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第十七話 余計なお世話!

「理性が……理性が保てない……! ルチア、君が可愛すぎるのが悪いんだ……っ!」

野獣のような瞳をしたアストルフォ様が、熱い吐息を吹きかけながら顔を近づけてくる。

古代遺跡の祭壇という密室(?)で、究極の美少女へと強制改変された48歳おじさん(私)は大ピンチを迎えていた!

(あ、アカン!! このままじゃ勢いで最後まで行っちゃう!! 乙女としての(?)純潔以前に、もっと現実的な大問題があるだろーーーっ!!)

私は迫り来る王子の胸板を両手で必死に押し返し、叫んだ!

「お、落ち着いてくださいアストルフォ様っ!! 冷静になって考え直してくださいまし!!」

「冷たくしないでくれルチア。僕の君への愛はもう誰にも止められない」

「そうじゃなくてっ! 王家の血筋の問題ですわ!!」

私の言葉に、アストルフォ様がぴくりと動きを止めた。

「……血筋……?」

「そうですわ! アストルフォ様は王家の一人っ子! 次期国王として、確実に王位を継ぐお世継ぎを残さねばならないお立場です!」

(よしっ! ここで俺の『ついてるだけの完全静寂・萎縮モード下半身』の真実を打ち明けるんだ! 『実は私、子供を作ることができない身体(元おじさん)なのです! 私と結ばれれば王家は断絶してしまいます!』って言えば、流しく王子だって諦めてくれるはず……!!)

男としての尊厳は破滅するが、王国の未来を守るため(と自分の貞操を守るため)、覚悟を決めて口を開こうとした――まさにその時だった!

背後の巨大な石板が、突如としてピカーーーーーッ!!!と爆発的な光を放った!

『――音声入力を検知。【王家の断絶】キーワードに反応』

『――追加システム起動。古代転生大魔法使い特製【生命の神秘・自動アプデ】を実行します』

「は……???」

光の文字が、石板の上に恐ろしいスピードで展開されていく。

『分析:対象の『息子』は永続的な完全静寂状態(※機能停止)につき、通常交配による後継者残存確率は0%と算出』

『解決策:【聖なる処女受胎・自動受精プログラミング】をインストール』

ピロン♪と軽快な音が響く。

『――改変完了。アストルフォ王子の遺伝子(愛の魔力)を体内に感知した際、下半身の構造を【超効率的・子宮機能】へと自動ローカライズ。『息子』が存在したまま、王子との間に可憐で優秀な後継者を授かることが可能となりました』

『結論:王家断絶の心配は一切ありません。心置きなく愛を育んでください』

「余計な気を回すなぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ(絶叫)!!!!」

石板の謎の親切設計(大事故)に対し、脳内の48歳おじさんが血吐くような悲鳴をあげる!

男に戻るどころか、男の象徴を「残したまま」王子の子を授かれるという、とんでもないトンデモ仕様に改変されてしまったのだ!

そして、その光と石板のメッセージ(※王子には『ルチアは完璧に子宝に恵まれる祝福を受けた』と都合よく翻訳されて伝わった)を見たアストルフォ様は――。

「……なんという奇跡だ……。古代の魔法までもが、僕とルチアの結婚を祝福してくれている……!」

王子の瞳から、ついに理性のタガが完全に外れた。

「もう何一つ、僕たちを阻む壁はないよルチア。……さあ、王国に最高の未来を創ろうか」

「いやぁぁぁぁぁ!! 魔法使いのバカーーーーーーッ!!」

王家の断絶という最後の防衛線を破られ、逃げ場を失ったルチアの悲鳴が、迷いの森の奥深くに虚しく響き渡るのだった――!!


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