↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
146/202

第百四十六話:聖域の奇跡! アルト、仲間との絆でバルバドスを撃破せよ!

聖域を覆っていた熱風が、一瞬にして静まり返った。それは嵐の前の静寂。

魔王軍幹部バルバドスが纏っていた人間としての外殻が、弾けるように砕け散る。その奥底から現れたのは、煉獄の深淵から這い上がったかのような、禍々しくも力強い真の姿だった。

アルトの攻撃を正面から受け止め、余裕すら見せていた幹部が、ついに勇者という存在を「殺すべき敵」として認識した瞬間である。聖域の守護者アルトと、絶望の体現者バルバドス。二人の激闘は、神話級の領域へと踏み込んでいく。

「なるほど……確かに、只の小僧ではなかったな。俺をここまで追い詰めたその剣技と気迫、認めてやろう」

バルバドスの口元が歪み、不気味な笑みが浮かぶ。

「だがな、勇者! 俺をそこまで本気にさせた……その代償は、貴様の命で払ってもらう!! 見せてやろう……この身に宿る、魔王より授かりし煉獄の真髄……俺の真の姿を!!!」

その叫びとともに、バルバドスの全身から黒い炎が噴き出し、聖域の空を真っ黒に塗りつぶした。筋肉が肥大化し、背中からは燃え盛る骨の翼が展開され、頭部には地獄を象徴する巨大な二本の角が突き出る。それはもはや人型を逸脱した、異形の悪魔の姿だった。

バルバドスは巨大な爪で空気を引き裂き、その巨体で地を蹴った。

「ここからが本番だ……死ぬ覚悟をしな!!」

地下のコンソールルームから、俺は【魔獣監視の目】を通してモニター越しにその姿を目撃し、思わず叫び声を上げた。

「なんだありゃ!? あんなもん、人間相手にする攻撃力じゃねぇぞ!」

マーリドの声が、冷淡に、しかしどこか見透かすように響く。

『……やっと本性を表しおったか。奴の本体はあの異形の炎。生半可な浄化では、その核まで届かぬぞ』

アルトは震えるどころか、逆に眼光を鋭くした。

「……巨大化して、動きが遅くなった。いや、違う。一撃の重圧で、僕たちの心臓を直接押し潰そうとしているんだ」

リナが杖を構え、震える声で叫ぶ。

「アルト、注意して! 奴の魔力濃度が……一瞬で倍増したわ!」

バルバドスの放つ灼熱の衝撃波が聖域を襲う。それは防衛結界にヒビを入れ、館そのものを揺らした。アルトはグリフォンの風を全開にして回避するが、その余波だけで地面がクレーターと化す。

「ハハハハハ! 逃げ回るだけか、勇者よ! 貴様の絆とやらは、この圧倒的な暴力の前では無力だ!」

アルトはバルバドスの猛攻をいなしながら、心の中で動物たちと繋がった。

『……みんな、力を貸してくれ。この絆は、僕一人だけのものじゃない』

その瞬間、聖域の全域から金色の光がアルトへと収束した。

パオの大地を踏みしめる重厚な守護の意志、ハナカマキリの獲物を狩るための究極の集中、そしてレオとチョコの、ただひたすらに守りたいと願う純粋な献身。

それら全てが、アルトの聖剣に宿る。

「僕たちの絆は、誰の力にも屈しない!!」

アルトの剣が、今までとは異なる白銀の光を放った。それはマーリドの浄化の力と、館の仲間たちの祈りが融合した、まさに「聖域の奇跡」とも呼ぶべき一撃だった。

バルバドスが巨大な腕を振り下ろす。アルトはそれを回避せず、真っ向から突っ込んだ。

「貫け! 絆の極光アニマル・オーバードライブ!」

聖剣がバルバドスの胸にある煉獄の核を突き刺す。異形の肉体が光の粒子となって浄化され、バルバドスの絶叫が聖域に木霊した。

「馬鹿な……俺が、こんな……人間如きに……!」

光の中に消えゆくバルバドスの瞳には、最後には「勇者」という存在への畏怖が宿っていた。

静寂が訪れ、聖域の結界がゆっくりと修復されていく。俺は安堵の息を吐きながら、モニター越しに立ち尽くすアルトの背中を見つめた。

第百四十六話、いかがでしたでしょうか。

ついに魔王軍幹部バルバドスを撃破したアルトたち! 絆の力が奇跡を起こしました。

聖域を守り抜いた彼らに、ついに真の旅立ちの時が訪れます。

次回予告:

「聖域を後にして! アルト、賢者エルドラドの手紙を求めていざ旅路へ!」

お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。