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幽霊の正体見たり○○○


 「!!おーい!蓮太郎ぉー、十勝ぃー!!」

 

 太陽が沈み始め、空色は鴇に染まる逢魔ヶ刻。

 目の前に、見慣れた人影が確認できたことから、章太郎が声を張り上げて自分の親友二人の名前を呼び、そこから話は始まる。


 さて呼ばれた方も聴き慣れた、そして今まさに丁度探していた者の呼び声に反応して、即座に後ろを振り返った。

 

 「!!章太郎!お前今までどこに・・・って霧村ぁ!?」


 そこにいたのは自分たちのリーダー(迷)だけではなく、数人の美少女たちとそして、本来ならここにいるはずのない男の姿が目に入り、驚愕を口にする。


 「んだよおめーら揃いも揃って幽霊でも見たような顔しやがって。失礼極まりないぞ。」


 実際そんな感じなのだからしょうがない。クラスの中で響は死んだものになってるし、まぁ章太郎パーティーは秀助達から話を聞いているから生きているかもという可能性自体は持っているだが、まさかこんなところで、しかもウチのリーダーを連れてくるとは一体どういうことだと困惑しているのだ。

 しかも、連れと見られるのは皆目見麗しい妙齢の少女達、それも混乱驚愕を大きくさせている要因だった。


 「い、いやお前死んだはずじゃ・・・。しかもなんで章太郎と一緒に!?」


 「ハッハッハ、何度でも蘇るさッ!!」


 あながち間違いでもない。ただあの洞窟のことではないが。


 「でも、よかったです。霧村君が生きていて・・・。」


 「まぁ、あのくらいじゃ死なねーよ。何でチュートリアル程度のところで死ななあかんねん。」


 「いや、相手ドラゴンだろう!?そんなこと言ってられる相手じゃないじゃないかな!?」


 「知らんがな。お前らと違ってこっちきてから日々鍛錬してきたねん。あんなトカゲごとき倒せるってぇの。」


 なぜ関西弁なのかは謎だし、そもそも言うほど余裕でもなかっただろうが。あの時点ですでにほかのクラスメイトとは雲泥の差があったのはたしかだけれども。


 「鍛錬?もしかして自主練してたの?」


 「レベル上げとステアップもな。まぁステアップの仕方ぐらいだったら教えてやらんこともないし、ぶつやってもいいがまた今度にしてくれ。」


 「まじか!?それじゃぁ時間あるときにでも頼む!!」


 「貸し一つ追加な。あと地獄(意味深)みることになるから気をつけろよ。」


 「「「「「???」」」」」


 すでに一度響が剣を振るうところを目撃している章太郎は興奮気味に申し出ているが、残り五人は何のこっちゃと首を傾げては、ひ、ふ、へ、ほ?と困惑していた。

 そもそも未だにドラゴンをたった一人で倒したこと自体眉唾ものの半信半疑なのだから。


 「ま、まぁそれはいいか。それよりも霧村はそのあとこれまでずっと何してたんだ?いやなんかあえて戻らなかったみたいな話は秀助から聞いてはいるんだが。」


 「へぇ、流石秀助だな。自力でたどり着きやがったか。それはそれとして何してたかって?残念ながら禁則事項だ。喋る気はない。(というか喋れないとしか言いようがねぇ。あまり人に話すと危険が出てくるし、言うにしても今じゃない。)」


 妲己のことも崇徳院のことも、他言無用な案件であり、もし安易に口を漏らして仕舞えば最悪勘づかれる可能性はある。そうなってからは遅いので、出す情報は極力最小限に抑えなければならない。

 それにそうなるとリコリス達のことも話さなければならなくなってしまう、態々過去の傷に塩を塗るような真似はできたとしてもするべきではないのだ。


 「いやでも・・・。」


 「いやもクソもねぇ、ダメなもんはダメだ。お前らこれ以上詮索してきたらあれだからな?呪うかんな?」


 「そんな呪うって・・・。」


 今日日脅し文句としては絶対に聞かない言葉に若干の呆れを含ませて冗談半分に相槌を打ついおり。だが残念かな。おそらくこの男なら人を呪うくらいできるだろうか。しかも今ならなおさらわけないはず。


 「馬鹿にすんなよ、それくらいできるかんな、お?あれだ、お前らには30前半になって子供がそこそこ大きくなってきた頃に加齢臭が急に出てきて娘息子に「パパ(ママ)くちゃーい。」って言われる呪いかけるからな?」


 「やめろよそんなの!?普通に立ち直れなくなるわ!!」


 遅延性だしなおかつ精神的に嫌な陰湿なものを選ぶあたりいやらしい。しかもダメージは大きいことまちがいないぞ。


 「それくらいじゃなきゃ呪いにならねぇだろうが。そもそも今お前らが話を聞かなっきゃいけないのは俺じゃなくってそっち。深山も自分で状況説明ぐらいしろや。」


 「わ、悪りぃ。」


 と、親指刺された章太郎が緊張と不安抱きながら前へ出てくる。

 それを見てなんだと声をかけるのはおかしなことではないだろう。

 「どうしたんだ章太郎、なんかあるのか?」


 「あぁ、それなんだが・・・。」


            ♢


 「というわけで、皆んなには力を貸して欲しいんだ。せめて俺がその間パーティーを抜けるのを許してほしい。頼むッ!!」


 一連の事情を説明し、メンバーに深々と頭を下げる。同時に事の中心たるソロモンも揃えてこうべを下げ、懇願を示した。


 一方下げられた側の蓮太郎達は事の急展開に困惑の意で一杯。そもそもなんでこの迷子の間にそんなことが起きたのかとか、話が重すぎてうまく飲み込めないだとか、要因は目余りする程湧いて出てくる。

 

 「えっと・・・。」


 「俺らが付いていく分危険危機の類はないぞ。絶対とは言わんが一刻兵団じゃ相手にならんしな。ま、こいつがやらなきゃいけない所は自分でやらせるけど。そこで死にそうでも手は貸さないからな。」


 このままでは話が進まなそうなので、響が助け船というか追加の説明をする。

 しかし同時に厳しいこともいうが章太郎はわかりきった風に、逆に抗議の声をあげたのは他メンバー、もっというと瞳であった。


 「あぁ、それぐらい言われなくても自分でやるつもりだ。」


 「な、なんで!?」


 「あ?これは一番最初こいつが買った喧嘩だぞ?買った喧嘩は本人が蹴りつけるのが流儀でしょーが。」


 何言ってんだこいつみたいな顔で歪ませて持論を垂れる響。まぁたしかに最初に黒ずくめ達に反旗の声をあげたのは章太郎だし、仮に現王妃と会いたいすることになるとて、それを響が相手取るのはさらさらおかしな話であり、やはりそこはソロモンと章太郎自力でやるべきだろう。


 「いや、いいんだ。さっきも言った通り俺もそれで 納得してるし、ソロモンだってな?」


 「うん、これはもともと私だけの問題だし、ほんとは章太郎も付き合ってもらう必要はないのに・・・。」


 「だから前にも言ったろ?もうこれはソロモン一人だけの問題じゃなくってきてるんだ。俺の問題でもあるし、そういうこと言うなよ。」


 「そっか、うん、ありがとうね。」


 その様子を見て和んだか、冷静な思考を取り戻し、さっき言っていたことについて考える。といってもそこまで鑑みることもなく結論は出てきたのだが。


 「私は構いませんが・・・。皆さんはどうですか?」


 「私は構わないかな。」


 「うん、私もいいよ。」


 「同じく。」


 「まぁ、聞いて放っておけるような話でもないしな。」


 「皆・・・ありがとう!!」


 「ありがとございます!」


 再度、二人して頭を下げては感謝の言葉を述べる。響の言った通り、皆快く引き受けてくれ、これで章太郎の不安要素はなくなったと言っていいだろうか。

 

 「よかったですわね、気の良い友人たちで。どこぞの誰かさんんならお金取るかもしくは満面の笑みで断っている所ですわ。全くあのろくでなし爪の垢を煎じて飲ませたいものですわ。」


 「おいおい、ずいぶんな物言いじゃねぇかテメェ。誰がろくでなしだって?」


 「さぁ?誰と入っていませんが、自覚があるんならそうなんじゃないんですの?」


 「よし、ブッコロ。」


 「ちょ、やめてください、今は私だけじゃないんですから巻き込んでしまったら大変です!!」


 さてまた余計なことを口走ったリコリスのせいでいつものアレが始まってしまった。今回は周りに章太郎達がいるため、パイフェンが早急に対処に入るが、ともかくそれを目の前で繰り広げられているほかの者達は文字通り目が点になっていた。


 「え・・・何これ・・・?」


 『成長しないなぁ、二人とも。』

 

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