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第五十七話:管理者の限界! 魔力を使い果たし、訪れた深い眠り

魔王軍の刺客を退けた代償はあまりに大きかった!

全魔力を使い果たし、深い眠りに落ちた奏多。

目覚めた彼を待っていたのは、戦利品と、仲間たちの心配の跡だった。

管理者レベルが上昇し、新たな召喚カテゴリー「水棲動物」が解放される!

地下要塞の心臓部から、ふらつく足取りで地上へと向かう。ヴォルグを打ち破った高揚感は、既に極度の疲労へと塗り替えられていた。心臓は不規則な鼓動を刻み、血管を流れるはずの魔力が干上がっていくのがわかる。勝った――その事実だけが俺を突き動かしていたが、階段を登りきったその時、俺の身体はまるで底の抜けた器のように急速に熱を失い、意識が泥のように沈んでいった。

「ドサッ!」

鈍い音がして、俺の身体は硬い石床に投げ出された。視界の端でアイギスの無機質な足音が駆け寄ってくるのを感じたが、俺の意識はそこで断絶した。

……それから、どれほどの時間が経過したのだろうか。

夢とも現ともつかない、どこまでも深く、重苦しい暗闇の中にいたはずだった。だが、ふと瞼を焼く陽光の温もりと、どこからか聞こえる微かな鳥の囀りを感じ、俺は鉛のように重い瞼をゆっくりと開いた。

そこは、いつもの自室のベッドだった。シーツの感触がやけに心地よく、身体には心地よい安らぎが満ちている。

「ここは……? ああ、俺、地下で倒れたのか……」

身体を起こそうとしたが、四肢に力が入らない。俺の視界に入ってきたのは、枕元に置かれた見たこともない美しいクリスタルだった。それは妖しい紫の光を秘め、ヴォルグが消滅した際、霧のように散った負のエネルギーが凝縮されたかのように、静かに脈動している。

光の姿に戻ったマーリドが、柔らかな光を纏ってベッドサイドに浮いていた。その光は、どことなく安堵を帯びているように見えた。

『気がついたか。ソイツはヴォルグを倒した証となるドロップ品だ。あの処刑の後、空間の狭間に残されていたのをしっかりと回収しておいた。証拠品があった方が、今後の対策にも役立つのでな。それにしても、随分と寝入っていたものだ』

マーリドは俺の体調を見透かすように、光の粒子を揺らした。

『その様子だと、やはり魔力を使い切ったようだな。ヴォルグという特級の侵食魔を、魔力反転で無理やり浄化した代償だ。しばらく休めば自然と回復するが、今回ばかりは魂の深部まで枯渇している。時間はかかるぞ。ゆっくりとするが良い。……そして、その身でしっかりと理解しておくことだ。それが、私の「神の力」と、館の「管理者としての力」を同時に振るった、管理者にのみ課せられた代償だと』

俺はふらふらする頭で、目の前に浮かぶ半透明のステータスウィンドウを呼び出した。

【管理者レベルがレベル40に到達】

【召喚枠を5つ追加:総召喚枠30、残り召喚可能数 14】

【新規カテゴリー解放:『リバー&オーシャンアニマル』】

「レベル40……それに、淡水や海水の動物たちを召喚できるようになったのか……」

召喚済みが16。総枠が30。つまり、残り14の空きがある。新たな可能性が脳裏をよぎるが、今の俺にはそれを実行する魔力も気力も残っていなかった。

マーリドが厳しく、しかし微かな慈愛を込めて俺を制した。

『もう喋るな。しばし休むが良い。お前が倒れた時、エリスとルミナが何やら異変を感じ取って様子を見に来たのだ。お前が床に伏しているのを見つけ、血相を変えてここへ運んできた。彼女たちがどれほど心配していたか、……お前、分かっているのだろうな?』

エリスの凛とした顔と、ルミナの慈愛に満ちた、涙ぐむ瞳が脳裏に浮かぶ。守るべき場所と、守ってくれる仲間たち。この館が、本当の意味で俺の居場所になったことを実感する。

「ああ……分かってる。……少し、眠るよ」

意識は再び、穏やかな静寂へと沈んでいった。管理者としての戦いは、まだ終わったわけではない。だが今は、訪れた休息という名の聖域に身を任せることにした。

第五十七話、いかがでしたでしょうか。

激闘後の休息回です。たまにはこうしてのんびりする時間も大切ですね。

次回、エリスとルミナの献身的な看病。特にルミナの行動が奏多を驚かせる……!?

次回:

「管理者の休息! ルミナの献身的な添い寝看病にドキリ!」

お楽しみに!

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