第六十五話:伝説の探求者シルヴィア! 彼女がこの館を訪れた本当の目的とは?
謎の美女シルヴィアの正体は、伝説の考古学者!
彼女がこの館を訪れた本当の目的は、伝説の賢者エルドラドの謎を解くためだった。
突然の同居願いに戸惑う奏多だが、マーリドの言葉と動物たちの反応は……?
聖域の空気が、シルヴィアという名の嵐に掻き回されていた。伝説の考古学者、その異名は伊達ではない。彼女がそこに立っているだけで、まるで古びた歴史書の一ページが色鮮やかに書き換えられていくような、そんな神秘的な圧力が空間を満たしていた。
「あら、あなた……驚くほど若いわね? 一体いくつなの?」
シルヴィアは、まるで蝶が花に止まるような軽やかさで俺の目の前に歩み寄ってきた。その香水の甘い香りに、俺の思考が一瞬だけ停止する。
「……俺は17歳だ。それと、俺はこの館の管理人……風間奏多。……失礼だが、有名人である貴女が、なぜこんな辺境の館に来たんだ?」
俺は警戒心を剥き出しにして尋ねた。現世で味わった裏切りへの恐怖が、無意識のうちに俺を彼女から遠ざけようとしていた。しかし、シルヴィアはそんな俺の冷ややかな反応を面白がるように、いたずらっぽく微笑んだ。
「17歳でこんなに可愛い顔をしてるなんて……我慢できないわ」
不意に彼女が距離を詰め、俺の頬に軽く口づけを落とした。
「チュッ!」という微かな音が、静まり返った館内に響き渡る。
「ちょ、ちょっと……何をするんだ!?」
俺の顔が熱を帯びるのと同時に、背後から殺気にも似た気配が放たれた。ルミナが頬を膨らませて嫉妬の炎を燃やし、エリスは生まれて初めての出来事に真っ赤になってフリーズしている。ヴィオラに至っては、魔物研究以外の恋愛経験が皆無なため、その顔はもはや夕焼けよりも赤かった。
シルヴィアはケラケラと笑う。
「あらごめんなさい! つい私好みだったから、魔性が騒いじゃってね……」
「そ、それより……何をしに来たんだ。俺には、お前たちが何者なのか、目的は何なのか、正直に話してもらう必要がある」
俺が真剣な面持ちで問うと、シルヴィアはふっと表情を真剣なものへと切り替えた。その瞳には、嘘偽りのない、純粋な探求者の情熱が灯っていた。
「前からこの館に興味があってね。……実は今、伝説の賢者エルドラドについて調べている最中なの。彼の素性と出生……今も謎に包まれている。私の夢は、その偉大なる伝説の賢者の秘密を暴くこと。もし館を見つけたら、しばらく住み着いて、心ゆくまで調べるつもりだったの」
彼女は周囲を見渡し、目を輝かせる。
「でも、あなたが管理者なら話は早いわね。……ねぇ、ここに住まわせてくれない?」
突然の同居依頼。俺が言葉に詰まっていると、光の粒子となったマーリドが俺の耳元で囁いた。
『心配無用だ、奏多よ。確かにコイツの噂は私も聞いている。純粋なる歴史好きであり、何より彼女自身、並大抵の魔獣など片手でねじ伏せるほど相当に強いぞ』
「で、でも……」
『それに奏多、もしも彼女に邪悪な心があれば、すぐにお前の動物たちがそれを感知するはずだ。見てみよ』
マーリドの言葉と同時に、レオが「ワンッ!!」と力強く吠え、ミケが「ニャーッ!!」と威嚇しながらも、どこか興味深そうに彼女の足元を覗き込んでいる。どうやら二匹とも、彼女に敵意はないらしい。
シルヴィアは二匹を愛おしそうに撫でる。
「まぁ、なんて可愛い魔獣さん! どれも今まで文献でも見たことがない種類だわ……! あなた、こんな子たちとどうやって契約を……」
すると、ヴィオラが飛び出してきた。
「ならば私が説明しましょう!!! この魔獣たちは「ドウブツ」と呼ばれ、現世の環境では極めて一般的な……ええと、要するにですね、生態調査によれば!」
ヴィオラがマシンガントークを開始しようとした瞬間、俺は焦って彼女の肩を掴んだ。
「ご、ゴホンッ! ヴィオラ、一旦落ち着こうか!」
俺の館に、新たな風が吹き込もうとしている。エルドラドの謎、そしてこの謎の美女・シルヴィア。俺の平穏な管理者生活は、これからさらに濃密で、そして予測不能なものになりそうだ。彼女の探求心と、俺たちの日常が交差したとき、一体どんな秘密が暴かれるのだろうか。
第六十五話、いかがでしたでしょうか。
シルヴィアの強烈なキャラクター、楽しんでいただけましたか? ルミナやエリスたちの嫉妬も加わり、館の日常が一気に賑やかになってきましたね!
次回、シルヴィアの館での生活スタート! 彼女は一体何を見つけるのか?
次回:
「伝説の探求者との共同生活! 館に隠されたエルドラドの痕跡」
お楽しみに!




