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15 給仕

 発想の転換、いや、妥協か。しばらく食堂に泊めてもらうことになった。

 先手?を打っておばちゃんに話したら、それならと誘われたのだ。

 物置部屋を少し整理してもらい、数日分の宿代で買った布団を敷く。


「確かに、食事にも困らないしな…」

「でも、時々は泊まりに来てくださいね」

「いや、それなら宿に…なんでもないです」


 リムさんもエルハルトもこの食堂の常連で、特に反対はなかった。

 反対はなかったが、妙なプレッシャーに襲われた。

 そして、二人しておばちゃんに何か交渉していた。なんだろ。


「はい、野菜炒め追加だよー」

「なんだシル、冒険者辞めたんかい」

「寒い間だけだよー」


 もちろんではあるが、タダで泊めてもらうつもりはない。

 夕方の時間帯のみではあるが、食堂の仕事を手伝う。

 調理では役に立たないので、給仕やらレジやらである。


「でも、やることほとんどないんだよな…」


 別に客が来ないわけではない。手間がかからないのである。

 バイキング形式が基本である上に、客自らが洗浄魔法を使う。

 正直、おばちゃんだけで十分なのだが、何もしないよりマシだ。


「こういう食堂では給仕自体が珍しいからな。たまにはいいだろう」

「そうですね。こうしてシルさんにお酒をついでもらうのも楽しいです」

「交渉していたのはそれかい。いやまあ、つぎますけどー」

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