13 位置
シルバーウルフの脅威がなくなったので、数日ぶりに採取をする。
結局、結晶体を活用した仕事はあきらめた。自身の生活にも使えそうにない。
もっと効果がある薬草を探す?まともに魔法が使えなければ検証もできない。
「あれ、完全に迷った…」
それでも新しい何かを探そうと、森の奥の奥まで進んだのが間違いだった。
数日ぶりとはいえ、何か月も通ってきた森で迷うとは…油断した。
「薄暗くなる前に街に戻るべきだったな…しかたがない、ここで野宿か」
困るのは、馬小屋よりも寒いこと。冬が近いからなおさらだ。毛布はない。
火をおこしている余裕もない。木の根本に座り、上着を脱いで体を覆う。
…
「…おい、起きろ。このままだと風邪を引くぞ」
少し眠ったところで、誰かに起こされた。よく見たら、エルハルトだった。
「もしかして、探しに来てくれたの?…ありがとう。そして、ごめん」
「いや、門番から戻ってないと連絡があって、リムが範囲検出魔法を使った」
「そっか…。リムさんにもお礼を言わないと」
魔法の固有パターンを広範囲検出する魔法があり、方向や距離がわかる。
僕の場合はネックレスだけど、住民登録で検出するパターンを用いている。
このことはもちろん住民に公開されている。犯罪抑止にとても効果的だ。
「しかし、迷子になった冒険者を探すために使ったのは初めてじゃないかな」
うわー、恥ずかしい。個人情報がどうとか言える立場じゃない。
実際、この世界にも地磁気はあるらしく、子供でも方向感知魔法が使える。
子供扱いされてもしかたがないというか、子供未満というか。とほほ。




