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第三十八話 ダイエット計画!

「もういやだぁぁぁーーーっ!! このままじゃ私の身体、完全にバグりきっちゃう!!」

自室のベッドに突っ伏し、ルチア(中身:48歳元ニートおじさん)は絶叫した。

バスト135cm、ウエスト55cm、ヒップ88cm。アニメキャラすら置き去りにするこの凶悪なまでのグラマラスボディ。しかも、バックグラウンドでは【現実改変・身体再構築魔法】の自動発動システムが今この瞬間も稼働し、「下半身の消滅」と「上への過剰な栄養配分」を容赦なくアップデートし続けている。

(こうなったら……! 人間の尊厳とカロリーの因果律を取り戻すために……今日から「完全ヘルシーメニュー生活」に切り替えるしかないわよ!!)

一念発起したルチアは、専属侍女のエレノアを呼びつけ、力強く宣言した。

「エレノア! 今日から私の食事を一切の糖質と脂質を排除した『超ヘルシーメニュー』にしなさい! サラダ! 温野菜! 蒸し鶏! 草と水だけよ!!」

しかし、この時のルチアはまだ知らなかったのだ。

「カロリーをすべて完璧な美少女の肉体(特に胸)へと変換する」というこの狂気のシステムの前では、ヘルシーメニューすらも別の方向で凶器と化すという恐怖の真実を――

数日後。

ルチアの食事は徹底的に「草(野菜)」へと置き換えられた。

毎食のようにテーブルに並ぶのは、色とりどりの新鮮な葉物野菜、アボカド、豆腐、そしてノンオイルのドレッシング。

「ふふっ、ルチア様。お肉やスイーツを断ち、これほどストイックにヘルシーな葉物野菜をお召し上がりになられるお姿……美しすぎますわ」

「うっ……うう……。これでお腹周りの贅肉が落ちて、この異常な135cmも少しはマシになってくれれば……!」

涙を流しながらシャキシャキと草を噛み締めるルチア。

だが、食事を終えて数時間後、体に異変が起きた。

「……あれ……? おかしいわね……?」

なんだか、胸元がやけにズシリと重い。

それもそのはず。ルチアの体内で暴走する【自動改変システム】および【女性ホルモン】は、「摂取した栄養が何であれ、すべてを最優先で胸とくびれの維持に全ステータス振り分けする」という鉄の掟を持っていた。

つまり、たとえそれがヘルシーなサラダや低カロリーの野菜であっても、システムはそれを「究極の淑女を形作るための聖水」と勝手に解釈し、ピンポイントで胸へと凝縮・変換してしまったのである。

「ちょっと待って……! お肉を食べてないのに……なんで胸がさらにひと回り膨らんでるのよ!? ウエストは55cmを維持したまま、胸だけがさらに成長して、ついに140cmに届きそうなんですけどぉぉぉ!!?」

鏡の前で青ざめるルチア。

サラダを食べたというのに、脂肪が減るどころか、「無駄な栄養がない純度の高い植物性オーガニック巨乳」へと、より神々しく、より高密度にパワーアップしてしまっていたのだ。

「す、素晴らしいですわルチア様……! 糖質を断ち、大自然の恵みだけでこれほどの豊満さを維持・拡張されるとは……もはやルチア様は肉体を超越した『森の女神』、あるいは『奇跡の化身』でございます……!」

うっとりと両手を組んで感涙するエレノア。

一方、ルチアは頭を抱えて床に崩れ落ちた。

「草しか食べてないのに胸が育つ生物がどこにいるのよーーーっ!! 私のダイエットは一体どこに向かってるのーーーっ!?(絶叫)」

ヘルシーメニューすらも自身の「わがままボディ」を加速させる燃料にしてしまったルチア。彼女が真の平穏(?)を取り戻す日は、来るのだろうか――


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