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第二十四話:索敵のスペシャリスト! 召喚された新たな仲間と王国の影

ギルドにて、アレンが語る「謎の蹂躙劇」に周囲は混乱を極める!

アレンの不審な報告は、やがて王国の影となって奏多の元へ忍び寄る。

一方、情報を欲した奏多は、10羽の群れとして「伝書鳩」を召喚!

首元に装備された謎の魔道具と共に、館の「目」が王国の空へと飛び立つ!

数日後。

広大な森の向こう側に位置する『エリュシオン王国』。その中心部に鎮座する冒険者ギルドの空気は、いつも通り殺伐としつつも活気に満ちていた。

ギルドマスターの老人は、カウンターの奥で書類に目を通していたが、目の前に現れた金髪の青年の姿を見て、羽ペンを止めた。

「……まさか、お前がそんな短期間で戻ってこれるとはな。フォレストゴブリンの集落だぞ? 熟練のパーティでも半月はかかる場所だ。……死体も回収できなかったのか?」

アレンはカウンターに力なく肘をつき、脂汗を浮かべていた。

「……えっと、それが……その……強力な助っ人に救われました」

アレンの言葉に、ギルドにいた他の冒険者たちがニヤニヤと集まってくる。

「ようアレン! 随分と顔色が悪いじゃないか! お前、ゴブリンに掘られたのか? そもそも討伐クエストの結果は?」

「えっ!? い、いや、そんなんじゃなくて……」

アレンが狼狽える様子を見て、ギルドマスターは鋭い眼光で彼を射抜いた。

「正直に話してくれ。お前の身に何があった? お前はフォレストゴブリンの討伐クエストを引き受けたはずだ。お前のその覇気の消え方、まるで『死の影』でも見てきたような顔だな。クエストの達成報告もなしに、何が『助っ人』だ」

アレンは周囲を見回し、誰もいないことを確認してから、声を潜めて語り始めた。

「……じゃあ、俺の話を信じてくれるか? 嘘は言ってない。本当に強力な助っ人に救われたんだ。見たこともない魔獣だったけど、あいつら……集落を、ほんの数分で更地にしたんだよ。俺はただ、クロの背中に乗って見ていただけだ」

ギルド全体が、一瞬にして静まり返った。

「……へっ?」

アレンの必死の弁明は、酒場の喧騒にかき消されそうになりながらも、確実にギルドマスターの心に「疑念の種」を植え付けていた。

その頃、館では俺が重大な決断を下していた。

「外の情報か……。今の俺には、移動手段や戦力よりも先に『目』が必要だ」

帝国がどの方面から迫っているのか。この森の結界の外で、何が起きているのか。

現代の技術に頼れないこの世界において、唯一無二の偵察手段――「伝書鳩」を呼び出すことにした。

俺はステータス画面を開き、新たな召喚枠を消費して魔力を練り上げる。

「……古よりの使者よ、我が元へ集え!」

バサバサバサッ!!

館の広間に、純白の羽毛を持つ鳥たちが舞い降りた。

それは単体ではなかった。ミツバチの『ビー』たちの時と同じく、10羽が一つの群れとして召喚されたのだ。

「おお、こいつは……」

よく見ると、ハトたちの首元には、極めて精巧な作りの魔道具が装備されていた。見た目は小さな宝石を埋め込んだカメラのレンズのようだが、その輝きは俺が知るどの光学機器とも異なる。

マーリドがその光を怪訝そうに観察する。

『……これは何だ? 私の知るこの世界の魔道具には、このような形式のものはない。レンズのように見えるが……奏多、お前の記憶がまたしても具現化したのか?』

「ああ、カメラのようなものだ。これがあれば、ハトたちが空から見た景色をそのまま……」

俺がハトの首元に手を触れると、魔道具はわずかに熱を持ち、すんなりと取り外せた。見た目よりもずっと軽量で、堅牢に作られている。

「まずはテストだ。……お前たち、森の境界線を超えて、王国周辺の様子を観測してきてくれ」

俺が指示を出すと、10羽のハトは統率された動きで空へ飛び立った。

まるで訓練された軍隊のように美しい隊列を組み、彼らは館の結界をすり抜けていく。

『……召喚した直後に、これほど完璧な連携を見せるとはな。奏多、お前は無自覚に「兵器」を召喚しているのかもしれんぞ』

マーリドの警告を、俺は半分聞き流していた。

空からの『眼』を得た今、この王国で何が起きようとしているのかを、俺は初めて客観的に監視できる。

アレンがギルドで語った「更地になった集落」の話と、俺たちが召喚した「監視の翼」。

これらのピースが重なり合った時、王国は俺という存在をどう扱うのか。

俺はハトたちが持ち帰るであろう「外の景色」を想像し、広間の窓から空を眺めた。

穏やかな日常の裏で、王国の影が俺たちの館へと伸びようとしている。だが、もはや俺たちは、ただの「引きこもりの管理者」ではない。

空を舞うハトたちが、この広大な地図を塗り替えるための第一歩を踏み出していた。

第二十四話、いかがでしたでしょうか。

アレンの報告がついにギルドへ届き、物語が外の世界へと波及し始めました!

奏多が召喚した伝書鳩には、現代技術を思わせる魔道具が……? 飛躍的に情報収集能力が上がった奏多は、次に何を見つけるのでしょうか。

次回:

「平和の揺らぎ! 騎士団長が率いる調査団、ゴブリンの跡地へ!」

お楽しみに!

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