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第二十七話:ダンジョンの奥底へ! 脱皮を終えたハルと、眠る遺跡の秘密

脱皮を終え、より強大に、より美しくなったハル。

ハトたちの先導で相棒たちは森の奥深く、未知のダンジョンへと向かう!

奏多の留守番をよそに、相棒たちはダンジョンを「蹂躙」し、莫大な財宝を持ち帰った!

さらにレベルアップを果たした奏多の前に、新たな召喚領域「ジャングル&フォレストアニマル」が解放される!

翌朝、館の広間に差し込む陽光が、いつもより眩しく感じられた。

俺が広場へ足を運ぶと、そこには驚くべき光景が広がっていた。昨日まで小さなトカゲのような姿だった幼龍のハルが、一晩でその体躯を一回りも二回りも大きく変えていたのだ。

全身を覆っていた古い鱗は抜け落ち、その下からは虹色の輝きを放つ、磨き上げられた宝石のような真新しい鱗が現れている。まるで、陽光を吸い込んで光を放つ魔石そのものだ。その眼差しには、幼さの中に確かな「ことわり」が宿り始めていた。

「すごい……これがドラゴンの脱皮か」

俺が呆然としていると、ハトの群れがバサバサと羽音を立てて俺の周囲を旋回した。リーダー格のハト――『ポポ』と名付けた個体が、俺の肩に乗って窓の外を指し示す。それに呼応するように、ミツバチの『ビー』たちが集団でダンスを踊り、進むべき道を空中に描いた。

「おい、待て……! お前たち、どこへ行くつもりだ?」

俺の制止も虚しく、レオが「ワンッ!」と勇ましく吠え、クロが蹄を鳴らして応える。ミケ、ハム、ラビ、スパイ、カタ、ビー、ゴロ、モグ……全員が、まるで祭りに向かうかのように一斉に館を飛び出し、森の奥へと駆け出していった。

「はぁ……行っちゃったよ。俺は敷地の結界から一歩も出られないっていうのに、アイツらは……」

俺は力なく、開け放たれたままの門を見つめた。

マーリドの淡い光が、俺の隣で揺らぐ。

『それがお前に課せられた管理者としての契約の代償。館を離れられぬ孤独と、召喚した獣たちを見守る者の宿命だ。……まさかあのバハムートの幼体、お前に戦い方を乞うことすらなく、本能のままにダンジョンへ消えるとはな。だが、奴の血には刻まれているのだよ。闘争こそが、ドラゴンの唯一の教育であることを』

夜が更け、月が館の庭を銀色に染める頃。

森の奥から、大地を揺らすような帰還の音が響いてきた。

戻ってきた相棒たちの姿を見た瞬間、俺は息を呑んだ。

レオの毛並みには、かつてないほどの闘気が宿り、クロの身体からは雷鳴が微かに漏れている。そして中央にいるハルは、以前の幼い面影が消え、翼を広げれば館の廊下を塞ぐほどの威容を誇っていた。彼らが持ち帰ったのは、見たこともない輝きを放つ魔石や、古代の武器の破片といった財宝の山だった。

「お前たち……一体、何をしてきたんだ?」

俺が魔道具を操作し、ポポたちハトの首から回収した「記録装置」を再生する。壁に投影された光景は、もはや「探索」などという生易しいものではなかった。

それは圧倒的な『蹂躙』の記録だった。

映像の中で、ハルはまるで暴風そのものだった。ダンジョンの深部、溶岩が煮えたぎる広間で、ハルが咆哮を上げると、周囲の空気そのものが震え、硬質な鱗を持つ古竜の成体さえも一瞬で塵へと変貌した。レオは影に潜み、相手の首筋を的確に噛み砕く暗殺者の動きを見せ、クロは雷撃を纏った蹄で、重厚なゴーレムを紙細工のように粉砕している。スパイの放つ蜘蛛の巣はダンジョン全体を覆い尽くす拘束網と化し、ゴロの角は、どんな防壁をも貫く槍となって迷宮の門を突破していた。

ミケやハムたちが、敵の攻撃の合間を縫って、宝箱の罠をいとも簡単に解除し、莫大な財宝を回収していく姿は、もはやベテランの冒険者パーティを凌駕する連携だった。

「これ……本当に、ただのペットや家畜か?」

マーリドですら、映像を見て絶句している。

『……言葉もない。奏多、お前はただの動物を召喚したのではない。異世界という環境が、彼らの眠れる本能を過剰に活性化させているのだ。……この調子では、この館の敷地など、すぐに手狭になるぞ』

その時だった。俺の視界の端で、ステータス画面が激しく光り輝いた。

【管理者:風間奏多のレベルアップ通知】

管理者レベル: 19 → 20

システム更新: 新規召喚枠を5つ解放しました。

新規召喚領域解放: 【ジャングル&フォレストアニマル】

現在の召喚枠状況: 召喚済み12体、空欄8枠

「レベル20……ついに『ジャングル&フォレストアニマル』が解放されたか」

俺は震える手でその項目を選択した。そこには、俺が幼い頃に図鑑で見た、強靭な肉体を持つ森の支配者たちのシルエットが浮かび上がっている。クマ、オオカミ、そしてより強大な獣たち……。

「王国が、騎士団を向かわせている今。俺たちには、偵察だけじゃなく、圧倒的な物理的抑止力が必要だ」

ハルが俺の足元に戦利品を転がし、喉を鳴らした。

「……よくやった。お前たちは、本当に立派な相棒だ。だが、戦いはこれからだぞ」

俺は新たに開かれた8つの召喚枠を見つめる。館の平和を守るため、そしてこの理不尽な世界で俺たちが生き残るため。次に召喚すべき「森の守護者」を想い、俺は静かに魔力を練り始めた。

第二十七話、いかがでしたでしょうか。

ついにハルの強さが覚醒し、さらにレベルアップまで果たした奏多。

「ジャングル&フォレストアニマル」という物騒な(?)領域が解放され、次に何を召喚するのか……。

次回、新たな相棒たちの登場です!

次回:

「新たな領域の住人! 森の支配者たちを召喚せよ!」

お楽しみに!

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