第二十八話 侮辱罪とかあるのかしら?
久々の湯浴みで、広々としたお風呂で一人ゆったりとお湯に浸かっていたルチア(中身:48歳元ニートおじさん)。
(ふぅー……やっぱり一人の湯浴みは最高だわ……。それにしても、小さいとはいえ一応男子のシンボルが付いたままだからなぁ。もしアストルフォ王子に万が一見られでもしたら、王室への侮辱罪とか不敬罪で即打ち首になっちゃうかも……)
そんな一抹の不安を抱え、下半身の様子を確認しようとお湯の中で自分の股間をそっと覗き込んだルチアは、次の瞬間――驚愕のあまり目玉が飛び出そうになった。
「……っ!? な……なん……だと…………!?」
そこに広がっていたのは、見慣れた男性器の姿などではなく、滑らかで完全に完成された「女性器」そのものだったのだ!
(ない……! ないないない!! 萎縮して小さくなってた『彼』の痕跡すら完全に消えてるじゃないのよぉぉぉ!? っていうか、完全に向こう側の構造に置き換わっちゃってるじゃないのーっ!?)
連日の女性ホルモン過剰分泌と生理の到来、そしてナプキンによる徹底的な固定と平坦化を経て、身体が「下なんて要らないから上に回しなさい」と配分し直した結果、ついに男性器は跡形もなく消滅し、完全な女性の肉体へとアップデート(?)を完了させてしまっていたのである!
「あ、侮辱罪どころの話じゃないじゃないのよぉぉぉ!! 男であることの証拠すら物理的に消滅させられたら、もう言い逃れすらできないじゃないのーーーっ!!(涙目)」
湯船の中で頭を抱えて絶叫するルチア。
そこへ、着替えのタオルを持った専属侍女のエレノアが、あまりの騒ぎに様子を見にやってきた。
「まあ、ルチア様! お湯の中でどうなされたのですか?」
「エ、エレノアぁぁぁ!! 大変なの! 大変なのよぉぉぉ!! 下の……下の『男の残骸』がついに跡形もなく消えて、完璧な女子の股間になっちゃってるのよーっ!!」
ルチアはお湯からバシャッと上がり、涙目になりながらエレノアに訴えかけた。
しかし、エレノアはルチアの股間(※湯気とタオルで絶妙に隠れている)に温かい視線を向けると、うっとりと胸の前で手を組んだ。
「……まあ! なんということでしょう……っ! これでついに、ルチア様のお身体から『不純な突起』が完全に浄化され、上下ともに完璧な『神々の造形物』として完成されたのですね……!」
「『不純な突起』って言ったわね!? 浄化されたんじゃないの、勝手に消滅したのよ!!」
「おめでとうございます、ルチア様! 上は溢れんばかりの豊満なバスト、下は滑らかで神秘的な乙女の園……! これでいつアストルフォ殿下にすべてをお見せになっても、一ミリの疑いようもない『完璧なお妃様』としてお迎えいただけますわ♪」
「見せるわけないでしょーがーっ!!(絶叫)」
男としての最後の防衛線どころか、存在の証拠すら物理的に失ってしまった48歳おじさんルチア。湯上がりの身体に巻きつくバスタオル越しにも主張する圧倒的な胸と、完全に平坦化された下半身のコントラストに、ただただ絶望の涙を流すのだった。




