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33 国王
晩餐会出席の前の国王謁見のため、王宮に来た。エルハルトと一緒に。
いや、そもそも晩餐会とやらの出席がいつ決まったのか。
「おお、そなたがシルか。エルハルトからも話は聞いている」
「あ、はあ…」
「晩餐会の演目が増えるのは嬉しい。諸国の大使も楽しめるだろう」
外交目的の晩餐会ですかい。まあ、僕も外国人みたいなものだけど。
しかし、歌のせいで領主様の結晶体があまり役に…いやいや。
「それにしても、『異世界』か…大変興味深い」
「あの、自由に行き来できるわけではありませんので」
「うむ、承知している。とはいえ、神の臨在は素直に喜ぶべきだろう」
確かに、悪い存在ではないな。僕の意向も汲んでくれているし。
「また別の機会にゆっくり話をしたいものだ。第一王子も紹介したい」
「第一王子?」
「そなたの上級ポーションで病が完治したのだよ」
領主様の友人は王子様の方だったらしい。三十代らしいけど。
王位を継ぐ気はないらしく、志願して開拓村の領主をやってるそうな。
この世界の、権威欲のカケラも感じないところは好きである。




