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第十八話:新たな相棒を求めて! 奏多が選ぶ次なる属性と、森の予兆

館の平穏な宴の裏で、奏多はステータスの先にある「可能性」に気づく。

レベルアップで広がる新たな召喚カテゴリーと、謎に包まれた「古代召喚」の存在。

一方、森の奥深くには、報酬を目当てに迷い込んだ金髪の冒険者の姿があった。

奏多の知らないところで、理想郷の結界に新たな波紋が広がる!

宴は、想像以上に賑やかなものとなった。

テーブルには魔物の肉を使った料理が所狭しと並び、館の中は笑い声と食欲をそそる芳醇な香りに満ちている。

ルミナは、さすがは王家の血筋というべきか、ナイフとフォークを優雅に使いこなし、一口ずつ丁寧にお上品に食事を楽しんでいる。対して、俺の足元や椅子の下では、相棒たちが獣の本能を全開にしていた。レオは豪快に骨付き肉を噛み砕き、ミケは魚の魔物を前足で弄びながら器用に身を削いでいる。

「……まあ、純粋な動物だし、これくらいが彼ららしいか」

人間ではない、この世界では『未知の魔獣』である彼らに、人間のようなテーブルマナーを求めるのは酷というものだろう。だが、そんな中でも例外はいた。

ミツバチのビーたちは整然と花の蜜を吸うように食事をし、スパイは糸で器用に獲物を切り分けている。カタツムリのカタも、粘液で適度に湿らせた植物の芽をゆっくりと食んでいた。

そして何より、ドラゴンのハルだ。彼は自分の前にある肉をじっと見つめ、俺とルミナの顔を交互に窺いながら、許可を待つように小刻みに震えている。

「ハル、食べてもいいんだよ?」

俺がそう声をかけると、ハルは嬉しそうに「キュウッ!」と鳴き、満足げに食事を始めた。その健気な姿に、俺の心もすっかり解けていく。

食事の合間、俺は改めて脳内のステータス画面を呼び出し、詳細を精査することにした。

レベル10上がるごとに5枠追加。単純計算だが、レベル100に達すれば、初期枠10を含めて合計60枠もの召喚が可能になる。これは、もはや一人で小隊を編成できるに等しい。

「属性か……」

今の俺のラインナップには、地と風が圧倒的に多い。バランスを考えるなら、攻撃の要となる「火」や、相手を麻痺させる「雷」が欲しいところだ。

ふと、スキルの説明文の隅にある小さな注釈に目が留まる。

『召喚可能範囲:現段階では家畜・ペット・昆虫などの身近な動物に限られる。管理者・風間奏多の知識と成長に依存する』

知識の反映。そうか、俺が現世で動物園や農場で触れ合い、図鑑で読んだ記憶が、このスキルの制限を解いていく鍵なのかもしれない。

さらに読み進めると、レベルごとの解放カテゴリーという興味深い記述を見つけた。

Lv.20: 召喚枠+5、「ジャングル&フォレストアニマル」解放

Lv.40: 召喚枠+5、「リバー&オーシャンアニマル」解放

Lv.60: 召喚枠+5、「マウンテン&フローズンアニマル」解放

Lv.80: 召喚枠+5、「デザート&サバンナアニマル」解放

Lv.100: 召喚枠無限化、および「古代召喚スキル」解放の可能性

「古代召喚……?」

それは、現世の動物園にはいない、絶滅種や神話の生き物を呼び出せるということか?

だが、それを手に入れるための『特殊条件』という記述は、ぼやけていて詳細が読めない。あまり焦っても仕方ないか。俺はマイペースに、目の前の日常を守りながら一つずつ強くなっていけばいい。この館にはアイギスもいるし、焦る必要はないはずだ。

俺は誰にも知られぬよう、その秘密を心の中に静かに閉まった。

その頃、館から遥か遠く離れた森の奥地。

鬱蒼と茂る木々の合間を、派手な金髪の青年が苛立たしげにかき分けていた。彼は帝国軍の兵士ではなく、金銭を求めて魔物を狩るフリーの冒険者だった。

「クソッ……! ギルドから依頼された『フォレストゴブリンの集落』ってのは、確かこの森の北東にあるはずだったんだが……どこだよ!」

彼は背中の豪華な装飾が施された剣を、苛立ち紛れに叩く。

「マジで迷った……。というか、この辺り、妙に空気が張り詰めていないか? ゴブリンどころか、小動物の一匹もいやがらねえ……」

青年は気づいていなかった。彼が踏み込んだ場所は、もはや通常の森ではない。

この館の結界が「再起動」したことにより、この周囲一帯は、外部の干渉を徹底的に拒絶する「聖域」へと変貌していたのだ。

青年がさらに奥へ足を踏み入れると、目の前の空間がピシリと音を立てて歪んだ。

「あ……?」

彼が見たのは、あり得ない光景だった。

森の景色の中に、突如として出現した幾何学的な紋章を持つ光の壁。そこは、館の防衛結界の「外縁」だった。

「なんだこれ……!? 魔法障壁か? いや、こんな森の奥に誰が……」

彼が興味本位で結界に触れようとしたその瞬間、森の木々がザワザワと音を立て、影が動いた。

館の番人であるはずのアイギス、あるいは相棒たちではない、「何か」の気配が、彼を鋭く見つめていた。

森に予兆が満ちる。俺たちの静かな理想郷に、招かれざる客が近づいていた。

第十八話、いかがでしたでしょうか。

ステータスの詳細が判明し、今後の成長ルートが見えてきましたね。

しかし、そんな平穏を壊すかのように、金髪の冒険者が結界に接触! 奏多たちは気づかないまま、物語の新たな局面が動き始めます。

次回:

「結界への侵入者! 冒険者と館の管理者、初めての接触」

お楽しみに!

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