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第七十三話:嵐の後の安らぎ! 守護者たちの休息と平和への誓い!

帝国軍の空中艦隊を撃退し、聖域に平和が戻った。

エリスとガルス、そして館の住人たちは、束の間の休息を楽しむ。

しかし、帝国内では残酷な粛清が行われていた……。

「はぁ……よかった。俺、召喚とバフの付与以外、ほとんど何もしてない気がするけどな。まあ、とにかくこれで一件落着……だよな?」

俺は館の門の前に立ち、ゆっくりと深呼吸をした。つい先ほどまで鋼鉄の翼で埋め尽くされ、爆炎と硝煙に包まれていた聖域の空は、今は美しい夕焼けに染まり、平和な静けさを取り戻していた。地面には騎士団が回収した戦闘機の残骸が積み上げられているが、その光景さえも、今は勝利の証のように見えた。

門の前では、王国騎士団長ガルスとエリスが言葉を交わしていた。

「団長、わざわざ駆けつけてくださって本当にありがとうございます! 団長の到着がなければ、さらに危ないところでした」

ガルスは豪快に笑い、エリスの肩を叩いた。

「いいってことよ! お前は俺にとって大事な、自慢の部下でありながら、血は繋がっていないが娘のような存在だ。何より、罪なき地を蹂躙する連中を、このガルスが見過ごせるわけがない」

「……ありがたきお言葉です」

そこへ、研究ノートを抱えたヴィオラが小走りで駆け寄ってくる。

「団長! これをどうぞ! 私がこれまで研究してきた『動物』と呼ばれる魔獣についての生態調査書です! ついでに、あのドラゴンの幼体と、この館に居つくマーリドという……水の魔神に関する考察もまとめました!」

ガルスは驚きつつも、その分厚い書類を丁寧に受け取った。

「うむ、確かに受け取った。王国にとっても貴重な資料になるだろう。エリス、ヴィオラ、二人とも引き続きここを拠点としつつ、奏多殿を支えてくれ。さてお前達! 撃墜された敵機の残骸を回収し、証拠保全を急げ!」

「ハッ!!」

騎士団が手際よく残骸を片付ける中、レオたちは門の前に整列していた。レオが「ワンワンッ!」と勝ちどきを上げ、ミケが「ニャーーッ!!」と喜びのポーズをとる。馬のクロは「ヒヒーンッ!!」と高らかに嘶き、ゴロや他の動物たちも、自分たちの役目を終えた満足感に浸っているようだった。

その頃、帝国。転移魔法で強制送還された隊長と生き残ったパイロットたちは、玉座の前の冷たい大理石の床に這いつくばり、独裁皇帝を補佐する冷酷な幹部たちの前にいた。

幹部の一人が冷笑する。

「言い訳は全部聞いてやったが……まさか我が軍が誇る最新鋭の戦力を、名もなき魔獣ごときに破られただと? 情けない! お前達のような雑魚ども、兵士の資格などない!」

「すみません!! 何卒、どうか……あと一度だけチャンスを……!!」

幹部は容赦なく告げる。

「黙れ! 特に貴様、一ヶ月前にも先導隊を率いて同じ結果だったな? 役立たずには役立たずなりの最後をくれてやる。目隠しをして、民の目の前で首を差し出せ!」

部屋の空気が凍りついた。独裁皇帝がゆっくりと玉座から立ち上がる。

「……もういい。あの森には今後は手を出さぬ。他にやるべきことがある。世界征服……それが我が帝国の目標であり、そのための魔王の排除、そして勇者共の探索だ。無意味な戦いで戦力を浪費するのは愚策」

「しかし陛下!」

「……弱者は不要。速やかに全員の処刑を始めよ」

一時間後、広場には数千の民衆と貴族が集まっていた。中央には無骨な断頭台が設置されている。目隠しをされた隊長とパイロットたちは、民衆からの罵声の渦中に引きずり出された。

「恥を知れ、帝国の面汚しめ!」「その程度の獣にも勝てぬのか、無能!」「死んでお詫びしろ!」「我が家の息子を返せ!」「税金の無駄遣い!」「帝国軍の恥さらし!」「お前のような者が兵士だったとは……!」「民の安全を脅かした罪、その首で贖え!」「生きて帰ってきたこと自体が罪だ!」「惨めだな、空を飛ぶゴミ共が!」

罵声と共に、民衆が投げつけた石や、貴族たちが放った弱い魔法が彼らの体に突き刺さる。隊長たちは手探りで断頭台の台座を探し、震える首をそこに預けた。

鋭い斧の一撃が、彼らの絶望を断ち切った。

そんな惨劇など知る由もなく、俺たちは館の庭で安らぎの中にいた。

ハルが空中で満足げに旋回し、「ガオオオォォォォォッ!!!」と鳴く。

「ありがとう、みんな! 本当によくやってくれた。しばらくゆっくり休んでくれ!」

ルミナが目を輝かせて俺に寄ってくる。「奏多さん、本当に凄かったです! 私もシルヴィア様との合体魔法で、少しは役に立てましたよね?」

ガルス騎士団長は、動物たちの手際よい後片付けを見て目を丸くした。

「まさか、あの動物たちが残骸の回収を手伝ってくれるとは……感謝する! また有事の際はすぐに駆けつけるぞ!」

ガルスは俺の肩をポンと叩き、小声で耳打ちした。

「それと……奏多殿、彼女たちを頼むぞ。コイツらこう見えて仕事一筋、休むことを知らんからな。恋愛経験も皆無の世間知らずだ、たまにはゆっくり休息させてやってくれ」

「あ、あぁ……頑張るよ」

夕闇が訪れ、館には穏やかな時間が流れていた。俺は、この守るべき者たちとの絆が、以前よりも深く結ばれたことを感じていた。嵐は去った。今夜だけは、誰もが平和な夢を見られるはずだ。

第七十三話、いかがでしたでしょうか。

勝利の後の安らぎと、対照的に描かれる帝国の冷酷さ。平和を守り抜いた奏多たちの絆が、さらに深まった回でしたね。

次回、激闘の疲れを癒やす、館での賑やかな一夜!

次回:

「聖域の宴! 守護者たちと動物たちの賑やかな一夜」

お楽しみに!

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