24 王都
「シル、王都が見えてきたぞ」
「わー、あれが王都…の城壁?みたいな?」
「歴史的な建造物としては有名ですね」
城壁は、大昔に獣の群れから都を守るために作られたものらしい。
街と比べたら広そうだし高い建物とかあるけど、雰囲気は変わらない。
馬車の窓から眺めているうちに入口に近づいた。門番がチェックしている。
「3名共、冒険者ギルドの登録者か。…ん、君は話に聞いていた者だな」
「僕のことを知っているの?」
「別の結晶体で特徴情報が届いている。『グライダー』の開発者だろ?」
開発ってほどのものではなかったけど、それなりに伝わっているらしい。
変に素性を怪しまれるよりはいいだろう。
「そういえば、王都にも固有パターンが検出されなかった者が現れたな」
「え!?いつ!?」
「十日ほど前かな。詳しいことは王都の冒険者ギルドに訊いてみてくれ」
おお…同郷?いや、異世界転移といっても同じ世界からとは限らないか。
とはいえ、転移者なら、魔力量に関する手がかりが掴みやすくなるかも。
あまり期待できないけど。
「心当たりがあるんですか?」
「んー、たぶん違うと思う。こっちの方まで来る予定は僕だけだったから」
王都に入った僕らは、そのまま冒険者ギルドを訪ねた。
ポーションや道中更に採取したものの換金を先にすることにしたためだ。
なんだかんだいって、王都は物々交換よりも銅貨の方が通用しやすい。
「はい、これが所定の銅貨です。それと、結晶体の『認証』も済みました」
結晶体の伝言は国王陛下宛だった。僕の保護を求める内容らしい。
保護といっても特別扱いするわけではなく、困った時の相談相手だ。
ていうか、領主様の王都の友人って国王陛下だったのか。
「困ってなくても、謁見くらいなら俺が連れていくぞ?」
「謁見しても、話すことないし…」
「まあ、そうだな。宿を取ったら食事に行こう」
エルハルトってこんなに食い意地張ってたっけ?
とはいえ、反対する理由は全くないので同意する。
王都は数日滞在する予定だし、図書館(仮)は明日以降でいいかな。




