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34 披露
というわけで、晩餐会。現地の言葉で歌った歌は好評だった。
歌も演奏もあまり練習できなかったけど、それでちょうど良かったらしい。
元の世界で慣れていたあの歌は、インパクトが強過ぎだったようだ。
「特に、俺とリムは異世界転移を目撃した直後だったからな」
「本当に神秘的で、圧倒されました。また聞きたいとは恐れ多くて」
「大袈裟だよ…」
リムさん、そのうち僕のことを『シル様』とか呼びそうで怖い。
アレはキツい。いやホント、マジで…。
「別の世界から来たとは驚きです。ぜひお話を」
「信じていただけるのですか?」
「エルハルト殿の記録を感知させていただきました。素晴らしかった」
出席者からは、歌と共に元の世界のことをあれこれ聞かれた。
思念で感知していても、それとは別に話を聞きたいらしい。
「ウチの息子や娘も、もっと向上心をもたせた方が良いのだろうか」
「そうですな。シル殿は薬草採取も地道にこなしておられるし」
「いえ、僕の場合はやむにやまれずのことですので…」
我が原点である薬草採取がこんなに評価されるとは…。
それにしても、元の世界のあんな人々やこんな人々に聞かせてやりたい。
あの運営とか、あの事務所とか…。




