぁ、俺の相棒たちだ。ここでは『未知なる魔獣』として認識されているようだが、彼らには彼らの名前がある」

エリスは顎に手を当て、深刻な表情で考え込んだ。

「……少し、王国側に連絡してみよう。おそらく回収済みの機体を参考に作られた、エリュシオン王国の飛行技術があるはずだ。修理して帝国の紋章をエリュシオン王国の紋章に付け替える改造実験や、それ以前の飛行試験のデータがあれば……」

「やってみる価値はあると思う」俺は断言した。「残念ながら、俺はこの館の敷地内から一歩も外に出られないという呪縛がある。だから、技術提供や設計のアドバイス、そして相棒たちによる防衛と護衛で、全力で応援するしかできないけれど」

ゼノが目を輝かせ、即座に手を挙げた。

「良ければ、我がアヴァロン王国の科学ギルドにも打診してみましょうか? 必要な素材があれば、アヴァロンとエリュシオンの冒険者ギルドに合同依頼をかければ、短期間で最高の資材が集まるはずです! これこそ、真の意味での国家を超えた協力……!」

話はとんとん拍子に進んだ。ルカが運んできた「セレスティアの危機」という緊急性が、普段は対立しがちな各勢力を一つにまとめ上げていた。

エンジェル族の飛行技術と、帝国の魔導工学、そしてアヴァロンの豊かな資源。それら全てが、この小さな館を中心に融合しようとしている。

「ルカ、君たちが空から物資を受け取れる高度と、着陸可能な限界はどのあたりだ?」

俺が図面を広げて尋ねると、ルカは地図を指でなぞりながら答えた。

「雲の切れ間にある『浮遊島』の拠点なら、小型機なら着陸できる……! 奏多、君の計画通りにいけば、本当に我々の同胞を救えるかもしれないんだな!」

空の絆をつなぐためのプロジェクト――「スカイ・ブリッジ作戦」が、今、ここから始動した。聖域の庭では、ハルが何を感じたのか、高台の巣から大きく翼を広げ、空に向かって勇壮な咆哮を上げた。まるで、これから始まる壮大な任務の門出を祝うかのように。

第七十九話、いかがでしたでしょうか。

ついに具体的な解決策が見えてきましたね。敵の技術を平和のために利用する……まさに奏多の機転が光る回でした。次回、いよいよ改造計画がスタート!

次回:

「鋼鉄の翼を塗り替えろ! 帝国戦闘機の改造とルカの挑戦!」

お楽しみに!

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